著者
平田 佐智子 中村 聡史 小松 孝徳 秋田 喜美
出版者
The Japanese Society for Artificial Intelligence
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.274-281, 2015

Japanese "onomatopoeic" words (also called mimetics and ideophones) are more frequent in spoken discourse, especially in informal daily conversations, than in writing. It is a common belief that onomatopoeia is particularly frequent in some areas, such as the Kinki region. To examine the plausibility of this folk dialectology, we investigated the frequency of onomatopoeia in the Minutes of the Diet as a corpus of spoken Japanese. We examined whether there is really a difference in the use of onomatopoeia among the eleven major regions of Japan. We analyzed the conversation data (limited to the last two decades) according to the hometowns of the speakers. The results revealed that there is no cross-regional difference in the overall frequency of onomatopoeia and non-onomatopoeic adverbs. However, a particular morphological type of onomatopoeia?i.e., "emphatic" onomatopoeia, such as hakkiri 'clearly'?did show a regional variation in frequency. The results suggest that different types of onomatopoeia have different functions. The present study introduced a "macro-viewpoint" method that is based on a large-scale database. Further investigations into the functional aspect of onomatopoeia will also benefit from a dialectological method that adopts a "micro-viewpoint" on the detailed descriptions of a small number of speakers from each region. We hope that the present quantitative approach to the sociolinguistics of onomatopoeia will offer a new perspective on dialectology and on the effective utilization of onomatopoeia in the field of information science.
著者
牧 良樹 中村 聡史
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第31回全国大会(2017)
巻号頁・発行日
pp.3H2OS04b3, 2017 (Released:2018-07-30)

これまでの研究で,ネタバレが小説の面白さを増加させる場合があることが示唆されているが,ネタバレの問題について十分に研究されているとは言い難い.そこで我々は,読み進めた度合いがネタバレの影響は増減すると考え,コミックを対象とした実験を実施し,ネタバレ遭遇タイミングを人により変更することでその影響を調査した.その結果,3分の2の部分まで読んだ段階でネタバレされると面白さが減少することを明らかにした.
著者
中村 聡史 山本 岳洋 後藤 真孝 濱崎 雅弘
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.148-158, 2013-06-28

本稿では,動画共有ウェブサイトにおいて日々アップロードされる膨大な楽曲動画について,ユーザがその動画に対して興味があるかどうかを短時間で判断する手段として,15秒のサムネイル動画を自動生成する手法を提案する.ここでは,楽曲動画作成者と楽曲動画視聴者に注目し,楽曲動画のサビ検出技術と,視聴者の盛り上がり検出技術を使うことにより,サムネイル動画を自動生成する仕組みを実現する.また,評価実験により,組合せ手法の有効性とその特徴を明らかにする.
著者
大野 直紀 土屋 駿貴 中村 聡史 山本 岳洋
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.929-940, 2018-03-15

音楽動画の印象に基づく検索や推薦,音楽動画の類似判定のためには,音楽動画の印象推定に関する技術が必須となる.しかし,音楽に対する印象評価や映像に対する印象評価に関する研究は多数なされている一方で,音楽と映像が組み合わされた音楽動画に対する印象評価の研究は十分になされていない.我々は,音楽と映像の印象がどのように音楽動画の印象に影響するのかを調べるため,「音楽のみ」「映像のみ」「音楽動画」の3つの関係性に着目し,これらに対する8印象軸の印象評価データセットを構築した.また,それらを分析することで,音楽と映像の印象評価の組合せによる音楽動画の印象推定の可能性について検討を行った.またデータセット内の音楽動画の音楽と映像を任意に合成した音楽動画を生成し,印象評価を行ってもらうことで,音楽印象と映像印象の組合せが音楽動画の印象とどのように関係しているのかの分析を行った.その結果,音楽と映像の印象を組み合わせることによる印象推定の可能性があること,また各印象によって印象の組合せ方が異なることを明らかにした.
著者
二宮 洸太 中村 聡史
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:21888752)
巻号頁・発行日
vol.2021-MUS-130, no.33, pp.1-8, 2021-03-09

音楽ライブに参加する観客は演奏に合わせてサイリウムを振る,ヘッドバンギングをするなど,アーティストや他の観客との一体感や非日常感を楽しんでいる.また,ライブの模様を,インターネットを通じて配信する配信ライブも多く行われているが,自宅でひとりで鑑賞することが多く,アーティストや他のファンとのかかわりや一体感が希薄化する問題がある.そこで,配信ライブ中の視聴者間の一体感を向上させることを目的に,ライブ中に行われるヘッドバンギングを媒介として,その動作を検知し,タイミングを視聴者間で共有するシステムを提案する.本研究ではポケットに入れたスマートフォンのセンサデータを使い,ヘッドバンギングの予備動作からヘッドバンギングの推定に関する検討を行った.具体的には,ヘッドバンギング中のセンサデータに関するデータセット構築を行い,機械学習により,予備動作からヘッドバンギングの推定を行った.その結果,93.5% の精度で推定を行うことができた.
著者
松井 啓司 中村 聡史
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.970-978, 2018-03-15

