著者
阿部 和広
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.57, no.12, pp.1218-1222, 2016-11-15

政府が,2020年からコンピュータ・プログラミングを初等教育段階から義務化する方針を打ち出したことで,世の中のプログラミング学習に対する関心がにわかに高まっている.これに対し,文部科学省は有識者会議を開き,意見のとりまとめを行っているが,何を,どのように行うのかについては,まだ一般に周知されていないのが現状である.このような状況の中で,品川区立京陽小学校では,2013年から現在まで継続的に全学年・全学級でのプログラミング学習を実施してきており,貴重な先行事例となっている.本稿では,それに至る背景と,その意義について解説する.
著者
阿部 和広
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.55, no.6, pp.598-601, 2014-05-15
著者
阿部 和広
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.61, no.8, pp.806-812, 2020-07-15

2020年4月,プログラミング教育を含む新しい小学校学習指導要領が実施された.しかし,新型コロナウイルス感染症の影響もあり,プログラミングを体験する授業はほとんど行われていない.そうなった経緯について,過去の小学校のプログラミング教育を振り返り,産業界や官邸,文科省の思惑,新しい教育や学校の在り方などが交錯する中で進められた取り組みから読み解く.そして,それを受けて移行期間中に多くの学校で実施されたコンピュータを使わない「アンプラグド」を用いた授業を紹介し,その問題と背景にある「プログラミング恐怖症」に対する解決法を提案する.
著者
阿部 和広
雑誌
情報処理学会論文誌教育とコンピュータ(TCE) (ISSN:21884234)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.10-18, 2023-06-29

Scratchはプログラミングを学ぶための環境として知られているが,同時にオンラインコミュニティとしての側面も持っている.しかし,教育関係者や保護者は子供たちがそこで行っている活動についてあまり関心を払っていない.2020年に始まった小学校プログラミング教育必修化にともない,Scratchの活用が広がると同時に問題も起こっている.本稿では,Scratchのオンラインコミュコミュニティについて,その歴史や活動内容,問題点について解説し,デジタルシティズンシップの視点から解決策を提案する.
著者
伊藤 一成 阿部 和広 新目 真紀
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2012-CE-116, no.14, pp.1-7, 2012-10-06

青山学院大学社会情報学部では,大学1年生を対象としたプログラミング導入教育を行っている.大学の情報科目は,他の科目に比べ学生のバックグラウンドの個人差が大きい.この問題を解決するため相互学習に着目した.相互学習を行うためには,異なるバックグラウドの学生の発想を引き出すことが重要になる.また学習者が出来るだけ早い段階で,世代や組織の枠を超えた他の学習者に対する教授者になれるような仕組みを構築するのが重要と考えている.本稿では,Scratch,センサーボード,LEGOを組み合わせた本学部の実践について報告する.
著者
阿部 和広
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.58, no.10, pp.894-897, 2017-09-15

近年,Scratchを用いたワークショップがさまざまな組織によって行われるようになってきた.その多くは定型的なカリキュラムにしたがって,あらかじめ定められた目的の達成を目指すものである.しかし,子供たちの興味や関心は常に変化しており,ワークショップ中に新しい気付きやアイディアが生まれることも稀ではない.それを無視した予定調和的なワークショップは,実施者や保護者にとって,安心・安全である反面,子供たちが持っているポテンシャルを制限することにもなりかねない.ここでは,内容や目的が変化することを前提としたワークショップの実践について紹介する.
著者
阿部 和広
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.349-353, 2016-03-15

大学と小学校の授業のそれぞれでプログラミング学習を行った結果を比較し,一般に小学生の方が大学生より柔軟性や創造性に富んでいることを示す.この差異は学習の目的が外発的か内発的であるかによって生じていると考え,遊びと学びが融合したプログラミングにより自発的な学習が生じている小学校の事例を紹介する.一方,近年注目されているパズル型プログラミング課題が,必ずしも創造的な問題の解決につながらない可能性を検討し,目的を達成するための最適化が,これから求められる人材の育成に与える影響について考察する.
著者
阿部 和広
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.16(2006-CE-083), pp.69-75, 2006-02-17

