著者
池知 良昭 井上 桂子 小野 健一 金山 祐里 大岸 太一
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.61-69, 2022-02-15 (Released:2022-02-15)
参考文献数
29

本研究は終末期がん患者に対する作業療法士の実践自己評価尺度を開発する目的で信頼性,妥当性を検討した.緩和ケア病棟入院料届け出受理施設の作業療法士246名分を分析対象とした.結果,カテゴリカル探索的因子分析より20項目5因子構造が推定された.カテゴリカル確認的因子分析により適合度指標RMSEA=0.067,CFI=0.958,TLI=0.951であり良好な構造的妥当性を有していた.ω係数=0.8~0.92で内的一貫性も確保された.基準関連妥当性は相関を認めたが弱かった.今後,本尺度と作業療法士の作業参加状況との関連性の検討が課題である.
著者
井上 桂
出版者
Japan Association for Fire Science and Engineering
雑誌
日本火災学会論文集 (ISSN:05460794)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.37-39, 1957 (Released:2014-11-11)
参考文献数
1

In this report we observed the time lag in ignition and flame up when the leaves of grass and tree were exposed under several conditions of the temperature and moisture. These leaves were gathered from the Nopporo experimental forest in May 1955.The leaves of twenty species were tested.(1) The leaves of the grass are more susceptible to ignition than those of tree. Specially Pteridophyta is most susceptible. Sasa is easy to flame up in lower temperature.(2) The dead leaf is easy to ignite than live one. The younger the leaf, the more inflammable. Probably this is due to the thickness of the leaf in addition to its types and chemical composition.
著者
井上 桂輔 沼沢 祥行 山本 一樹 須藤 聡 箱守 正樹 豊田 和典 冨滿 弘之 関屋 曻
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.614-619, 2021 (Released:2021-12-20)
参考文献数
26

【目的】急性期脳梗塞患者の注意障害を定量的に示して歩行自立判定を検討したものは見あたらない。本研究では,BBS に加えてMARS およびSWWT を用いて,急性期脳梗塞患者の病棟内歩行自立判定に関連する要因を明らかにすることを目的とした。【方法】発症から2 週間以内の急性期脳梗塞患者の病棟内歩行自立判定におけるROC 曲線から算出したBBS のカットオフ値による判別と,多重ロジスティック回帰分析から算出した判別スコアによる判別の精度を比較した。【結果】多重ロジスティック回帰分析ではBBS,MARS,SWWT が採択され,判別スコアを用いた方がBBS 単独での判別よりも精度が高かった。【結論】急性期脳梗塞患者の歩行練習開始時点における病棟内歩行自立判別はBBS だけでなく,MARS,SWWT を用いることで精度が高まる可能性がある。
著者
井上 桂輔 沼沢 祥行 山本 一樹 須藤 聡 箱守 正樹 豊田 和典 冨滿 弘之 関屋 曻
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11988, (Released:2021-09-30)
参考文献数
26

【目的】急性期脳梗塞患者の注意障害を定量的に示して歩行自立判定を検討したものは見あたらない。本研究では,BBS に加えてMARS およびSWWT を用いて,急性期脳梗塞患者の病棟内歩行自立判定に関連する要因を明らかにすることを目的とした。【方法】発症から2 週間以内の急性期脳梗塞患者の病棟内歩行自立判定におけるROC 曲線から算出したBBS のカットオフ値による判別と,多重ロジスティック回帰分析から算出した判別スコアによる判別の精度を比較した。【結果】多重ロジスティック回帰分析ではBBS,MARS,SWWT が採択され,判別スコアを用いた方がBBS 単独での判別よりも精度が高かった。【結論】急性期脳梗塞患者の歩行練習開始時点における病棟内歩行自立判別はBBS だけでなく,MARS,SWWT を用いることで精度が高まる可能性がある。
著者
池知 良昭 井上 桂子 小野 健一 金山 祐里
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.87-98, 2021-02-15 (Released:2021-02-15)
参考文献数
16

要旨:終末期がん患者に関わる作業療法士は,自らの役割が不明瞭であり自信がない.本研究の目的は,当該領域の作業療法士の役割を明確にし,実践自己評価尺度の内容的妥当性を検討することである.文献検索と専門家会議にて項目を抽出し,当該領域の作業療法士にアンケートを実施した.その後,天井効果・フロア効果,最頻値,度数分布,非該当数を検討した.結果,グリーフケアの設問にフロア効果を認め,復職・セクシャリティは非該当が多かった.予後未告知の患者と,死に関して話さないとの意見があった.最終的に77項目が採用され,本尺度の内容的妥当性が確保されたが,今後さらに,項目相関係数やCronbach α係数等の内容的妥当性の検討が必要である.
著者
井上 桂輔 中村 悠真 箱守 正樹 豊田 和典 尾形 朋之 石原 正一郎 小川 晋一 神津 文子 高橋 将
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.53-61, 2021 (Released:2021-06-30)
参考文献数
14

COVID-19に対する理学療法における具体的な評価方法や運動療法を示した報告はない。感染対策を踏まえた運動機能評価に基づき,隔離中から早期に理学療法介入をした経験を報告する。COVID-19による隔離中に転倒及び筋力低下を呈し,理学療法を実施した4症例に,身体接触が少なく,簡便に実施でき,かつ筋力及びバランス能力を反映する運動機能評価を実施した。その結果から運動療法プログラムを作成および他職種と連携して運動療法を行った。早期に自宅退院した1例を除き,3例は急性期病棟転帰時までに運動機能及び日常生活動作能力の改善が見られたが,回復期病棟で継続的なリハビリテーションが必要であった。尚,担当した理学療法士に感染徴候はなかった。COVID-19による隔離中の患者に対して,感染対策を踏まえた運動機能評価及び運動療法を実施する事は,運動機能の改善及び早期から回復期病棟への入院の必要性について他職種との情報共有が可能であり,有効であったと考える。
著者
岡本 幸 井上 桂子
出版者
日本作業療法士協会
巻号頁・発行日
pp.44-54, 2007-02-15

要旨:個人作業療法実施により統合失調症長期入院患者の社会生活障害が改善するかを,精神科リハビリテーション行動評価尺度(Rehab)を用いて検討した.対象者は統合失調症による長期入院患者36名であった.個人作業療法はカナダ作業遂行測定(COPM)により対象者個々と一緒に計画を立て,週1回,5ヵ月間実施した.この介入の前後にRehabを用いて社会生活障害を評価した.その結果,Rehabの「全般的行動合計点」,中項目では「社会的活動性」,「セルフケア」,「社会生活の技能」が有意に改善した.個人作業療法は,統合失調症長期入院患者の社会生活障害の改善に効果的であることが示唆された.