著者
井上 大介
出版者
創価大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

メキシコ民衆文化としてのサンタ・ムエルテ信仰の特徴は、負のイメージが付与されたテピート地区という社会空間を含む従来の文化資源を流用しつつ、従属階級の信者に対し、特定のアイデンティティを提供し、既存の文化的カテゴリーを揺り動かすような動向を現出させていた。またその表象に関しては、グローバル、ナショナル、ローカルといった諸次元での語りが存在し、非常に流動的な言説によってカテゴライズされているといった特徴が抽出できた。同時にマイノリティ宗教の中にも正統・異端の区別が認識されており、組織化された動向はより社会的制裁と結びついているといった傾向が看取できた。
著者
井上 大成
出版者
日本鱗翅学会
雑誌
蝶と蛾 (ISSN:00240974)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.23-28, 2008-01-05
参考文献数
14

2006-2007年にかけての冬に,茨城県つくば市でチャバネセセリの越冬幼虫を観察した.幼虫の密度は,建物の南側の壁に近い草地で高かった.ここではチガヤは冬の間緑色を保っており,幼虫は暖かい日中には活発に活動していた.直射日光の当たる建物の南側の越冬場所では,2月には日最低温度は0℃近くまで下がったが,晴れた日の最高温度は30℃前後にも達した.4月に野外から採集され網室で飼育された幼虫は,4月上旬-5月下旬に蛹化し,5月中旬-6月上旬に羽化した.幼虫は蛹化前に0-3回脱皮した。蛹期間は4月に蛹化した場合には22-35日で,5月に蛹化した場合には16-21日だった.また,野外の壁際の草地に設置したマレーズトラップでは5月中旬に雌成虫1匹が捕獲された.チャバネセセリは北関東の内陸でも,少なくとも暖冬の時には野外越冬していることが明らかになった.
著者
泉 武夫 長岡 龍作 シュワルツ・アレナレス ロール 井上 大樹
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

兜率天上の弥勒菩薩の造形について、インドから日本中世までの展開過程をおおよそ明らかにした。中国唐代までは持水瓶・交脚形が主流であるが、宋代およびその影響を受けた日本中世では持麈尾・趺坐形が浸透する。また兜率天浄土の表現についても、中央アジアから中国、日本に至る図様形成と変容状況を遺品から跡づけた。とくに日本中世の兜率天曼荼羅図のタイプを整理することができた。