著者
本田 直樹
出版者
日本神経回路学会
雑誌
日本神経回路学会誌 (ISSN:1340766X)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.146-153, 2010-09-05 (Released:2010-10-21)
被引用文献数
2

去る2009年10月30日から11月3日に,諏訪湖で開催された日本神経回路学会オータムスクールAscone2009(Autumn School for Computational Neuroscience)において,大澤五住先生(大阪大学大学院 生命機能研究科脳神経工学講座 視覚神経科学研究室)の講義が行われました.その講義内容とスライドを元に,筆者が講義録としてまとめたものです.大澤先生が話しているような形式にまとめていますが,筆者の理解で再構成したものです.本内容や表現に関する責任は筆者がおうものとします.
著者
岡田 将吾 西田 豊明
出版者
日本神経回路学会
雑誌
日本神経回路学会誌 (ISSN:1340766X)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.174-186, 2010-12-05 (Released:2011-02-07)
参考文献数
25

This paper describes an on-line incremental clustering approach called HMM Based SOINN (HBSOINN) for processing multi variable time-series data such as motion data of gestures. The SOINN (Self-Organizing Incremental Neural Network) is an incremental learning approach that is able to incrementally approximate the distribution of the input data by using efficient numbers of nodes and reporting the number of clusters. We enhanced SOINN by enabling it to cluster time-series data. Hidden Markov Model (HMM) is used to extract features of time-series data and to transform variable-length time-series data to fixed-dimensional data. Experimental results show that HBSOINN outperforms the comparative approach on an artificial data set and 26 kinds of isolated gesture data sets. Even though HBSOINN is an on-line incremental learning approach, it shows the same clustering performance that is evaluated based on the value of Purity and Normalized Mutual Information (NMI) as some state-of-the-art batch clustering approaches.
著者
安藤 博士
出版者
日本神経回路学会
雑誌
日本神経回路学会誌 (ISSN:1340766X)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.170-180, 2015

脳神経活動による情報処理の仕組み解明やブレイン・マシン・インタフェースの実現には,神経活動を大規模にリアルタイムで同時計測・解析する仕掛けが必須である.そのためには,神経電極・信号増幅集積回路・無線データ伝送回路・無線給電回路・電子機器封止技術・生体適合素材・ビッグデータ解析技術・ロボット工学など,様々な分野の技術応用が不可欠である.本解説では,神経信号データを取得し伝送するまでの技術であるマルチチャネル神経信号計測システムのハードウェア開発に焦点を当て,構成要素・テクノロジー・研究事例について解説を行う.
著者
田辺 誠司 藤田 一郎
出版者
日本神経回路学会
雑誌
日本神経回路学会誌 = The Brain & neural networks (ISSN:1340766X)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.64-73, 2004-06-05
参考文献数
50
被引用文献数
1

The stereo vision system derives a 3D representation of the visual world from a pair of 2D representations of retinal images. For this well-defined computational task, stereo vision serves as a model system for investigations of the neural mechanisms of visual perception. Computational ideas merge with neurophysiological data of single neuron responses in the monkey visual cortex. Area V1 performs initial filter-like processing, but this alone is not sufficient for all aspects of stereo vision. Several higher visual areas play important roles. Recent findings suggest that areas along the dorsal and ventral pathways have complementary functions in stereopsis.
著者
酒井 裕
出版者
日本神経回路学会
雑誌
日本神経回路学会誌 (ISSN:1340766X)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.16-25, 2002-03-05 (Released:2011-02-21)
参考文献数
11
被引用文献数
1 1
著者
伊藤 浩之
出版者
日本神経回路学会
雑誌
日本神経回路学会誌 (ISSN:1340766X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.43-49, 2014-06-05 (Released:2014-07-31)
参考文献数
14

1 0 0 0 OA 編集後記

出版者
日本神経回路学会
雑誌
日本神経回路学会誌 (ISSN:1340766X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.113, 2019-09-05 (Released:2019-10-31)
著者
田向 権 関根 優年
出版者
日本神経回路学会
雑誌
日本神経回路学会誌 (ISSN:1340766X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.166-173, 2013-12-05 (Released:2014-02-07)
参考文献数
24

