著者
五野井 郁夫
出版者
高千穂大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究の成果は、類縁集団を基底としたグローバル・ジャスティス運動が世界政治に与えている影響を明らかにしたことである。本研究では、フローバル市民社会としてNGO以外にもオキュパイ・ウォールストリートや香港の抗議行動等、サイバースペースでの紐帯を活用した世界規模で見られる類縁集団ベースの運動を「社会運動2.0」と名付けて分析した。そこではグローバル・ジャスティス運動が、国際規範の形成と強化に寄与しており、これら新たな直接民主主義の波による国境のきわを越えた国際規範形成につき「社会運動のクラウド化」という概念を用いて説明し、現行のヘゲモニーや国際秩序への変更を求める同運動の特徴と動態を理論化した。
著者
桃崎 有一郎
出版者
高千穂大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

①共著の分担執筆「足利義嗣」(榎原雅治・清水克行編『室町幕府将軍列伝』、戎光祥出版、2017.10.10、pp.138-156)を公刊した。これは、足利義満の息子の一人義嗣の動向を洗い直すことで、義満が自分を中心とする新たな社会秩序やそれを表現する儀礼体系をどのように展開させようと構想していたかを論じたものである。本研究のテーマ「流鏑馬とは何だったのか」という問題は、武家儀礼全体を視野に入れるべきものであるため、足利義満期に中世の武家儀礼体系が一つの完成形を迎えることの意義は重大で、流鏑馬を含む武家儀礼がどのようなゴールへと向かっていったかを把握しておくことは、室町期に流鏑馬がなぜ廃れてしまったかを考える上で、不可欠の作業だったと考えている。②共著の分担執筆「古代における法と礼」「中世における法と礼」(高谷知佳・小石川裕介編著『日本法史から何がみえるか』、有斐閣、2018.3.10、pp.14-36,64-78)を公刊した。これは、日本の武家儀礼の根幹にある《礼》という規範が、そもそも日本の儀礼体系においていかなる役割を果たしたか、その前提として倭国段階のわが国が朝鮮半島経由で中国から《礼》を導入した時、わが国が《礼》を何であると理解し、何を吸収し、何を捨象し、法とのバランスをどこに求めたか、そしてその大前提として、古代中国において《礼》とはそもそも何であり、法といかなる関係に置かれてきたかを、儒教の経典や中国の史書の網羅的な調査、さらには殷代の甲骨文字まで遡って考察したものである。次の「現在までの進捗状況」で述べる理由により、この作業も本研究に欠かせないものだったと考えている。
著者
五野井 郁夫
出版者
高千穂大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究の成果概要は、SNSを活用してイシューのフレーミングするグローバル・ジャスティス運動が世界政治に与えている影響を理論化し明らかにしたことである。本研究では瞬時にイシューを共有する「ハッシュタグ・アクティヴィズム(hashtag activism)」がグローバルな政治的機会構造のなかで、イシューのフレーミングとアドボカシーによる規範のカスケードを可能にした現象を分析し理論化した。なかでも「ライク・カルチャー」の普及という概念枠組みを用いて説明し、SNSを通じての国境のきわを越えた国際規範形成を行うグローバル・ジャスティス運動を直接民主主義の新たな潮流の理論的特徴を明らかにした。
著者
松谷 明美
出版者
高千穂大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

否定極性表現と数量詞表現を含む文に関して、派生と解釈および言語習得に影響を与える要因を検討した。大人の日本語母語話者への実験を行うことで、特に意味・運用上の要因(適切なコンテクスト・関係節等)が否定極性表現および数量詞表現を含む文の容認度を高める可能性があることを統計的に明らかにした。第一言語習得においては、数量詞化された数詞に関して、英語の場合とは対照的に、日本語の母語話者の子供の場合は、語彙上数量詞化された数詞のほうが、運用上数量詞化された数詞より早く獲得することが明らかになった。第二言語習得に関しては、第二言語(外国語)としての大人の日本語学習者に対する実験結果から、意味・運用論上の要因が、否定極性表現および数量詞表現を含む文に関して、容認度を上げる可能性があるということを統計分析によって示した。
著者
木村 正人 野矢 茂樹 早川 正祐 竹内 聖一 吉川 孝 古田 徹也 池田 喬 河島 一郎 星川 道人 島村 修平 筒井 晴香 八重樫 徹 萬屋 博喜
出版者
高千穂大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

分析哲学者を中心に昨今注目を集めている共同行為論の諸理論について紹介・検討し、さらに現象学、社会学理論等による知見を加えて、共同行為の構成要件、共同行為特有の意図性の諸原理、還元主義アプローチの当否、共同行為論における因果的解釈の射程などについて明らかにした。若手研究者を中心として組織された「行為論研究会」は学問分野を越える各学会等で注目を集め、一般公開の研究大会において報告されたその成果は、雑誌『行為論研究』にまとめられた。