著者
開内 幸治 中野 浩嗣 金田 和文
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2017-IOT-36, no.37, pp.1-7, 2017-02-24

本稿では平成 28 年度電気 ・ 情報関連学会中国支部連合大会で使用するために構築した Web 投稿受付システムとそのシステム運用についてそれぞれ述べる.構築にはフォーム作成収集のためのクラウドサービスである JotForm を利用し,入力者,運用側それぞれにメリットがあるように基本的構築設計方針を定めて行った.運用時に発生したトラブルについて原因をシステム側,入力者側に分けて記述し,今後の改善点を述べる.これまで利用してきた高額な Web 投稿受付の外部委託に比べ,比較的簡易な設定作業により極めて低コストに投稿受付システムの構築と運用が行えた.
著者
船坂峻慈 中野浩嗣 伊藤靖朗
雑誌
研究報告システム・アーキテクチャ(ARC) (ISSN:21888574)
巻号頁・発行日
vol.2016-ARC-222, no.6, pp.1-6, 2016-09-29

データ圧縮はコンピュータエンジニアリングの分野で非常に重要である.しかし,多くの可逆圧縮と展開アルゴリズムは並列化が非常に難しい.本論文では Light Loss - Less (LLL) 圧縮と呼ぶ,新しい可逆圧縮法を提案する.この圧縮法の展開アルゴリズムは高い並列化が可能であり GPU を用いて非常に高速に処理することができる.データ展開は圧縮と比較して何度も行うためにこの圧縮法は多くのアプリケーションで応用できる.我々は LLL 展開の並列アルゴリズムを提案し GeForce GTX 1080 GPU に実装した.GPU を用いた LLL 展開の実効速度を Core i7- 4790 への逐次 CPU 実装と比較し 91.1-176 倍の高速化を達成した.また,よく知られている圧縮手法である LZSS と LZW との比較も行う.提案手法は圧縮率は同程度である一方で LZSS 展開の GPU 実装と比較して 4.30-14.1 倍,LZW 展開の GPU 実装と比較して 2.49-9.13 倍の高速化を達成した.
著者
安藤 拓也 山崎 雅彦 深尾 俊一 中野 浩一郎 呉原 裕樹 堅田 武保 舟曳 純仁 中野 貞生 池上 雅博
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.36, no.12, pp.1698-1702, 2003-12-01
被引用文献数
4

腸閉塞にて発症した非特異性多発性小腸潰癈疾の2例を経験したので報告する.症例1 26歳の男性.繰り返す腸閉塞にて入院.小腸造形にて回腸に粘膜集中像をともなう潰瘍,多発する輪状狭窄を認めた.小腸潰瘍による狭窄にて腸閉塞を呈したと診断し,回腸切除術と狭窄形成術を施行した.症例2 . 31歳の男性.繰り返す腸閉塞と貧血にて入院.逆行け回腸遺影にて回腸末端に不整形潰瘍と軽度の狭窄像を認めた.小腸潰癈による狭窄にて腸閉塞を呈したと診断し回腸切除術を施行した.いずれの症例も切除標本では,亜輪状傾向の潰瘍あるいは潰瘍徹夜を認め,それに伴い腸管の狭窄を呈していた.組織学的にはUl-IIの潰瘍が主体であり,狭窄部では線維化が著明であった.以上から非特異性多発性小腸潰瘍疾による腸閉塞と診断した.
著者
山際 伸一 和田 耕一 中野 浩嗣 柚木 清司
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

ストリーム指向プログラムはGPUといったメニーコアアクセラレータの普及によって、科学技術計算から産業用製品にまで利用されている。その単体性能は、チップ内における密並列によるプログラム実行により高い性能を示す。しかし、複数のアクセラレータを使った超並列計算を考慮すると、タスクの分割と通信タイミングを配慮したプログラム開発が必要になり、性能をスケーラブルに維持したままの開発が困難となる。本研究では、このようなGPUでのストリーム指向プログラムを対容積・対電力での計算能力の高密度化をねらい、自動的に複数のGPUで並列化し、スケーラブルに性能向上が可能なプログラミング基盤技術を開発する。
著者
中野 浩
出版者
一般社団法人日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.324-328, 1987-10-15

