著者
中山 郁英 水野 大二郎
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.2_43-2_50, 2021-09-30 (Released:2021-11-03)
参考文献数
54

本稿では行政とデザインについて議論するための共通の土台をつくることを目的とし,行政とデザイン双方から歩み寄ってきた背景を,行政とデザインの統合の場としての「公共イノベーションラボ」を起点とし,文献レビューを中心に解説した。行政側では,1)行政課題の複雑化や,2)行政サービスのデジタル化,3)多様な主体が参画する形への行政改革の進展といった変化が起きており,それを解決推進する手段としてデザイン,特にサービスデザインが注目を浴びるようになった。また,デザイン側では,プロダクトなどの伝統的分野から,サービスやシステム分野への関心の広がり,また社会的課題をテーマとするソーシャルイノベーションのためのデザイン分野の活発な活動が,行政組織でのデザイン実践へと繋がっていったことを整理した。最後に,行政組織においてデザインを実践する際の論点として,1)政策過程のどの部分にデザインが介入するか,また2)行政組織とデザイナーがどのような関係性で協働するのか,という2点について展望を述べる。
著者
中山 郁子 藤江 奏
出版者
島根大学教育学部
雑誌
島根大学教育学部紀要 人文・社会科学 (ISSN:02872501)
巻号頁・発行日
no.4, pp.51-67, 1970-12

偏食および極端な好き嫌いなど,食物に対する嗜好の問題が,我々の肉体的健康に直接関連があることはいうまでもないが,それのみではなく,その人の性格形成にも何らかの影響をおよぼしているであろうことは容易に推察される。たとえば、自殺をするような人や偏くつな人には偏食する人が多いといわれるのもそのようなことであろう。 このように食物の嗜好がその人の性格と何らかの関連性があるであろうと考えられているにもかかわらず,この面についての研究はなされていないのが現状である。従って,本報においては,この問題を取り上げ中学生を対象に男女の性別および年令別による嗜好の相異,および食物に対する嗜好傾向を調べ,同時に性格テストを実施してその嗜好との関連性について研究をおこなった。その結果,いくつかの興味ある知見を得たので報告する。
著者
西村 明 森 謙二 村上 興匡 土居 浩 清水 克行 粟津 賢太 中山 郁 ドーマン ベンジャミン 町 泰樹 ドボルザーク グレッグ 飯高 伸五 ミャッカラヤ M.G シェフタル 北村 毅 キース カマチェ 渡邉 一弘 ポール ハインツ スティーブン ブラード イ ヨンジン 木村 勝彦 田村 恵子 矢口 祐人
出版者
鹿児島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究では、日本における戦争死者慰霊の第三者関与と世代間継承の問題を、海外の事例も踏まえながら比較検討した。新たな慰霊活動や慰霊巡拝の創出・開拓といった契機や、時間的推移における慰霊活動の維持等において、死者との直接的関係を持たない宗教的・世俗的エージェントの果たす役割の重要性が確認された。同時に世代間継承における意味変容のあり方がその後の展開に大きく作用することも実証的に明らかとなった。