著者
中澤 翔 瀧澤 一騎 厚東 芳樹 山代 幸哉 佐藤 大輔 丸山 敦夫
出版者
The Japan Journal of Coaching Studies
雑誌
コーチング学研究 (ISSN:21851646)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.209-217, 2018-03-20 (Released:2019-09-02)
参考文献数
34

The purpose of this study was to clarify the relationship between running distance over an 8-month period and both 5000 m running performance and aerobic capacity (VO2max, VO2VT, running economy). The 8-month study period was divided into two segments of 4 months each. It was found that long-distance athletes could run 5000 m in about 15 min 30 s. The analysis also confirmed the following: (1) athletes that ran longer distances in the 8-month period had better 5000m times; (2) they had higher VO2VT; and (3) athletes whose distances were longer in the first half of the study period had better VO2VT and 5000m records in the second half of the period. The anaerobic threshold reached a higher level in runners with greater training distance, resulting in an improvement in race results. Furthermore, based on the fact that the distance run in the first four months effects on VO2VT and 5000 m running times in the latter four months, this study demonstrates the possibility of training effects occurring after a certain latency period. The results implicated that it was important to track running distances as an indicator of race performance.
著者
平木場 浩二 丸山 敦夫 美坂 幸治
出版者
The Japanese Society of Physical Fitness and Sports Medicine
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.69-77, 1990-02-01 (Released:2010-12-10)
参考文献数
31
被引用文献数
4 4

本研究の目的は, CO2過剰排出量 (CO2excess) と持久性能力の関連性を明らかにするために, 長距離走者と一般人の乳酸蓄積の結果生じるCO2excessを比較するとともに, CO2excessと持久性パフォーマンスとの関係について検討することであった.18才から22才の男子長距離走者6名 (LDR群) および21才から24才の健康な一般成人男子4名 (CON群) を対象とし, 自転車エルゴメーターでの負荷漸増法による最大下および最大運動テストと12分間全力走を実施して, それらの運動テストで得られたVO2max, VO2AT, CO2excessおよび12分間全力走パフォーマンスとの関係を検討した.本研究で得られた結果の要約は以下の通りである.1) CO2excess (ml) は, LDR群3, 442±677ml, CON群2, 677±437mlの値であったが, 両群間に有意な差はなかった.体重当りに換算したCO2excess/w (ml・kg-1) は, CON群 (40.3±3.54) と比較して, LDR群 (59.1±9.07) が有意に高い値を示した (p<0.01) .2) ΔLA (安静から運動直後1分目までの血中LAの増加分) に対するCO2excess/wの比率 (CO2excess/w/ΔLA) は, LDR群 (5.59±1.16ml・kg-1・mmol-1) がCON群 (4.46±0.69ml・kg-1・mmol-1) より高値を示す傾向にはあったが, 両群間に有意な差は認められなかった.3) CO2excess (ml) は, VO2maxとは有意に相関しなかったが, VO2ATとは有意に相関していた (r=0.763, p<0.05) .体重当りに換算したCO2excess/w (ml・kg-1) とVO2maxおよびVO2ATとの間にはそれぞれr=0.822 (p<0.01) , r=0.892 (p<0.001) の高い有意の相関係数が認められ, 体重当りのCO2excess (ml・kg-1) と持久性能力との間に関連性のあることが確認された.さらに, ΔHCO3- (安静から運動直後1分目までの血中HCO3-の減少分) とも有意の相関関係が認められた (r=0.649, p<0.05) .4) 持久性パフォーマンスの指標として採用した12分間全力走の走行距離とCO2excess (ml) およびCO2excess/w (ml・kg-1) との間にはそれぞれr=0.715 (p<0.05) , r=0.933 (p<0.001) の有意な相関関係が得られ, CO2excessの相対値 (ml・kg-1) の方が持久性パフォーマンスと密接に関連することが認められた.また, CO2excess/w/ΔLAの比率との間にも有意な相関のあることが示された (r=0.671, p<0.05) .5) 以上の結果から, 体重当りのCO2excess (ml・kg-1) およびCO2excess/w/ΔLAの比率には持久性能力と関連性があり, 乳酸蓄積を伴う比較的高強度の身体活動の維持が要求される持久性競技 (例えば, 3, 000~5, 000M走) のパフオーマンスを評価する上で重要な因子となることが示唆された.
著者
中澤 翔 秋元 大和 山代 幸哉 佐藤 大輔 丸山 敦夫
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.67, pp.274_1, 2016

