著者
深町 珠由 伊藤 由香 中川 正宣 前川 眞一
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.123-139, 2004 (Released:2004-04-16)
参考文献数
22

従来の相互作用論におけるパーソナリティは質問紙法で測定され,動態的相互作用という時系列変化過程を測定していなかった。本研究は,コンピュータ制御による相手との相互作用過程から動態的個人特性を測定し,従来の質問紙法による静態的指標と比較した。課題では,コンピュータ内の相手が反省エネ行動を繰り返し行う中で,被験者に省エネ行動と相手との友好関係維持という二律背反の目標を与えた。対人協調・非協調行動と対人友好感情評定値の時系列変化を測定し,この2変数相関を個人で求めて動態的個人特性とみなし,得点から高・低群に分類し,各群の代表的時系列特徴を主成分分析で求めた。実験条件には,相手が反省エネ行動を反復することを共通として,相手の攻撃的口調条件と非攻撃的口調条件とを設定した。結果として,対人友好感情評定値の時系列変化が動態的特性の高・低群と各実験条件とで変化傾向が異なり,相手の表面上の口調の影響と,口調と反復される反省エネ行動との一致感の認知の影響を受け,それが時間経過で変化する傾向が示された。動態的指標と静態的指標とを比較したところ,実験条件を通じて一貫した相関は確認されず,動態的指標が質問紙法で測定できない独自の個人特性を表現している点が示された。今後も動態的相互作用に基づく個人特性の測定研究が多くなされる必要がある。
著者
柿元 一樹 井上 栄明 伊藤 由香 田代 啓一朗 大野 和朗
出版者
九州病害虫研究会
雑誌
九州病害虫研究会報 (ISSN:03856410)
巻号頁・発行日
vol.61, pp.49-56, 2015-11-28 (Released:2016-04-22)
参考文献数
33
被引用文献数
5

Effectiveness of conservation biological control against the cotton aphid Aphis gossypii Glover was evaluated in okra Abelmoschus esculentus(L.) Moench. fields at Ibusuki, Kagoshima from May to September in 2014. In a field where broad-spectrum insecticides had been applied frequently, natural enemies did not occur and A. gossypii populations increased rapidly in September. On the other hand, in a field where indigenous natural enemies were conserved and enhanced with selective insecticides and insectary plants (barley and sorghum), natural enemies such as aphid parasitoids, ladybird beetles, hoverflies, predatory gall midges, lacewings, and flower bug, occurred and cotton aphids remained at low density, indicating that conservation biological control can be effective against A. gossypii on okra.
著者
井手口 直子 伊藤 由香里
出版者
日経BP社
雑誌
日経ドラッグインフォメーションpremium
巻号頁・発行日
no.121, pp.PE13-15, 2007-11-10

しつこい咳が続くため、1週間前に、母親に連れられて自宅近くの小児科を受診した2歳4カ月のKくん。小児科医からは、咳に対する対症療法薬として、鎮咳剤のアスベリン(一般名:チペピジンヒベンズ酸塩)と気道潤滑去痰剤のプルスマリン(塩酸アンブロキソール)、気管支拡張剤のメプチン(プロカテロール塩酸塩水和物)の3種類のシロップ剤が処方された。
著者
杉山 道雄 伊藤 由香
出版者
岐阜大学
雑誌
岐阜大学農学部研究報告 (ISSN:00724513)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.221-240, 1988-12-25

ブロイラー経営の経営計画についての研究は極めて少ない。とくに円高による海外産ブロイラーの輸入増大傾向の下でブロイラー価格は低迷し,各ブロイラー経営はコストを国際水準である180円以下に抑えると共に,所得は家族経営の場合でも,専業型では500万円以上,兼業型でも300万円以上,企業型では,利子率以上の利潤を目標としなければならない。本研究では,東海地方の代表的なブロイラー経営を対策としながらも,ブロイラー経営計画策定とその方法の吟味を行ないながら,バセッティングメソッドで,家族経営(専業型,兼業型),企業経営の3タイプ別にコスト及び所得又は収益試算を行なった。本研究によれば専業型家族経営で年間251,230羽出荷4.2回転でコストは175.9円/1kg,所得は6,547, 041円,兼業型家族経営では年間出荷羽数,125,712羽で4.5回転でコストは176.3円/1kg,所得は363,664円を得られる計画である。企業型経営では3,122,280羽出荷4.5回転で,コストは166.9円,年間利益は3,599.1万円となった。これらを策定するには今迄いくつかの前提条件があり,その各々を予め,検討している。