著者
白井 靖敏 鷲尾 敦 下村 勉
雑誌
名古屋女子大学紀要 = Journal of Nagoya Women's University
巻号頁・発行日
no.59, pp.113-122, 2013-03-31

一斉講義による学習と学生主体のグループ学習とでは、学生に求める学習成果に違いがあり、グループ学習では、学生自身が参加するため、充実感が得られ、協調性や責任感が育まれるものの、知識の偏りや、一部の学生が主導して、ディスカッションに参加ができない学生が不満を持つケースが多い。本研究では、企業等で取り入れられ、重要視されているファシリテーター的な役割を、グループ学習に加えることで、議論をより明確化させ、グループ学習におこりがちな知識の偏りを避けることや、グループ構成員すべてが活発にディスカッションできる状況をつくり出せると考えた。結果、ファシリテーターを事前に経験させ、しっかりと役割を担えるようにしたことにより、リーダーの負担感は軽減され、ディスカッションの進行や意見の整理、まとめといった会議そのものへのファシリテーターの関わりと、課題(テーマ)そのものについての意見の整理やまとめ、発表といったリーダーとしての関わりが明確になり、ディスカッション全体が活性化した。
著者
福島 耕平 下村 勉
出版者
一般社団法人 CIEC
雑誌
コンピュータ&エデュケーション (ISSN:21862168)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.31-36, 2017-06-01 (Released:2017-12-01)

2015年度と2016年度の2年間,小学6年生を対象に,Moodleとタブレット端末を活用した発信・交流をとり入れた授業実践をおこなった。授業実践後,質問紙による調査をおこなったところ,Moodleとタブレット端末を活用した発信・交流は,従来の挙手・発言による発信・交流よりも,児童の緊張が少ないことがわかった。この発信・交流方法は,授業時間内に児童全員の意見の発信を保障することができ,発信・交流内容が文字記録として残る。児童がそのことを自分たちにとってメリットだと感じていることも明らかになった。
著者
張 蘭翎 須曽野 仁志 下村 勉
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.28, no.8, pp.45-48, 2018 (Released:2018-04-07)
参考文献数
6

中国人日本語学習者の語る力を向上させるために、デジタルストーリーテリングに注目した。筆者による日本語学習と演劇の経験を結びつけ、デジタルストーリーテリングを活用し、①状況・感情、②デジタルの良さを重視しながら音声での語り方を鍛えていく学習プログラムを開発した。本研究では、デジタルストーリーテリング用学習プログラムを試行した学習を行い、中国人日本語学習者が語りで苦手とする原因、語る力と意識にもたらす効果について考察する。
著者
須曽野 仁志 下村 勉
出版者
三重大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

学習者が自分自身へ宛てた手紙をデジタルストーリーテリング(digital storytelling、略称「DST」)で表現する授業設計及び実践にとり組んだ。具体的に、大学生を対象とした実践は三重大学教育学部授業で、中学生対象の実践は三重県志摩市立浜島中学校で行われた。学習者が授業でDST制作にとり組んだ感想を質的分析し、授業デザインのためのコメントをカテゴリー化した。さらに、授業実践を通じて、手紙形式のDSTは人に伝える言語活動を充実するために有効であり、「自分への手紙」をテーマに設定することが学習者自身の生き方を内省することにつながることが明らかになった。
著者
中廣 健治 下村 勉 須曽野 仁志
出版者
三重大学教育学部附属教育実践総合センター
雑誌
三重大学教育学部附属教育実践総合センター紀要 (ISSN:13466542)
巻号頁・発行日
no.33, pp.93-96, 2013

近年、自閉症を有する人たちにタブレット端末を利用したVOCA(Voice Output Communication Aids)が利用され始めてきている。これは、利用者が伝えたい要求のアイコンをタップすることで、機器が相手に画像と音声で内容を伝えるツールである。これにより、障害によるコミュニケーション不良を軽減するのが目的である。しかし、文字や数の理解が難しい人たちには、収納されたデータ内容を理解しやすくするなどの配慮が必要である。本研究では、児童生徒が伝えようとする内容を教員がパソコンでVOCAデータとして作成した。このようにカスタマイズしたVOCAを用いて授業実践を行ったところ、児童生徒の要望が引き出しやすく、かつ教員間でデータを共有できるので児童生徒の主体的な授業参加や教師による継続支援がしやすいなどの効果が見られた。
著者
下村 勉 上谷 典秀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.96, no.96, pp.85-90, 1996-06-15
被引用文献数
3

インターネットの機能の一つ「WWW (World Wide Web)」を教育に活用する動きは急速に進みつつある。本稿では、まず、WWWにおいて公開されている学校のホームページについて分析した。また、このホームページ上に発信されている情報と受信者の見たい情報とのずれを、アンケート調査を含めて検討した。それらの結果を受けて、学習者が学校のホームページづくりに参加する「学習者参画型ホームページ」を、ある小学校のホームページの試作例とともに提案した。
著者
須曽野 仁志 下村 勉 織田 揮準 織田 揮準
出版者
三重大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究では、デジタルストーリーテリング(静止画をナレーションでつなげたデジタル紙芝居)の制作を取り入れたプロジェクト型学習を進めてきた。教員養成大学授業では、大学生が「もったいない」「読書」「外国人に向けた日本紹介」等をテーマに、小学校授業では、「この本よかったよ」「英語での自己紹介」をテーマに、学習者がデジタルストーリー作品を制作した。実践成果をもとに、協働学習でのデジタルストーリーテリングの意義、作品制作から学ぶこと、マルチメディアでの情報表現について明らかにした。