著者
岩田 修二
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.153-164, 2013 (Released:2013-09-13)
参考文献数
18
被引用文献数
2 1

高等学校地理教科書の世界の大地形の記述に使われている用語や説明の一部は不適当である.造山帯・安定陸塊の概念は地質構造を説明するものである.したがって,世界の山岳地域の大地形の説明として新期造山帯・古期造山帯を用いるのは止める.それに替えて地形の説明は平面形・高さ・傾斜などの地形の指標でおこなう.プレート論と整合するように変動帯を正しく説明する.造山帯・安定陸塊(楯状地・卓状地)の概念は鉱物資源の説明のためには有効である.ただし,地質学の概念であることをきちんと説明すべきである.このように教科書を改訂するためには,まず大学教員が努力しなければならない.高校教科書の「世界の大地形」の改訂案が付属資料として添付してある.

言及状況

外部データベース (DOI)

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教養のために再勉強されるなら、もう古い教科書を使うのはやめて、新しい教科書を入手するか、地形学の入門書を使う方が良いと思います。 その教科書をよく見てみないと断言はできませんが、その「準平原」は具体的なモノを指しているのではなく、概念的なモノ、デービスの浸食輪廻で言うところの「準平原」のことを指しているのではないかと思います。 その場合の準平原は、侵食作用が進んである程度平坦化した地形とい ...
古期造山帯と新期造山帯の古期とは古生代のことで、新期とは中生代から現在までのことです。 現在は岩石の年代測定が広範囲で行われているので、地球上の各造山帯の年代はより詳しく分類されています。 地球の地質図 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jgeography/120/1/120_1_Cover01_1/_pdf 造山帯には、太平洋型( ...
この区別は標高でするものではありません。 なぜならば、古生代の造山帯であっても再び地殻変動を受けて変動帯になって隆起している場所があるからです。 新期造山帯と古期造山帯を区別する場合は、その造山帯が最初に形成された時期が「古生代」か「中生代~新生代」かの年代で区別します。 ただ、現在は地球上の各岩石の年代測定がされていて、より詳しい年代区分がわかっているので、古期と新期だけに二分する ...
古期と新規の違いは、その造山帯が太平洋型造山帯として大陸地殻が形成された年代が違うということだけです。 地球の地質図 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jgeography/120/1/120_1_Cover01_1/_pdf これは大陸地殻が形成されたおおよその年代によって色分けされています。 現在はここまでわかっているのに、いまだに古期 ...
「大陸の地形は山脈・山地・台地・低地に区分され, 山地・台地は海抜高度2000 mを境に高いものと低いものとに区分されている. 500 m以下が低地で,陸上の平原と海面下の大陸棚がふくまれる.」 高校地理教科書の「造山帯」を改訂するための提案 https://www.jstage.jst.go.jp/article/ejgeo/8/1/8_153/_pdf 図3 世界の大地形 ...
このファイルの説明がとても分かりよいです。 具体的には、図2で整理して説明と区分がされているので見てください。 図2 隆起の原因(原動力)から分類した世界の山岳地域の分布.池田(1983)による分類と貝塚(1998)をもとに岩田作成.ベースマップは貝塚(1971)の図2 https://www.jstage.jst.go.jp/article/ejgeo/8/1/8_153/_pdf ...
地質から見た「インド大陸とユーラシア大陸の境界」はチベット高原にある インダス-ツァンポ縫合帯というのがそうだけれど、 質問しているのはおそらく、 MCT 、 MBT 、HFT 、STDS などによって、「現れている地形」のことで、 地形は「平面形・高さ・傾斜」で現すものなので、 世界の大地形の分類では、「高い台地」になりますね。 この「高い台地」を構成しているのがチベット ...
ありますよ、衝突型はそのうちの一つでしかありません。 「隆起の原因(原動力)から分類した山岳地域」 島弧型・・・日本列島など コルディエラ(陸弧)型・・・アンデスなど 衝突型・・・ヒマラヤ、アルプスなど 地溝(リフト)型・・・東アフリカの山地など 復活(再生)型・・・アジア内陸の天山、崑崙など 大陸縁の大崖高地(リフトのなごり)・・・オーストラリア東部など 地殻均衡回復 ...

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「E-journal GEO」先月の月間アクセス数上位論文をご紹介します。 高校地理教科書の「造山帯」を改訂するための提案 岩田 修二 https://t.co/hFnTroVOIb
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大地形の授業の前にこの論文は読んでおきたい。最後の改善案は特に参考になる。 ついに今年は新規造山帯、古期造山帯の言葉をプリントから削ってみることにした。 https://t.co/XzCnCknp1p
高校地理教科書の「造山帯」を改訂するための提案 https://t.co/rbuPmrhZz2
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昨日の地形学で、造山帯→変動帯の話をちらっとしました。授業の感想を見ると結構反響が大きいようで。気になる方はこちらの文献もどうぞ。 岩田修二:高校地理教科書の「造山帯」を改訂するための提案 https://t.co/EGpeWrcf9V 池田 敦:高校生に「大地形」をどう教えますか?https://t.co/ROy3s4KMcP
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読んでいて「変動帯」がピンとこず(多分今まで習ってない概念)調べていたら、どうやら高校地理の用語が整理されてない問題があるらしい。https://t.co/u81vB6NMEn 高校地理で地殻変動とかも説明するのに、用語が地質学寄りで、プレートテクニクスなどの地形学の説明が曖昧だと。
この論文では、卓状地は海成層としています。ただ「準平原が水没し」たことは条件とせず。 地向斜の用語を整理しないで残したこと、地形と成因の用語をごっちゃにしたことなどが混乱の原因と指摘。 高校地理教科書の「造山帯」を改訂するための提案(2013) 岩田 修二 https://t.co/Nx9ZBltWKQ
@UON1204 とりあえず、時間あるときに用語を遡って捻り出しましょ。意外と地学系の事典とかに具体例が豊富かもしれないですし。 高校地理教科書の 「造山帯」 を改訂するための提案(https://t.co/m58i8g7bWA)
地理学者の都立大の岩田修二氏も「高く急峻な山地はアルプス=ヒマラヤ造山帯と環太平洋造山帯にしかないと信じていた」と言っていて、「地理教科書での,造山論とプレート論との違いを明確にしない,場あたり的な説明は,改善すべき」と言っている。教員も勉強しないとね。 https://t.co/cIPeHGQNGT https://t.co/KUeNXBpBKi
こいつらひでえな わかってて教科書に嘘を書いてるのか https://t.co/fT5gXvmoUM https://t.co/Cy2qP1jWLb
単に高校で地学を選択しなかったことが敗因であるような気がしてきた。あの頃は天文学しか興味がなかったし、天文学は自力で勉強していたから、選択する気にならなかったんだよな。 https://t.co/YvKR5RKVQV
帰宅してからは、地理教育に関する論文を読んでる。文章の端々から、筆者の人柄が醸し出されていて懐かしい気分になる。そして、所属が幻の大学! https://t.co/bRIEa1DTDs https://t.co/isTxhzsYFN http://t.co/t07A2eSqAO
高校地理教科書の「造山帯」を改訂するための提案 http://t.co/AeuuTnLGi8
【E-journal GEO掲載論文】岩田修二 2013.高校地理教科書の「造山帯」を改訂するための提案,E-journal-GEO 8: 153-164.http://t.co/JETpOSXi0J

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