著者
森本 泰夫 喜多村 紘子 空閑 玄明 井手 玲子 明星 敏彦 東 敏昭 佐藤 敏彦 相澤 好治
出版者
公益社団法人 日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.1-10, 2009 (Released:2009-02-05)
参考文献数
52
被引用文献数
2 3

トナー粒子における新たな生体影響調査と労働衛生管理について:森本泰夫ほか.産業医科大学産業生態科学研究所―トナーの加熱印字(プリントアウト)を行う際にナノ粒子のような微細粒子やvolatile organic compounds(VOC)の発生を伴うことが社会問題になったため,トナー自体の影響だけでなく,これらの付加的化学物質の影響もふまえた生体影響調査が必要となった.しかし,どのようなナノ粒子が発生したのか不明であること,及びその測定法も確立されたものがないことより,対応に苦慮した.このような状況を鑑み,トナーの構成成分より考えられる浮遊化学物質をリストアップし,疫学的及び動物試験等の知見を収集し,これを元に労働衛生管理の対応を検討した事例を紹介する.トナーの主成分のカーボンブラック,及び表面付着物質のナノ粒子である二酸化チタンやアモルファスシリカ,VOCを想定される対象化学物質として,生体影響の文献調査を行った.これらの微細化学物質やVOCのデータを基に,有効な曝露指標の検索,環境曝露や測定法についてまとめた.その結果から,微細粒子またはVOC曝露のバイオマーカーとして高感度CRP,尿中8ヒドロキシデオキシグアノシン,心拍間変動係数が有用であること,加熱印字の際のVOC濃度は低かったこと,ナノ粒子などの微細粒子が発生したこと,微細粒子の測定法として,scanning mobility particle sizer(SMPS)による個数基準計測が多く報告されていることが認められた.これらの結果をふまえ,トナーの印字により発生する付加的化学物質に対する労働衛生管理を展開することが検討されている. (産衛誌2009; 51: 1-10)
著者
佐藤 敏彦 佐藤 康仁 平尾 智広
出版者
公益財団法人 医療科学研究所
雑誌
医療と社会 (ISSN:09169202)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.141-150, 2009

保健医療政策の優先順位付けを行なうために疾患別の疾病負担データは重要である。さらに,今後の政策を策定するには現状の疾病負担のみならず,その将来予測もまた重要となる。本研究では,保健医療政策の施策に資するデータを提供することを目的に,わが国の官庁統計データを用いて回帰モデルにより傷病別の患者数および死亡数の将来推計を行った。その結果,年齢別推計総死亡数は,2010年は116万人,2020年は134万人,2030年は142万人と増加し,85歳以上の死亡割合はそれぞれ38%,51%,59%と顕著な増加を示した。傷病別の死亡数は2005年と同様,将来推計においても,新生物,循環器疾患,呼吸器疾患の順であり,新生物,呼吸器が男女とも大幅な増加を示したが,循環器疾患は心疾患が増加するものの脳血管疾患が減少するためにほぼ横ばいの結果となった。患者調査の入院率と国民生活基礎調査の通院率を用いて推計した全患者数は2005年に4,273万人であるのに対し,2010年,2020年,2030年には,それぞれ4,417万人,4,556万人,4,480万人であった。65歳以上の割合は2005年からそれぞれ,40%,44%,53%,56%と2020年以降は総患者の過半数を占めた。患者調査データを元にした傷病別推定患者数において2005年から2030年に増加を示したのは感染症(32%増),気管・気管支・肺がん(98%増),糖尿病(38%増),認知症(105%増),統合失調症(32%増),神経系疾患(138%増),高血圧(25%増),肺炎(210%増),脊柱障害(51%増),腎疾患(51%増),前立腺肥大(111%増)等であった。一方,減少を示したのは胃がん(58%減),虚血性心疾患(67%減),脳血管疾患(49%減)となった。国民生活基礎調査の通院率より推計した傷病別患者数はいずれも患者調査に基づく推計値を大幅に上回ったが,糖尿病,認知症,高血圧,脳血管疾患が2~3倍であるのに対し,通院率を用いた推計では増加傾向を示した狭心症・心筋梗塞は4倍~10倍以上にまで,その差が広がる結果となった。その原因として,実際には多くの患者は自己中断や延期をすることや,計算式に用いる平均診療間隔が実態と乖離していることなどがあるものと思われた。
著者
和田 耕治 森山 美緒 奈良井 理恵 田原 裕之 鹿熊 律子 佐藤 敏彦 相澤 好治
出版者
公益社団法人日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.103-109, 2007-05
被引用文献数
5