人は楽しい時間が過ぎるのを早く感じたり,退屈な時間がいつまでも終わらないと感じたりすることがある.これは時間評価を変化させる要因の1つである時間経過に対する注意によって発生する現象であるが,2つ以上の事象に同時に集中することは容易でないため,なにか別の作業をしながら時間感覚を自分の思いどおりに変化させることは困難であるとされてきた.ここで,人間の周辺視野には視覚情報を無意識的に処理する特性があることが明らかになっている.この周辺視野の情報処理能力を活用し,無意識的に時間評価を変化させる要因を操作することで,人の時間感覚の操作が可能であると考えた.そこで,PCでの作業時に周辺視野へ視覚刺激を提示することで,人の時間感覚がどのように変化するのかを調査する.その結果,提示速度の変化量によって時間評価が変化し,視覚刺激の提示速度が加速するほど時間を短く感じ,減速するほど時間を長く感じる傾向が見られた.また,実験協力者の視線情報を分析することで周辺視野への視覚刺激提示が作業を阻害していないことを明らかにした.
著者
山本 岳洋 中村 聡史
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.61-72, 2013-06-28

本稿では,印象に基づく楽曲検索実現のために,動画共有サイト上に投稿された楽曲動画を,可愛らしい,切ない,元気がでるといった印象に分類する手法を提案する.楽曲動画の印象分類のため,ユーザの投稿した時刻同期コメントに着目し,単語の品詞,文字の繰返し構造,楽曲のサビ区間の3つを利用する.実験では1,314本の楽曲動画を7印象クラスに分類し,提案手法がF値のマクロ平均で0.659を達成しベースライン手法よりも高い精度を得た.また,楽曲の歌詞や音響特徴量を用いた分類手法とも比較し,提案手法の有効性を示した.This paper proposes a method to classify music video clips, which are uploaded to the video sharing service, into the mood categories such as "cute," "sorrow" and "cheerful." The method leverages viewers' time-synchronized comments posted to video clips to classify the video clips into moods. It extracts features from the comments in the terms of (1) parts-of-speech, (2) lengthened words and (3) chorus parts of the music. Our experimental results showed that out method achieved the best classification performance (Macro F-measure of 0.659) compared with some baselines. In addition, our method outperformed the conventional approaches that utilize lyrics and audio features of musics.
著者
牧 良樹 白鳥 裕士 佐藤 剣太 中村 聡史
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

ストーリーコンテンツにおいて,未知であるストーリー部分を明らかにすることはネタバレと呼ばれ,多くの研究で防止する手法が提案されてきた.しかし、そのネタバレがコンテンツを楽しんでいるひとに対しどのような影響を与えるのか,またコンテンツの進度によりネタバレの影響は変化するのかについては調査されていなかった.我々は以前の研究で,コミックを対象としたネタバレ影響調査を行ない,作品によってネタバレの影響が変化することを明らかにしてきたが,ネタバレの本質的な影響については調査できていなかった.そこで,本研究ではネタバレ直後の影響を調べることによってネタバレの本質的な影響について明らかにした.また,ネタバレページの特徴を分析することによって,ネタバレページ推定実験の手法についての検討を行なった.
著者
斉藤 絢基 中村 聡史 鈴木 正明
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

ひとは自身の手書き文字や,自身の手書き文字が融合された平均手書き文字に対し,好意的に捉える傾向がある.そこで我々は,コミック内での読者が感情移入するキャラクタの抜き出し内の発話について,読者の手書き文字を融合して提示する手法を提案する.本手法により,コミックの登場人物への共感度を増すことができ,コミック自体の面白さも変容させることができると期待される.また実験により手法の有用性について検討する.
著者
中村 聡史 小松 孝徳
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.1402-1412, 2013-04-15

スポーツの試合の録画視聴を楽しみにしているユーザにとって,Web上で遭遇してしまう試合結果などのネタバレ情報は楽しみを減退させる忌むべきものである.本稿では,こうしたネタバレ情報との遭遇を防ぐための表現手法を4つ提案し,実装を行った.また,表現手法の有効性について評価実験をベースとして検討を行った.Seeing the final score of a sports match on the Web often spoils the pleasure of a user who is waiting to watch a recording of this match on TV. This paper proposes four information clouding methods to block spoiling information, and describes implementation of a system using these methods as a browser extension. We then experimentally investigate the usefulness of the methods, taking into account their differences, differences in the variety of content, and differences in the user's interest in sports.
著者
山家 雄介 中村 聡史 アダム ヤトフト 田中 克己
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.88-100, 2008-06-26

