著者
五十嵐 悠紀
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.109-113, 2013-01-15

本稿ではディジタルデザイン技術を活用した工作や手芸に関する研究を紹介する.具体的には紙を用いた工作としてポップアップカード,ペーパークラフト,布を用いた手芸として,ぬいぐるみや衣服デザインなどを取り上げて解説する.従来の工業分野におけるCAD(computer-aided design)システムは専門家向けであったが,本稿で紹介するシステムは,初心者を対象としたものであることにも注目したい.物質の紙や布という素材の特性を熟知していない初心者でも簡単にデザインできるようにコンピュータで支援し,これまで熟練者しかデザインできなかったオリジナルな工作・手芸作品を初心者でもデザインできるようになった.一般ユーザ向けワークショップの様子も紹介する.
著者
五十嵐 悠紀 五十嵐 健夫
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.1119-1127, 2012-03-15

初心者のユーザがステンシルを楽しむためのインタラクティブなドローソフト“Holly”を提案する.ステンシルとは穴の開いたステンシル型版を用いて上からインクなどを使って図柄をデザインする表現手法である.このステンシル型版はつねに1枚につながっているという制約を満たすようにデザインしていかなくてはならないため,オリジナルなステンシル型版を自らデザインすることは子どもや初心者には難しく,既存デザインのステンシル型版を利用して楽しむか,自らデザインするにしてもサンプルパターンの組合せでのデザインにとどまっている.そこで我々はステンシル型版を生成するための手法を提案する.ユーザは通常のドローソフトのように自由に図柄をデザインしていく.システムはユーザの描いた線をもとに制約に基づいてインタラクティブにステンシル型版を生成する.システムの内部ではベクタ形式とラスタ形式のハイブリッドの実装になっている.ステンシル型版はベクタデータとして出力できるため,カッタプリンタなどを用いて実世界のステンシル型版を作成することができる.ユーザはそれを用いて自由に布や手紙,ポストカードなどにステンシルをすることができる.我々は実際に子どもや初心者のユーザに使用してもらうことで本システムの有効性を示したので報告する.
著者
五十嵐 悠紀 五十嵐 健夫 鈴木 宏正 Yuki Igarashi Takeo Igarashi Hiromasa Suzuki 東京大学大学院工学系研究科 東京大学大学院情報理工学系研究科:JST ERATO 東京大学大学院工学系研究科 Dept. of Engineering The University of Tokyo Dept. of Information Science and Technology The University of Tokyo:JST ERATO Dept. of Engineering The University of Tokyo
雑誌
コンピュータソフトウェア = Computer software (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.51-58, 2009-01-27

"あみぐるみ"は毛糸を使って作るぬいぐるみであるが,毛糸の編み方によって形状をデザインしていくため,初心者にはデザインすることが困難である.我々は3次元モデリングプロセスにインタラクティブな物理シミュレーションを組み合わせることであみぐるみを効率的にデザインできるモデラーを作成した.本システムは自動で編み目を計算してあみぐるみモデルをシミュレーション結果として提示するため,初心者にでも直感的にデザインでき,編み図も容易に得ることができる.また,初めてあみぐるみに挑戦する初心者でも製作手順を容易に理解できるようにするために,製作手順を視覚的に提示する製作支援インタフェースも備えた.あみぐるみ初心者でも容易にオリジナルなあみぐるみを作成できることを確認したので報告する.
著者
五十嵐 悠紀 高岡 詠子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.108-109, 2014-12-15
著者
五十嵐 悠紀 高岡 詠子
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.56, no.01, pp.108-109, 2014-12-15
著者
五十嵐 悠紀
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.57, no.10, pp.1022-1022, 2016-09-15
著者
五十嵐 悠紀
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2008

