著者
本間 幸子 伊藤 昭治 古藤 高良 池上 晴夫
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.98-107, 1992-02-01 (Released:2010-09-30)
参考文献数
23
被引用文献数
2 6

加速度脈波と血圧の関係および加速度脈波の各波の生理的な意義を明らかにすることを目的として, 男子学生5名を対象に, 上腕圧迫によって末稍血流が変化する際の指尖容積脈波, その二次微分波および指動脈圧波をbeat-by-beatに測定した.得られた結果は以下の通りであった.1.収縮期血圧の上昇によって加速度脈波のa波は上昇し, bおよびe波は下降するのに対して, 拡張期血圧の増大によってa波は下降し, bおよびe波は上昇する傾向にあった.また加速度脈波は細動脈弾性率によっても大きな影響を受け, 弾性率がノ1丶さいほどa波は上昇し, bおよびe波は下降する傾向にあった.2.加速度脈波のcおよびd波は収縮期血圧の上昇によって下降し, 拡張期血圧および細動脈弾性率の増大によって上昇する傾向があるが, それらの3要因では十分に説明できず, ほかに影響をおよぼす要因の存在が示唆された.3.収縮期血圧が上昇する場合でも, それが血流量の増加に起因する場合には加速度脈波の波形パターンはG→Aに変化するのに対し, それが末梢抵抗の増加に起因する場合にはA→Gに変化するものと考えられた.これらの結果から加速度脈波と血圧の関係は単純でなく, 血圧構成因子である血流量や末梢抵抗によって大きく影響される.したがって加速度脈波と血圧を併せて測定することが末稍循環状態をより正しく評価する上で有効であると考えられる.
著者
加藤 ひろの 伊藤 昭治 西尾 恵一 村林 麻紀 脇坂 さおり
出版者
日本図書館研究会
雑誌
図書館界 (ISSN:00409669)
巻号頁・発行日
vol.65, no.6, pp.362-375, 2014-03-01

日本社会の高齢化が進む今,公共図書館では高齢者の利用増加や高齢者サービスの必要性が語られるが,その一方で高齢者サービスの理念や手法が現場で確立しているとはまだ言い難い。そこで,高齢者サービスには何が必要なのか探るため,公共図書館での高齢者の利用実態やニーズを知ることを目的として,都市近郊と地方の双方から対象館を選び,統計分析や図書館訪問調査を行った。その結果,高齢者の利用は人口構成比と比べればまだ少ないこと,利用実態としては小説の利用の多さなどに特徴はあるが,地域性や性別などにより異なり多様であること,などが分かり,一人一人に細やかに応えるサービスの必要性が明らかになった。