<p> 中長距離選手の走の経済性(RE)に及ぼすSSC(stretch-shorten cycle)の影響に関する研究では、プライオメトリックトレーニングと競技成績の関係に関する報告がいくつかある。しかし、SSC能力が走の経済性に及ぼす影響についてはあまり報告されていない。本研究は大学男子中長距離選手12名を対象に、VO<sub>2</sub>16km、% VO<sub>2</sub>max(VO<sub>2</sub>16km/ VO<sub>2</sub>max)、16km/h走行時の重心上下動(GH)、平均ストライド長(SL)およびリバウンドジャンプ(RJ)とドロップジャンプ(DJ)接地時間および跳躍高を測定し、それぞれの関係について検討した。その結果、(1)% VO<sub>2</sub>maxとRJ接地時間にr=0.641(P<0.05)の有意な相関関係が認められた。(2)重心上下動とストライド長および重心上下動とRJ跳躍高との間にそれぞれr=0.868(P<0.01)およびr=0.660(P<0.05)の有意な関係が認められた。(3)重心上下動とVO<sub>2</sub>16kmおよび% VO<sub>2</sub>maxとの間に有意な関係性は認められなかった。このことから、RJ接地時間の短い選手ほど走の経済性(% VO<sub>2</sub>max)が良いことが示唆された。</p>
著者
中澤 翔 瀧澤 一騎 厚東 芳樹 山代 幸哉 佐藤 大輔 丸山 敦夫
出版者
日本コーチング学会
雑誌
コーチング学研究 (ISSN:21851646)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.209-217, 2018

<p>&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;The purpose of this study was to clarify the relationship between running distance over an 8-month period and both 5000 m running performance and aerobic capacity (VO<sub>2</sub>max, VO<sub>2</sub>VT, running economy). The 8-month study period was divided into two segments of 4 months each. It was found that long-distance athletes could run 5000 m in about 15 min 30 s. The analysis also confirmed the following: (1) athletes that ran longer distances in the 8-month period had better 5000m times; (2) they had higher VO<sub>2</sub>VT; and (3) athletes whose distances were longer in the first half of the study period had better VO<sub>2</sub>VT and 5000m records in the second half of the period. The anaerobic threshold reached a higher level in runners with greater training distance, resulting in an improvement in race results. Furthermore, based on the fact that the distance run in the first four months effects on VO<sub>2</sub>VT and 5000 m running times in the latter four months, this study demonstrates the possibility of training effects occurring after a certain latency period. The results implicated that it was important to track running distances as an indicator of race performance.</p>
著者
丸山 敦夫 晴永 清道 竹下 公博 MARUYAMA Atsuo HARUNAGA Kiyomichi TAKESHITA Kimihiro
出版者
鹿児島大学
雑誌
鹿児島大学教育学部教育実践研究紀要 (ISSN:09175865)
巻号頁・発行日
pp.87-95, 2007

離島複式学級における体育授業の特徴を理解する基礎資料を得るため、複式学級の3・4年生の児童を対象に、体格・体力を測定すると共に各児童の体育授業の運動量を把握した。さらに、1年後、4・5年生になった同じ児童を対象に体格・体力や体育授業の運動量を縦断的に追跡し測定し、加えて、教師に体育授業の課題を調査した。その結果は以下の通りである。 1)複式学級の児童の形態発育は、身長の伸びに対して筋肉や骨などの除脂肪体重の充実度が4-5年生より3-4年生で低い傾向であり、個人差が非常に大きかった。 2)離島の複式学級および一般学級の児童たちの有酸素能力は同年代の児童に比べて高かった。しかし、複式学級では3-4年生の有酸素能力の伸びはほとんどなかった。この学年では体格と筋力や持久力との不均衡が体力低下につながったと思われる。これは個人的な発育と体力の関係であろう。 3)5日間の学校生活活動量を心拍数で測定した結果、体育の授業や昼休み時間において心拍数は平均で130拍/分ほどになった。06年度の中程度および比較的高い運動強度別出現時間や割合が05年と比較して少なくなった。運動量低下は教材選択に依存するだろう。 4)体育授業の課題をアンケート調査した結果、学年差や体力差で児童の序列ができあがり、少人数であるため競争心の発揚や発育差による指導の視点について課題が多かった。 以上の結果から、複式学級での体格・体力の実態と学校生活活動量や体育授業の運動量を把握し、今後の複式学級における体育授業の展開に工夫していかなければいけない内容を探ることができた。