慢性疾患は労働者の仕事の生産性に影響を与える.本調査は関東地方にある事業場の労働者を対象にして慢性疾患による仕事の生産性への影響の評価として,慢性疾患の有訴率,慢性疾患の影響として労働障害指数,欠勤による損失労働時間を測定することを目的とした.関東地方にある4つの製造業の事業場における労働者544名を対象に2006年4月から6月の定期健康診断の際にStanford Presenteeism Scaleの日本語版を配布した. 433名(回答率79.6%)から有効な回答を得た.48.9 %の労働者が,なんらかの慢性疾患が仕事の生産性に影響を与えたと回答した.最も仕事の生産性に影響を与えていた慢性疾患のうち,有訴率が高かったのは,「アレルギー」(13.3%),「腰痛・首の不調」(9.7%)であった.労働障害指数が高かった慢性疾患は,「うつ病・不安又は情緒不安定」と「偏頭痛・慢性頭痛」であった.最も影響を与えていた慢性疾患で欠勤により損失した労働時間の総計は,対象労働者の総労働時間の1.4%であった.欠勤による損失労働時間の高かった疾患は「アレルギー」,「腰痛・首の不調」,「うつ病・不安又は情緒不安定」であった.こうした結果をもとに,生産性に影響を与える疾患に対しての対策を講じることが可能となる.
著者
佐藤 敏彦
出版者
日本獣医がん学会
雑誌
日本獣医がん学会雑誌 (ISSN:18843344)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.24-28, 2014-12-26 (Released:2014-12-26)
参考文献数
23

多中心型リンパ腫の犬の治療において静脈内に塩酸ドキソルビシンを点滴投与したところ、血管外漏出が発生した。漏出した塩酸ドキソルビシンの推定量は2-3㎎であった。塩酸ドキソルビシン漏出より10時間後、デキスラゾキサンを100㎎静脈内点滴投与し、さらにその12時間後、50㎎を同様に投与した。漏出から7日後、局所皮膚にはほとんど変化がみられなかったが、21日後には局所の色素沈着がみられた。皮膚の潰瘍化や壊死はみられなかった。塩酸ドキソルビシンの漏出に対するデキスラゾキサンの投与量や投与時期は明確になってはいないが、漏出量が少量であれば10時間後でも効果が期待できると考えられた。
著者
佐藤 敏彦 信田 卓男 圓尾 拓也 川村 裕子 山田 徹 伊藤 哲郎 武田 晴央 杉山 大樹 石川 剛司 斑目 広郎 茅沼 秀樹 菅沼 常徳
出版者
日本獣医がん学会
雑誌
日本獣医がん学会雑誌 (ISSN:18843344)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.20-24, 2012-12-19 (Released:2012-12-19)
参考文献数
17

人の肺癌では、腫瘍随伴症候群として好中球増加症や単球増加症を伴う白血球増加症が報告されている。しかしながら、犬では腫瘍随伴性白血球増加症の報告は少ない。今回、初診時の血液検査にて好中球を主体とした白血球増加症を示した犬に対し、種々の検査を行った結果、巨大肺腫瘤を認め、肺腫瘤の摘出術を行った。術後の病理組織学的検査にて肺腺癌と診断されたが、腫瘍の摘出とともに劇的な好中球数の回復がみられ、肺癌による腫瘍随伴性白血球増加症と診断した。
著者
佐藤 敏彦 清水 宏昭
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.159-162, 2005-03-01

弊社ではサプライチェーンマネジメント改革の推進により, 旧来の押出し(プッシュ)型の生産方式を需要の変動に即応できる引っ張り型(プル)型の生産方式に革新し, 主力製品の市場競争優位性の維持と基盤強化を達成することができた.また, この改革の推進により製品の納入リードタイムの短縮, および仕掛りの圧縮と継続的な適正維持による棚卸し資産の回転率向上を実現し, キャッシュフローの改善に貢献できた.