著者
伊藤 哲郎 茅沼 秀樹 斑目 広郎
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.75, no.1, pp.e14-e17, 2022 (Released:2022-01-15)
参考文献数
7

16歳齢,去勢雄の雑種猫が食欲不振,体重減少を主訴として来院し,頸部腹側に2cm大の皮下腫瘤が触知された.血液検査において総カルシウム及びイオン化カルシウムの高値を認めた.症例のintact上皮小体ホルモン(parathyroid hormone:PTH)は基準範囲内であったが,実験的に高カルシウム血症を誘発した健常猫において報告されたintact PTHと比較すると高い値であり,血清イオン化カルシウム濃度に対応したPTH抑制調節の破綻が推測された.画像検査により頸部腫瘤は腫大した上皮小体であることが疑われた.外科切除した腫瘤は病理組織検査において上皮小体腺腫と診断された.術後に総カルシウム値及びイオン化カルシウム値は速やかに正常化し,2年間の観察期間に再発は認められなかった.
著者
信田 卓男 福岡 里江子 圓尾 拓也 伊藤 哲郎 川村 裕子 武田 晴央 杉山 大樹 石川 剛司 山田 徹 斑目 広郎 茅沼 秀樹 菅沼 常徳
出版者
一般社団法人日本獣医がん学会
雑誌
日本獣医がん学会雑誌 (ISSN:18843344)
巻号頁・発行日
vol.1, no.4, pp.58-63, 2010 (Released:2010-12-15)
参考文献数
25

犬のリンパ腫107例に対して、L-アスパラギナーゼとプレドニゾロンにより初期導入を行い、その反応を分析した。評価可能であった104例のうち、寛解率は92.3%(完全寛解27.9%、部分寛解64.4%)であった。皮膚型リンパ腫より多中心型リンパ腫の方が、有意に寛解率が高かったものの(p=0.045)、ステージ、サブステージ、ステロイド投与歴による差は認められなかった。臨床的に有意なアナフィラキシー反応や膵炎は認められなかった。以上のことから、L-アスパラギナーゼとプレドニゾロンによるダウンステージを目的とした導入は、有効であると考えられた。
著者
佐藤 敏彦 信田 卓男 圓尾 拓也 川村 裕子 山田 徹 伊藤 哲郎 武田 晴央 杉山 大樹 石川 剛司 斑目 広郎 茅沼 秀樹 菅沼 常徳
出版者
日本獣医がん学会
雑誌
日本獣医がん学会雑誌 (ISSN:18843344)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.20-24, 2012-12-19 (Released:2012-12-19)
参考文献数
17

人の肺癌では、腫瘍随伴症候群として好中球増加症や単球増加症を伴う白血球増加症が報告されている。しかしながら、犬では腫瘍随伴性白血球増加症の報告は少ない。今回、初診時の血液検査にて好中球を主体とした白血球増加症を示した犬に対し、種々の検査を行った結果、巨大肺腫瘤を認め、肺腫瘤の摘出術を行った。術後の病理組織学的検査にて肺腺癌と診断されたが、腫瘍の摘出とともに劇的な好中球数の回復がみられ、肺癌による腫瘍随伴性白血球増加症と診断した。
著者
吉田 和幸 矢田 哲二 原山 博文 伊藤哲郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.1035-1040, 2005-04-15
被引用文献数
6

ウィルスを検出・除去するメールゲートウェイを導入以来,宛先不明のspamメールによるDoS(Denial of Service)攻撃をしばしば受けるようになった.そのため,OUNET(Oita University computer Network)の15台のメールサーバのユーザアカウントについてLDAPを用いて集中管理する統合メール管理システムを導入し,メールゲートウェイで,そのLDAPデータベースを参照することにより,宛先不明のメールをメールゲートウェイで拒否することができるようにした.従来,それぞれ独自のポリシで運用してきた各メールサーバのメールアカウントについて,この統合メール管理システムでは,ドメインごとに独立して管理できるように設計した.本論文では,我々が行ってきたspamメール対策,統合メール管理システムの必要性,構成,機能について述べ,さらに,現在までの運用状況について述べる.We often have DoS (Denial of Service) attacks by wrongly addressed spam mail ever since we introduced a mail gateway against computer viruses. Against that attacks, we introduced a mail account management system for 15 mail servers in OUNET (Oita University computer Network). Referring mail account database in that system by LDAP (Lightweight Directory Access Protocol), it is possible to deny the wrongly addressed e-mail on the mail-gateway. We design that system to manage mail account of each sub-domain independently. This paper shows the structure, function and utilization of the system.