著者
岡崎 善弘 大角 茂之 倉住 友恵 三島 知剛 阿部 和広
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.41047, (Released:2017-07-26)
参考文献数
13

プログラミングの体験形式が小学生のプログラミング学習の動機づけに与える効果について検討した.体験形式として,(1) ゲームの作成方法を逐次的に教わりながら作成する講義型,(2) 2名1組で1冊のテキストを共有し,相互に教え合いながらゲームを作成する協同型,(3) 手渡されたテキストを見ながら単独でゲームを作成する個別型,の3タイプ間で動機づけを比較した.本研究の結果から,講義型または協同型でプログラミングを学習すると,プログラミング学習に対する動機づけは有意に上昇する一方で,個別型では上昇しないことが示唆された.
著者
三島知剛 一柳智紀 坂本篤史
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.535-545, 2021-03-20 (Released:2021-03-25)
参考文献数
11

本研究の目的は,教育実習において実習生の指導を担当する教員が,教育実習指導を通した自身の学びや教師としてのその後の力量形成につながるかどうかについての認識を検討することであった.その際,小学校及び中学校教員の認識の違いについても着目した.教育実習指導を経験したことがある小中学校の教師を対象とした質問紙調査(有効回答133名)の結果,(1)全体的に学びや力量形成に対する得点が高く,校種間では小学校教員の方が学びや力量形成を高く認識していること,(2)実習指導における指導形態と学びや力量形成の関連が多く見られ,特に実習生と協働して実習を進めるという指導形態が学びや力量形成と関連していたこと,(3)校種別では,実習指導における指導形態と学びの関連については中学校教員の方が多く,実習指導における指導形態と力量形成の関連については小学校教員の方が多いこと,等が示された.
著者
三島 知剛
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.341-352, 2008-09-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
24
被引用文献数
11 1

本研究の目的は, 教育実習生を対象に教育実習前後での授業観察力の変容を授業・教師・子どもイメージとの関連から検討することであった。本研究では, 授業観察力を問題指摘数, 代案生起数, 授業評定力の3観点から捉えることとし, 小学校の算数の授業ビデオを用い, 53名の協力者に実習前後で調査を行った。その結果, 授業観察力に関しては,(1)実習生の授業観察力 (問題指摘数・代案生起数) は全体的に向上すること,(2) 授業観察力 (代案生起数) の向上と実習生の授業・教師に対するポジティブなイメージとの間に密接な関係があること,(3)実習生の授業評定力は, 実習前後で一貫して熟練教師に及ぼず, 授業評定の仕方が甘いこと, などが示唆され, 教育実習の効果に関する示唆と合わせて検討された。
著者
岡崎 善弘 大角 茂之 倉住 友恵 三島 知剛 阿部 和広
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.169-175, 2017-09-10 (Released:2017-09-29)
参考文献数
13
被引用文献数
3

プログラミングの体験形式が小学生のプログラミング学習の動機づけに与える効果について検討した.体験形式として,(1) ゲームの作成方法を逐次的に教わりながら作成する講義型,(2) 2名1組で1冊のテキストを共有し,相互に教え合いながらゲームを作成する協同型,(3) 手渡されたテキストを見ながら単独でゲームを作成する個別型,の3タイプ間で動機づけを比較した.本研究の結果から,講義型または協同型でプログラミングを学習すると,プログラミング学習に対する動機づけは有意に上昇する一方で,個別型では上昇しないことが示唆された.
著者
三島 知剛
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.107-114, 2007-05-20 (Released:2016-08-04)
参考文献数
16
被引用文献数
6

本研究は,教育実習の効果を検討する上で重要だと考えられる授業イメージ・教師イメージ・子どもイメージが教育実習前後でどのように変容するのかを調べることを主な目的とし,教育実習生114名を対象に実習前後で質問紙調査を実施した.その結果,(1)授業イメージは4因子が抽出され,「マンネリズム」「組み立て」が変容し,授業を肯定的,主体的に捉えるようになったことが示された.(2)教師イメージも4因子が抽出され,「リーダー」が変容し,教師の役割理解が深まることが示された.(3)子どもイメージは6因子が抽出され,「創造性・積極性」「悲観的・不信」「現実的態度」が変容し,ステレオタイプではなくポジティブ・ネガティブ両面から子どものありのままの姿を多面的に捉えるようになることが示唆された.
著者
三島 知剛
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.277-289, 2013 (Released:2014-03-03)
参考文献数
23
被引用文献数
2

本研究は, 教職志望学生の授業観察力の育成法として, 「グループディスカッション」「モデリング」の効果を学生の実習経験の有無に着目しながら検討することであった。そのため, 122名(2年生55名, 3年生67名)を対象にポスト調査での授業観察力が条件間でどのように異なるかを検討した。その結果, (1) 実習経験の有無にかかわらず, 「モデリング」を行うことが授業観察力の「問題指摘数」の側面を向上させること, (2) 実習経験の無い2年生において, 「基本的な教師の指導技術」に関する問題指摘数の向上に「グループディスカッション」「モデリング」の効果が部分的にあること, (3) 授業観察力の「代案生起数」の側面には「グループディスカッション」「モデリング」共に介入の効果が見られないこと, が主に明らかになった。
著者
三島 知剛 安立 大輔 森 敏昭
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.69-72, 2009
被引用文献数
2

本研究の主目的は,教育実習生が必要と感じている学習内容を実習前後の変容の可能性と合わせて検討することであった.そのため,学習を大学講義で扱われることが多い理論的内容と,大学講義では扱われにくい実践的内容に大別し,実習生135名を対象に調査を行った.その結果,(1)教科の指導法や心理学的な背景を必要とする理論的学習や,学習指導や授業作りに直結した学習内容を必要と感じていること,(2)実習経験により,実践的な学習内容より理論的な学習内容を必要と感じるようになること,の2点が主に示唆され,実習経験による実習生の求める学習内容への意識の比重の変化の可能性や大学カリキュラム構築に関する示唆と合わせて検討された.