著者
木暮 貴政 久保田 富夫 村山 陵子 新村 洋未
出版者
日本生理人類学会
雑誌
日本生理人類学会誌 (ISSN:13423215)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.171-176, 2011-11-25 (Released:2017-07-28)
参考文献数
29

To evaluate the influence on sleep by mobility and comfort on a mattress, we estimated subjective sleep feelings and measured sleep quality by polysomnography. Ten healthy subjects (4 males, 6 females), aged 62-67, were recorded, sleeping in a laboratory for two nights at a week interval under two crossover designed conditions (EMC: a mattress easy to move and comfortable by first impressions, DMU: a mattress difficult to move and uncomfortable by first impressions). The percentage of wakefulness in the first half of sleep time was significantly increased at DMU. Subjective sleep feelings were better at EMC and subjective evaluations at the time of arising showed EMC was easier to move and more comfortable. These results suggest that mobility and comfort on a mattress is important for better sleep.
著者
松崎 政代 春名 めぐみ 大田 えりか 渡辺 悦子 村山 陵子 塚本 浩子
出版者
一般社団法人 日本助産学会
雑誌
日本助産学会誌 (ISSN:09176357)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.2_40-2_49, 2006 (Released:2008-06-30)
参考文献数
42
被引用文献数
7 5

目 的 妊娠期の健康度や生活習慣を評価する客観的評価指標は少ない。そこで,妊娠期において酸化ストレスマーカーの一つである尿中バイオピリンを測定し,妊娠期での値の特徴とその関連要因を明らかにし,その利用可能性を検討する。方 法 2004年7月2日から8月31日までの調査期間中にNクリニックに来院した妊婦のうち594名を対象妊婦群とし,妊娠初期・中期・末期に分類した。また,妊婦群の年齢にマッチングさせた,現病歴のない,非妊娠女性35名をコントロール群とした。妊婦群とコントロール群に対し,調査票および診療記録から基本情報,生活習慣,精神的ストレスとして精神的健康度(general health questionnaire: GHQ)の情報を得た。また午前中に採尿・採血を行い,尿中バイオピリン,血清中脂質代謝マーカー(アセト酢酸・3-ヒドロキシ酪酸・トリグリセリド・総コレステロール・LDLコレステロール・HDLコレステロール・遊離脂肪酸)と糖代謝マーカー(グルコース・グリコアルブミン)の測定を行った。結 果 妊娠初期・中期・末期における妊婦の尿中バイオピリン値は非妊娠女性に比して有意に高値(p<0.001)であった。妊娠末期の尿中バイオピリン値は,妊娠初期,中期の値に比して有意に高値(p<0.001)であった。 尿中バイオピリン値に関連する要因として,現病歴があること,高血圧や蛋白尿といった妊娠高血圧症症状があること,グルコースおよび精神的健康度GHQ得点と正の関連,HDLコレステロールと遊離脂肪酸と負の関連が明らかになった。尚,妊娠高血圧症症状は,3-ヒドロキシ酪酸などの脂質代謝と関連があった。結 論 妊婦の尿中バイオピリン値は,妊娠末期に最も高値を示し,非妊娠女性よりも高値を示すという特徴が明らかになった。また,脂質代謝と関連のある妊娠高血圧症症状や現病歴,糖代謝,精神的健康度との関連が見出され,尿中バイオピリン値の妊娠中の酸化ストレスマーカーとしての利用可能性が示唆された。
著者
井上 文 保坂 嘉成 村山 陵子 田邊 秀憲 大江 真琴 内田 美保 小見山 智恵子 真田 弘美
出版者
看護理工学会
雑誌
看護理工学会誌 (ISSN:21884323)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.67-72, 2017-01-25 (Released:2018-02-28)
参考文献数
12

患者への末梢静脈カテーテル留置場面での,留置針を刺入し輸液ルートを接続する際の看護師の主観的体験を明らかにすることを目的とした.都内一施設の看護師10名(経験年数3~14年)の実際の刺入場面を録画し,それを視聴しながら手技を行っていた際の気持ちなどについて半構造化面接を行い,質的記述的に分析した.東京大学医学部倫理委員会の承認を受けた.分析の結果,【知識と経験に基づく血管選択の困難感】【末梢静脈路確保できないことへの不安感】【技術向上への思い】【血液に対する焦りと恐怖】【繁忙による焦り】【患者からの重圧】【末梢静脈路確保に伴う葛藤】の7カテゴリーが抽出された.技能の修得レベルの向上に伴い小さくなっていくカテゴリーもあったが,不安や困難感は完全には解消されなかった.看護技術をサポートすることで,困難感などの緩和,解消につながると考えられたカテゴリーも多く,末梢静脈留置針刺入の成功につながる可能性が示唆された.
著者
高橋 聡明 新谷 結衣 村山 陵子 野口 博史 阿部 麻里 Koudounas Sofoklis 仲上 豪二朗 森 武俊 真田 弘美
出版者
Japanese Society of Wound, Ostomy and Continense Management
雑誌
日本創傷・オストミー・失禁管理学会誌 (ISSN:1884233X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.576-584, 2021 (Released:2021-11-10)
参考文献数
28

背景:末梢静脈点滴の合併症は、時には潰瘍化にいたる重要な問題である。血流の多い血管を使用することにより、合併症予防の可能性が示されてきたが、末梢静脈の血流測定方法は確立されていない。そこで本研究では健常者における超音波検査装置による上肢静脈血流量測定の信頼性妥当性検証を行い、血流量測定を行うこととした。 方法:対象は健常成人8人、上肢12本とした。上肢主要静脈である上腕尺側静脈、前腕橈側皮静脈、前腕尺側皮静脈、前腕正中皮静脈を測定部位とし、訓練を受けた看護師が測定を行った。並存妥当性の検証を行うため、従来手技である手動による測定とAuto Volume Flow(AVF)機能を用いて測定を行い、ピアソンの相関係数を計算した。評価者内信頼性検証として級内相関係数(ICC)を、既知集団妥当性として豊富な血流量が予測される上腕尺側静脈と前腕に位置する静脈を比較した。 結果:測定者内信頼性について、従来手技では、すべての測定の平均は25.5 ml/minで、ICC(1,1)(1,3)はそれぞれ0.91 (p<0.01)、0.97(p<0.01)であった。並存妥当性については、従来手技、AVF による測定との相関はr = 0.96(p<0.01)であった。既知集団妥当性として、前腕の主要静脈の血流量はいずれも上腕尺側静脈と有意な差を示した(p<0.01)。 結論:上肢末梢静脈の超音波検査装置による血流測定の信頼性および妥当性が示された。