ブログなどの普及により情報発信の裾野が広がるにつれて,Web 検索結果から有用なページを発見するのは困難になる一方である.最近ではユーザのブックマーク行動を集約することによって価値のあるページを抽出する,ソーシャルブックマークのような取り組みがさかんになりつつある.本稿では,ソーシャルブックマークにおけるページのブックマーク数などの情報を用いて,検索結果のページの内より有用なものを上位に提示する再ランキング手法を提案する.次に,提案手法を多数のクエリに対して適用し,検索結果に含まれるページの順位変動率や,ページの種類などを調査・分類し,どのような検索目的に本アプローチが有効なのかを明らかにした.
著者
平田 佐智子 中村 聡史 小松 孝徳 秋田 喜美
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.27, 2013

「近畿圏出身者はオノマトペの使用頻度が他地域よりも高い」という素朴理論に対して、発言者の出身地域によってオノマトペ使用頻度が実際に異なるのかどうかを検討した。データとしては、過去20年分の国会会議録の発言内容に含まれるオノマトペと、発言者の出身地情報を用いた。その結果、オノマトペ全体としては地域差があまり見られないが、ある種類のオノマトペにおいて顕著な地域差が見られることがわかった。
著者
中村 聡史
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.142-149, 2013-01-15

デジタルカメラやスマートフォンの普及により個人の日々の活動を記録するライフログが容易になった.ライフログには自動的に活動を記録するものと,ユーザが主体的に一人称視点で記録するものとに分けられる.後者のライフログはいわば個人の記憶の記録である.記録から記憶を呼び覚ます事が可能となり,利活用できるようになれば,個人の生活をより豊かにする可能性をもつ.しかし,その記録の利活用方法は十分に検討されていないうえ,ライフログはその性質上,膨大なデータとなるため利活用も容易ではない.デジタル写真を記録したものの死蔵している方も多いのではないだろうか.本稿では,特に写真を記録メディアとして用いた一人称視点ライフログの現状を俯瞰し,筆者のライフログ経験をもとに今後の展望について考察する.
著者
山家 雄介 中村 聡史 アダム ヤトフト 田中 克己
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.65, pp.259-264, 2007-07-03

ソーシャルブックマークは、Web 利用者がブラウジング中に興味や関心を持ったページを記録、共有、分類そして発見することを支援する Web サービスである。本論文では、ソーシャルブックマークから各 Web ページのメタデータを抽出し、これを利用することによる Web 検索結果の対話的再ランキング法を提案する。我々はこの手法を実現するプロトタイプを実装し、そのインタフェースを中心に試験的な評価を行った。Social bookmarking services are an emerging type of Web services that let users store, share, annotate, and discover interesting resources. In this paper, we propose an interactive reranking method for web search results that utilizes social bookmarking data such as the number of bookmarks, timestamp, associated tags, sentiment expressions, etc. We demonstrate a prototype system that we have implemented and show some preliminary evaluation done in order to test our approach.
著者
渡辺 知恵美 中村 聡史
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

オノマトペは料理の味覚・食感やレシピの手順を表現するのに重宝される.我々はオノマトペをキーワードに料理を検索するオノマトペロリを開発している。我々は料理レシピに登場する用語とオノマトペとの関連度を分析し,ユーザの検索オノマトペを関連度の高いオノマトペに置き換えて検索する。またよりユーザの求めるニュアンスに近い料理を求めるスコア関数を定義しランキングを行う。
著者
中村 聡史 山本 岳洋 田中 克己
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.50, pp.111-116, 2008-05-21

近年,人々の情報検索を支援する研究が盛んに行われている.我々は膨大な検索結果を効率的に閲覧し,目的とする情報にたどり着くための手法として強調・削除操作に基づく検索結果の閲覧手法を提案している.しかし,これまでのシステムでは検索のランキングのためのインタラクションを引き出すには不十分であった.そこで本稿では,検索結果に対するインタラクションを引き出すため,検索結果のページ中に含まれる味覚や嗅覚,視覚や聴覚など各種の感覚情報に注目し,感覚情報の抽出方法や感覚の可視化手法,感覚情報に基づくリランキング手法について提案および実装する.また,本提案をベースとした応用について議論を行う.Recently, there are many works to support user's information finding. In our previous work, we proposed and implemented the reranking method of Web search results by using emphasis and delete operations. However, our previous work is not safficient to encourage users to rerank search results. In order to solve this problem, we pay attention to senses (taste, smell, sight, hearing and touch) on the Web. In this paper, we propose the extracting method of information about senses from the Web and the reranking method based on senses. Then, we demonstrate our system and explain about the potential applications.