著者
幸福 輝
出版者
独立行政法人国立美術館国立西洋美術館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

欧米の版画室での実地調査に基づき、レンブラントがどのような作品において、どのような目的で和紙を使用したのかを明らかにした。また、17世紀から20世紀までのレンブラント版画関連文献で、レンブラントの和紙作品がどのような評価を受けてきたのかを明らかにした。
著者
高嶋 美穂 谷口 陽子
出版者
独立行政法人国立美術館国立西洋美術館
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究は、美術作品や歴史資料に用いられている膠着材(展色材、接着剤)の同定を目的とした研究である。これまでに研究を進めてきたELISA法(酵素結合免疫吸着法)、LC-QqQ/MS法(液体クロマトグラフ-三連四重極型質量分析法)の改善と検出不可能なパターンの把握に加え、新たに高感度LC-QTOF/MS法(液体クロマトグラフ-四重極飛行時間型質量分析法)の導入、樹脂フィルムを用いたサンプリング法の検討などを行い、同定の精度を上げるとともに必要サンプル量を減らす。さらに国立西洋美術館所蔵の美術作品や、遺跡における壁画、そのほか歴史資料の膠着剤分析を実施をする。
著者
渡辺 晋輔 幸福 輝 陳岡 めぐみ 保井 亜弓
出版者
独立行政法人国立美術館国立西洋美術館
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

イタリア、ネーデルラント・フランドル、ドイツ、フランスを専門とするメンバーが、それぞれ15世紀から18世紀までの西洋版画史に関する一次史料を収集し、史料集を作成した。また、いくつかの史料については翻訳も行った。そして、集積した史料をもとにして、当時版画がどのように生産・消費され、評価されたのかを考察した。その成果は学会発表、論文、書籍で発表したほか、研究報告書の形でまとめ、出版した。
著者
幸福 輝 尾崎 彰宏 青野 純子 深谷 訓子 中田 明日佳 髙城 靖之
出版者
独立行政法人国立美術館国立西洋美術館
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-10-31

17世紀オランダ美術の特質はなによりその写実的風景画や風俗画にあり、古代神話や聖書主題の作品を描いたルネサンスと対比されてきた。こうしてオランダ美術における「オランダ的なもの(オランダ性)」の解明が重要な課題のひとつとなった。他方、オランダの経済的繁栄の基盤は東西貿易にあり、芸術作品を含むあらゆるモノがオランダに集まっていた。そのような社会において異国の文化の受容は必然であり、「オランダ性」はオランダ固有の国内問題であると同時に、世界に向きあった国際化の問題でもあった。本研究では、特にアジアの視点から17世紀オランダ美術を再検討し、「オランダ性」に関する様々な調査研究をおこなった。
著者
幸福 輝 佐藤 直樹 渡辺 晋輔 栗田 秀法 金山 弘昌
出版者
独立行政法人国立美術館国立西洋美術館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

本研究は、16世紀から17世紀にかけ、版画という媒体において古代がどのように表象され、また、この媒体を通じて古代文化はどのように伝播されていったかという問題を、西欧各国の具体的な事例に基づいて、明らかにしようとする目的でおこなわれた。もとより、きわめて大きな問題であり、われわれの目的はその基礎的な概略図を描くことでしかないが、それぞれ異なる分野を専門とする者が協力しあったことにより、当初の目的は達成できたのではないかと考えている。はじめに、イタリア、ドイツ、ネーデルラント、フランスの順で、ごく簡単にこの主題について各国の状況を略述し、次いで、各研究分担者による研究成果を掲載する。佐藤はデューラーとイタリア版画の関係について、幸福はヒエロニムス・コックの版画出版活動について、金山は古代建築の復元図とバロック建築との関係について、渡辺はズッカレリの風景画に見られる古代彫刻のモティーフについての議論をおこない、栗田はフランス・アカデミーにおけるラオコーンに関する講演の翻訳とその解題を寄せている。なお、国立西洋1美術館に属す研究代表者の幸福と研究分担者の佐藤および渡辺は、2005年と2007年に本研究に関連するふたつの版画の展覧会(『「キアロスクーロ:ルネサンスとバロックの多色木版画』と『イタリア・ルネサンスの版画』)を同館で企画・開催した。別冊資料1、同2として、それら2冊の展覧会図録を本研究成果報告書に添付して提出する。