コンビーネーターを用いた作用的(applicative)プログラミングの実現系における実験から,2つのプログラミング技法を抽出する.また,これらの技法を,Lispにおける場合と比較し,コンビネーター法という新しいアーキテクチャにおいては,既存のものとは異なるプログラミング技法が有効であることを示す.
著者
加藤 ひろし 岩並 和敏 坂上 竜資 本郷 興人 佃 宣和 川浪 雅光 向中野 浩
出版者
北海道大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1990

2年間にわたり歯周病患者のBruxismと咬合性外傷、歯周組織破壊の実態を明確にする目的で研究を進め、次の成果を得た。(1)K6Diagnostic Systemを用いて中程度以上の歯周病患者の顎運動と筋活動を分析した結果、歯周炎患者正常者に比べ閉口運動終末速度と咬みしめ時の筋活動電位が低下しており、歯周炎の進行と対合歯との咬合接触部位の減少にともなってさらに低くなる傾向を示した。(2)睡眠中の顎動運記録装置を作製し、睡眠中の顎運動、咬筋活動、咬合接触状態、咬合接触音を記録し分析した結果、BruxismはAタイプ(grindingに相当)、Bタイプ(clenchingに相当)、Cタイプ(A,Bタイプ以外)に分類でき、Bruxism自覚者はAタイプ、無自覚者はBタイプの出現率が高く、この差が自覚の有無と関係していると思われた。(3)患者が自宅でBruxism(睡眠中の咬筋活動・歯の接触・grinding音)を記録し分析するシステムの改良を行い、ディスポ-ザブルシ-ル型電極と発光ダイオ-ド表示モニタ-装置の使用により正確な記録が可能となった。(4)Bruxismによって生じる咬合性外傷と炎症が合併した場合の歯周組織の変化を明らかにするために,カニクイザル2頭の臼歯を4群にわけて、炎症と咬合性外傷を引き起こし、14週と28週間、臨床的ならびに病理組織学的に観察した結果、歯間水平線維が細胞浸潤により破壊された状態に、咬合性外傷が合併すると、炎症は急速に進行し、高度歯周炎となることが示唆された。(5)Bruxismの原因となる早期接触の客観的診査の目的で、Tースキャンシステムを歯周病患者で検討した結果、センサ-を咬合接触が不安定で誤差が生じやすく、咬合力の弱い者や動揺歯では咬合接触を正確に判定できないなどの問題があり、改良の必要なことが明らかとなった。今後さらにBruxismの客観的診断法と治療法の確立を目指して研究を進めていきたいと考えている。
著者
横山 俊治 村井 政徳 中屋 志郎 西山 賢一 大岡 和俊 中野 浩
出版者
The Geological Society of Japan
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.112, pp.S137-S151, 2006
被引用文献数
3 1

小出(1955)の定義による破砕帯地すべりは今日の知識からすれば付加体分布地域で多発している.破砕帯地すべりは地すべり性崩壊であると小出(1955)が記述しているように,崩壊時に破壊された地すべり移動体は山津波となって谷を流下し,しばしば末端では河川を堰き止める.見学地である阿津江の事例には,このような破砕帯地すべりの特徴がくまなく現れている.<br>見学は末端部から発生域へと進めていこう.末端部では,坂州木頭川渡った山津波が対岸の斜面を50 mほどの高さまで乗り上げている.ここでは,山津波の流れを記録する樹木に刻まれた流下痕跡を観察し,一旦は斜面に乗り上げた土砂や構造物の大部分を洗い流した強い引きの流れの存在,山津波の一部が坂州木頭川を跳び越えている状況を確認する.発生域では,崩壊頭部のクラック群・緊張した樹根,崩壊壁の地質を,発生源の谷底では新旧の土石流堆積物,破砕帯,断層を観察する.<br>