本稿では,ニューラルネットワークを応用する際に必須となるシステム化のアプローチとして,hw/sw複合体を解説する.hw/sw複合体では,ハードウェア部はオブジェクト指向の開発環境に組み込まれ,hardware objectとしてソフトウェアと同様に取り扱うことが可能である.ニューラルネットワークのような膨大な演算量を必要とする部分をhardware objectとして整備することで,システム全体の高速化·省電力化が可能となる.この有効性を示すために,自己組織化マップをベースとしたニューラルネットワークの実装例を併せて紹介する.
著者
島村 孝平 下條 冬樹 田中 成典
出版者
日本神経回路学会
雑誌
日本神経回路学会誌 (ISSN:1340766X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.145-155, 2019

<p>分子動力学(MD)法は,原子毎に立てられたNewtonの運動方程式を逐次的に解くことで系全体の原子ダイナミクスを追跡できる計算機シミュレーション手法であり,ミクロな現象の解明に役立つことから材料分野や生物分野では標準的な手法として認識されている.近年,人工ニューラルネットワーク(ANN)の万能近似性を活用して,従来のMD法が抱えていた精度と計算コストの難点を克服するANN原子間相互作用ポテンシャル(ANN potential)の開発が活発に行われ新局面を迎えている.本稿では,ANN potentialの基本的なアルゴリズムについて,応用例を交えながら,現在直面している回帰学習のデータ不均衡問題などの解決すべき課題について述べる.</p>
著者
野村 正英
出版者
日本神経回路学会
雑誌
日本神経回路学会誌 (ISSN:1340766X)
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.101-109, 1998-09-05 (Released:2011-01-17)
参考文献数
17
被引用文献数
1 1

Because of recent progress in and the popularization of computer graphics, we now see many images that are composed artificially and include a lot flicker to add to their impact. These highly flickering images, however, cause fatigue that affects our brain rather than our eyes. This is a content-dependent VDT hazard that is unlike conventional VDT hazards. This paper shows that content-dependent VDT hazards are genuine threat based on physiological evidence concerning the temporal response of visual cortical cells, and proposes a practical method to reduce the risk of the hazard.
著者
佐藤 直行
出版者
日本神経回路学会
雑誌
日本神経回路学会誌 (ISSN:1340766X)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.119-128, 2011-09-05 (Released:2011-10-28)
参考文献数
55

脳はコンピュータとは異なり,光や音など異なる属性に関する情報処理は別々のハードウェア(脳部位)で並列分散的に処理される.このような構造は予測不能に変化する環境に適応して行動するために必要な構造だと考えられるが,どのようにして個体全体の情報を統合しているのだろうか? この問題を解く手がかりが「神経活動のリズム同期現象」である.リズム同期は多数要素の時空間パターンを自己組織的に生成できるダイナミクスであり,脳の各部で機能的な役割をもつことが明らかになってきた.なかでも領野スケールの同期現象である“脳波”は,脳分散システムにおける情報統合プロセスの理解に役立つ.本稿では神経活動のリズム同期現象とその機能的意義について概説し,脳波の大域脳モデルが脳分散システムの理解への道筋を与えうることを述べる.
著者
銅谷 賢治
出版者
日本神経回路学会
雑誌
日本神経回路学会誌 (ISSN:1340766X)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.265, 2007-12-05 (Released:2010-11-12)
著者
塚田 稔
出版者
日本神経回路学会
雑誌
日本神経回路学会誌 (ISSN:1340766X)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.103-111, 2002-06-05 (Released:2011-02-21)
参考文献数
37
著者
瀧山 健
出版者
日本神経回路学会
雑誌
日本神経回路学会誌 (ISSN:1340766X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.108-122, 2013-09-05 (Released:2013-10-29)
参考文献数
59
被引用文献数
2

本稿では計算論的神経科学の視点からリハビリテーション,特に脳卒中リハビリテーションへアプローチする方法の一つを紹介する.第一に,腕の到達運動そして外乱学習に着目し,運動プリミティブの枠組みに基づく運動学習の数理モデルを紹介する.第二に,到達運動そして外乱学習において,各病態(小脳疾患,パーキンソン病,ハンチントン病,脳卒中)の患者と健常者の行動を比較する.第三に,脳卒中リハビリテーション方法をいくつか紹介する.最後に,計算論的神経科学の観点から脳卒中リハビリテーションに対する仮説を提唱する.すなわち,脳活動計測から推定できる両半球の一次運動野間の機能的結合の強度が十分強い脳卒中患者には両腕運動に基づいたリハビリテーションが有効であり,その機能的結合の強度が弱い患者には片腕運動に基づいたリハビリテーションが有効である,という仮説を計算論神経科学の観点から提唱する.