近年、教育用のプログラミング環境として注目されているスクイークについて、開発者のアラン・ケイ博士、その基となったダイナブックやスモールトークなどの思想的背景、オブジェクト指向やタイルプログラミングなどの特徴などについて解説する。また、特に科学リテラシ習得に向いているとされる点について説明する。
著者
稲垣 卓弥 阿部 和広 山崎 謙介 横川 耕二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.15, pp.57-63, 2009-02-20
被引用文献数
2

近年,Squeak eToys は論理的な思考と問題解決能力を育むことを目的とした教育に用いられてきた子どもが直感的にプログラミングを学ぶことができる Squeak eToys は,多くのワークショップや教育現場などで利用され,全国的な広がりを見せている。しかし, Squeak eToys を学校教育の救科の単元に導入するには教員にもある程度のプログラミング技術が要求される.そこで,本研究ではスクリプティング不要で簡単に作れる 「教具」 としての Squeak eToys の使い方を提案する.In recent years, Squeak eToys has been used for education aimed at bringing up logical thinking skill and problem solving. The Squeak eToys by which children can learn program ming is used in many workshops of educational fields. It requires, however, school teacher programming skills to introduce Squeak eToys into subject of the school education. In this paper, we suggest the Squeak eToys as a teaching tool may give a more effective environment than ever.
著者
吉田 葵 伊藤 一成 阿部 和広
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2016-CE-134, no.12, pp.1-10, 2016-02-27

青山学院大学では,2015 年前期 (4 月から 8 月) に,社会情報学部 1 年次必修科目として 「社会情報体験演習」 を開講した.この授業科目の目的は,構築主義を背景としたフィジカル・コンピューティングを通して,プログラミングの知識や技術を身に付けるだけでなく,主体的に学ぶ姿勢を身につけることである.授業では 「(教師は) 教えない」 を合言葉とし主体的に学ぶことを促した.また,学生の興味を惹き,アイデアを引き出せるよう,センサーボードをはじめとした様々なアイテムを提示し,自らのアイデアを形にするという体験を提供した.本稿では,授業設計について報告するとともに,履修学生に対するアンケート結果及び成果物から,技術の習得及び学ぶことに対する意識の変容について考察する.
著者
岡崎 善弘 大角 茂之 倉住 友恵 三島 知剛 阿部 和広
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.41047, (Released:2017-07-26)
参考文献数
13

プログラミングの体験形式が小学生のプログラミング学習の動機づけに与える効果について検討した.体験形式として,(1) ゲームの作成方法を逐次的に教わりながら作成する講義型,(2) 2名1組で1冊のテキストを共有し,相互に教え合いながらゲームを作成する協同型,(3) 手渡されたテキストを見ながら単独でゲームを作成する個別型,の3タイプ間で動機づけを比較した.本研究の結果から,講義型または協同型でプログラミングを学習すると,プログラミング学習に対する動機づけは有意に上昇する一方で,個別型では上昇しないことが示唆された.
著者
岡崎 善弘 大角 茂之 倉住 友恵 三島 知剛 阿部 和広
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.169-175, 2017-09-10 (Released:2017-09-29)
参考文献数
13
被引用文献数
3

プログラミングの体験形式が小学生のプログラミング学習の動機づけに与える効果について検討した.体験形式として,(1) ゲームの作成方法を逐次的に教わりながら作成する講義型,(2) 2名1組で1冊のテキストを共有し,相互に教え合いながらゲームを作成する協同型,(3) 手渡されたテキストを見ながら単独でゲームを作成する個別型,の3タイプ間で動機づけを比較した.本研究の結果から,講義型または協同型でプログラミングを学習すると,プログラミング学習に対する動機づけは有意に上昇する一方で,個別型では上昇しないことが示唆された.
著者
阿部 和広
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.16, pp.69-75, 2006-02-17
参考文献数
10

近年、教育用のプログラミング環境として注目されているスクイークについて、開発者のアラン・ケイ博士、その基となったダイナブックやスモールトークなどの思想的背景、オブジェクト指向やタイルプログラミングなどの特徴などについて解説する。また、特に科学リテラシ習得に向いているとされる点について説明する。This paper introduces a programming environment "Squeak". Squeak was developed by Dr. Alan Kay and based on his Dynabook concept and Smalltalk. Squeak is good for developing scientific literacy of children.