著者
井川 克彦 長谷部 弘 阿部 勇 奥村 栄邦 西川 武臣 小林 延人 高橋 未沙 土金 師子
出版者
日本女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

江戸後期において上田小県地方は生糸主産地の一つであり、その生糸は前橋の生糸市に集荷され、桐生などの絹織物の原料となった。横浜開港後にその生糸生産はさらに拡大して明治を迎えたが、この地方では器械製糸業がなかなか勃興しなかった。上田商人や生糸流通構造の実態を明らかにすることに努めた結果、養蚕と結合した農家小商品生産の部厚い存在、買い集める上田生糸商人の資本基盤の小ささを見通すことができた。
著者
長嶋 優子
出版者
日本女子大学
雑誌
人間研究 (ISSN:02864916)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.66-87, 1984-03
著者
五関 正江
出版者
日本女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

アルカリホスファターゼ (ALP) はリン酸エステルを加水分解する反応を触媒する酵素で、骨型ALPは石灰化との関連が深い。骨量は食生活等の環境因子と複数の遺伝因子によって決定される。本研究では、本酵素の遺伝子発現と加齢・老化や栄養因子との関連について検討を行い、リン酸代謝を含めたミネラル代謝等に関する有用な結果を示唆することができた。すなわち、実験実施計画に従って、骨量調節に関与するALPや骨代謝等への各種栄養因子(ビタミン、高脂肪食など)の影響を検討し論文に報告した。さらにヒトを対象とした栄養素等摂取状況と骨量測定、骨型ALP、遺伝子多型等との関連についても詳細な解析を行って論文に報告した。
著者
高井 奈緒
出版者
日本女子大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2012-08-31

『日記』を精査した結果、衣服と織物をゴンクール兄弟が作品の中で頻繁に喚起し、また愛好したのは、それらが彼らが作品によって目指したもの2つを同時に表現しうる特権的な物質であるからであったという結論に至った。そのうちの1つは、歴史家として、小説家として、あるがままの19世紀後半の現代社会の生理学を描くこと。もう1つは、芸術家として色彩の美しさや調和を表現することである。彼らは衣服と織物のもつこれらの特徴を『日記』に迅速かつ敏感に捉えてメモし、その後さらに考察を加え、そしてより確信をもって、小説などの作品において表象したのである。
著者
藤井 恵子 藤井 智幸
出版者
日本女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

近年日本人に不足しがちなミネラルや食物繊維を豊富に含み、また、食物アレルギーの主要原因食物(小麦、牛乳、卵など)を含まないパンが求められている。本研究ではアマランサス粉、ホワイトソルガム粉、もち粟粉とうるち粟粉をブレンドしパンを調製した。製パン性を検討した結果、ホワイトソルガム粉にアマランサス粉を25%混合したところ、ホワイトソルガム単独パンに比べ軟らかく内相にべたつきが認められた。もち粟粉とうるち粟粉の混合割合を変化させるとパンの比容積はほとんど変わらなかったが、もち粟粉の比率が高いほど軟らかいパンとなった。官能評価においても、イヌリンや豆乳を添加したパンは有意に好まれた。
著者
大場 昌子 佐川 和茂 坂野 明子 伊達 雅彦
出版者
日本女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

ユダヤ系アメリカ人作家がアメリカ社会で注目されるようになった1950年代から21世紀の現代に至るまで、第二次世界大戦中にナチス・ドイツによって引き起こされたユダヤ人大量虐殺(ホロコースト)が、彼らの小説の中で表現方法を変えながらも、創作上のテーマとして絶え間なく継承されている事実を確認した。さらに、その表現方法の一つとして、ユダヤの伝説上の人造人間である「ゴーレム」が現代作家の創造力をかきたて、ホロコーストの表象として扱われている事実を分析し、図書『ゴーレムの表象』としてまとめた。
著者
児玉 竜一
出版者
日本女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

映画領域の研究者を主とする国際研究集会において、歌舞伎大道具と映画美術の関わりを発表した。また、映画研究の叢書から、歌舞伎を中心とする古典芸能に特化した書籍を刊行するなど、映画研究において歌舞伎を視野におさめることの重要性を訴えるという点で、一定の成果を収めた。蓄積した基礎的なデータは、劇場から映画館への変遷研究や、歌舞伎由来の映画作品研究に関して、こののち論文化に活用してゆく予定である。