著者
五野井 郁夫
出版者
国際基督教大学
雑誌
社会科学ジャーナル = The Journal of Social Science (ISSN:04542134)
巻号頁・発行日
no.85, pp.5-22, 2018-03-31

This paper focuses on presenting and analyzing some of the most importanttheological models of participatory democracy, deliberative democracy and liquiddemocracy to emphasize their possibilities and limits. Each of these democratictheories are located between democratic bipolar models‒representativedemocracy and direct democracy‒ and have explicit commitment to reconsiderexisting models of representative democracy. Liquid Democracy is bothdemocratic political idea and the open source political voting platform createdand practiced by the Swedish and German Pirate Parties as a way to create ascalable and delegate democratic political party in the era of development of theinformation society and social network. Recently this idea has partly been appliedby the working groups of Bundestag (German federal parliament). This papershows how these three models of democracies can be embedded into theframework of existing democratic bipolar models by attempting to providetheoretical foundations of “mixed government” in democratic theories.
著者
田村 哲樹 千葉 眞 加藤 雅俊 藤田 菜々子 武田 宏子 杉田 敦 森川 輝一 五野井 郁夫 乙部 延剛 齋藤 純一 吉田 徹 中田 瑞穂 山崎 望 高橋 良輔
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究は、資本主義と民主主義は今後も両立可能なのか、もし両立可能だとすればどのような形でなのか、というテーマを探究する。これは大きな問題であり、かつての社会科学あるいは政治学の主題の一つだったが、次第に顧みられなくなった。本研究は、このテーマそのものを今日的状況を踏まえつつ復興するとともに、両立可能性と不可能性のあり得る複数のシナリオを政治理論的に解明する。そして、この作業を通じて、「経験的事象に根差した政治理論」研究の新たなモデルの提示を目指す。
著者
五野井 郁夫
出版者
高千穂大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究の成果は、類縁集団を基底としたグローバル・ジャスティス運動が世界政治に与えている影響を明らかにしたことである。本研究では、フローバル市民社会としてNGO以外にもオキュパイ・ウォールストリートや香港の抗議行動等、サイバースペースでの紐帯を活用した世界規模で見られる類縁集団ベースの運動を「社会運動2.0」と名付けて分析した。そこではグローバル・ジャスティス運動が、国際規範の形成と強化に寄与しており、これら新たな直接民主主義の波による国境のきわを越えた国際規範形成につき「社会運動のクラウド化」という概念を用いて説明し、現行のヘゲモニーや国際秩序への変更を求める同運動の特徴と動態を理論化した。
著者
五野井 郁夫
出版者
国際基督教大学
雑誌
社会科学ジャーナル = The Journal of Social Science (ISSN:04542134)
巻号頁・発行日
no.85, pp.5-22, 2018-03-31

This paper focuses on presenting and analyzing some of the most importanttheological models of participatory democracy, deliberative democracy and liquiddemocracy to emphasize their possibilities and limits. Each of these democratictheories are located between democratic bipolar models‒representativedemocracy and direct democracy‒ and have explicit commitment to reconsiderexisting models of representative democracy. Liquid Democracy is bothdemocratic political idea and the open source political voting platform createdand practiced by the Swedish and German Pirate Parties as a way to create ascalable and delegate democratic political party in the era of development of theinformation society and social network. Recently this idea has partly been appliedby the working groups of Bundestag (German federal parliament). This papershows how these three models of democracies can be embedded into theframework of existing democratic bipolar models by attempting to providetheoretical foundations of "mixed government" in democratic theories.
著者
五野井 郁夫
出版者
高千穂大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究の成果概要は、SNSを活用してイシューのフレーミングするグローバル・ジャスティス運動が世界政治に与えている影響を理論化し明らかにしたことである。本研究では瞬時にイシューを共有する「ハッシュタグ・アクティヴィズム(hashtag activism)」がグローバルな政治的機会構造のなかで、イシューのフレーミングとアドボカシーによる規範のカスケードを可能にした現象を分析し理論化した。なかでも「ライク・カルチャー」の普及という概念枠組みを用いて説明し、SNSを通じての国境のきわを越えた国際規範形成を行うグローバル・ジャスティス運動を直接民主主義の新たな潮流の理論的特徴を明らかにした。
著者
五野井 郁夫
出版者
立教大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2010

本研究の成果は、グローバル・ジャスティス運動が世界政治に与えている影響を明らかしたことである。本研究は、グローバル市民社会からなるグローバル・ジャスティス運動による国際規範形成の影響力と性質を明らかにすべく、NGO、宗教組織、類縁集団ベースの市民運動から分析し、それらが国際規範形成に与えている影響について「社会運動のクラウド化」という概念を提示することで、今日のグローバル・ジャスティス運動研究で最先端の知見を見出した。
著者
五野井 郁夫
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2004

本研究の目的は、国際社会での規範形成においてグローバルに連携した人々やNGO、すなわちトランスナショナルな市民社会(以下TCSと略す)が果たしている役割について、(1)国際政治理論と(2)TCSのキャンペーンにかんするフィールドワークを通じた事例研究の架橋から明らかにすることである。本年度もMake Poverty Historyキャンペーンの政治過程を把握すべく英仏各国の研究機関・NGOに調査をすることでTCSによるメディアを駆使したアドボカシーの手法を学び、一部を研究成果として発表した。海外査読誌発表では、第二次大戦後の国際経済体制の制度構想と実務家の実践において周縁化されていた地域の存在、途上国債務発生メカニズムの関連性を"Conceptual Relevance of "Embedded Liberalism" and its Critical Social Consequences", PAIS, Graduate Working Papers Number 03/06で明らかにした。海外学会では、米国ISA研究大会の査読を通過した報告要旨において、戦後日本の社会運動と現在のグローバル公共圏へのリンクについて論じた。国内実績では、現在日本の若い世代で旧来とは異なる市民意識が醸成されつつあり、それらを基底としたポスト新しい社会運動的方向への移行を「ホワイトバンドの国際政治学-トランスナショナルな市民社会による国際規範形成と途上国重債務救済をめぐって-」『創文』491号でひろく江湖に問うた。また、日本国際政治学会と日本社会思想史学会で報告を2本行った。これら研究調査から得られたTCSによる規範形成の理論と実践にかんする知見の一部を、査読誌『相関社会科学』に「世界秩序構想としてのコスモポリタン・デモクラシー」として発表した。さらに国際政治学会院生研究会を組織するとともに、TCSの可能性とグローバル規範の動態についても、青山学院大学と筑波大学のシンポジウム等で報告と討論を行い、国際関係論と政治思想史の欧米を代表する政治哲学者と国際関係論研究者の翻訳をし、うち一冊が出版された。