本研究はシミュレーションとモデリングを同時に行うことにより,物理的な制約条件を加味した3次元形状モデルを作成することを目的とする.予め物理的制約条件をデザインプロセスに組み込むことで,モデリング後に制約条件を評価してい従来手法に比べて効率よくモデリングすることが可能になる.我々はシミュレーションとモデリングを並行して行うというフレームワークを利用して,物理的制約付の3次元形状デザインという研究テーマに取り組んだ.今年度はカバーデザインという制約付のモデリングに関する研究を行った.カメラやティーポット,車など,日常の3次元物体にはカバーが存在する.各々の持ち物に応じて自分だけのカバーをデザインしたい場合もあるだろう.しかし,既存の3次元オブジェクトを包むためのカバーをデザインすることは素人には難しい.そこで我々は既存3次元モデルを包むカバーをデザインするシステムを提案し.既存3次元モデルからカバー形状を計算し,領域分割をした後,2次元へと展開し型紙を生成する,また,ユーザによってデザインされた取り出し口から3次元モデルを取り出すことが可能か否かを取り出しテストによって検証した.また,制約付きモデリングを2次元に適用した例として,ステンシルデザインのためのドローエディタの研究開発を行った,ステンシル型版は常に1枚につながっているという制約を満たすようにデザインしていかなくてはいけないため,素人がオリジナルなステンシル型版をデザインすることは大変難しい.そこで我々はステンシル型版を生成するための手法を提案した.
著者
五十嵐 悠紀
出版者
筑波大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2010

本研究ではコンピュータを用いて手芸作品の設計を支援する研究を行っている.学術的にはモデリングを行いながら並行してシミュレーションを行うことで,布や毛糸など素材の特性を活かしたモデリングを効率良く行うことができることを提案してきている,身近な手芸作品を例に挙げ,スケッチインタフェースを用いて物理的制約の下でのモデリングツールをいくつか提案することでこの手法の有効性を示してきた.本研究によりこれまで初心者ではできなかった手芸作品の設計(デザイン1をコンピュータで支援することが可能になり,これは手芸分野への大きな貢献であると言える.今年度は昨年度から引き続き、ビーズデザインの設計支援および制作支援について研究を行った.我々の開発したBeadyシステムを利用することで,子どもや主婦でも簡単に自身のオリジナルのビーズデザインを設計することができる.また,従来の2次元の制作図ではなく,3次元CGを用いた制作支援により制作も簡便になるように工夫した.以下に詳細を記す.3次元ビーズ作品のデザインおよび制作のためのインタラクティブなシステムを提案した.ユーザはまずビーズ作品の構造を表すメッシュモデルを制作する.それぞれのメッシュの辺はビーズ作品のビーズに対応している.システムはユーザのモデリング中に常に近傍のビーズとの物理制約を考慮して辺の長さを調整する.システムは次にメッシュモデルを適切なワイヤーつきのビーズモデルへと変換する.ワイヤー経路の計算のためのアルゴリズムも提案した.システムは手動でビーズ作品を制作するための1ステップごとの制作手順ガイドを提示する.前年に研究開発したインタラクティブにデザインするインタフェースの他に,主に六角形から成るようにデザインしやすい六角形メッシュモデル用インタフェースの提案,既存3次元モデルからの自動変換アルゴリズムの提案を行った.
著者
五十嵐 悠紀
出版者
筑波大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究ではコンピュータを用いて手芸作品の設計を支援し、製作過程も支援する研究を行ってきた.今年度はパッチワークを題材にデザイン・製作を支援するシステムPatchyを作成し、研究・開発を行った。パッチワークは布をつなぎ合わせてデザインを作成する広く普及している手芸の1つである。ところが、出来上がり図は縫い合わせたあとでしか見ることができず、色合わせや柄合わせなどはあらかじめ出来上がりを想像してデザインするしかなかった。通常は鉛筆画でデザインをしたあと、色鉛筆で布に対応するような色を塗って配色を確かめてから実際に作ることが多く、初心者はデザインに長けた人がデザインした図柄を真似て作ることが多い。そこで我々はシステムを使って外形をデザインし、デザインした閉じた領域の中に、画像ファイルをドラッグアンドドロップすることで出来上がり図を試行錯誤してみることのできるシステムを提案する。画像ファイルには、実際に使いたい布をスキャンしたテクスチャ画像を用意し、これを用いる。ユーザは布と布の切り替え線(実線)の他、ステッチとしての縫目(点線)もデザインすることができる。既存研究のつまんで引っ張る機能[Igarashi et al. 2005]を実装してあり、ユーザが外形をつまんでひっぱることで、テクスチャもリアルタイムに追従する。内部的なデータ構造としては2次元であるが、ピクセルごとに擬似的な法線方向を計算し、法線と光線方向を加味した色合いを計算し、描画している。このようにすることで、あたかも実際に縫い合わせたかのようなぷっくりとした立体的な描画を、一般家庭に普及しているような安価なノートPCにおいてリアルタイムで実現している。
著者
五十嵐 悠紀
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.66-68, 2015-12-15