- 著者
-
佐々木 倫子
- 出版者
- 公益社団法人 日本語教育学会
- 雑誌
- 日本語教育 (ISSN:03894037)
- 巻号頁・発行日
- vol.178, pp.21-35, 2021-04-25 (Released:2023-04-26)
- 参考文献数
- 19
本稿は国内の学生・一般成人に対する日本語教育の実践とその研究を採りあげる。はじめに本稿の対象を明確化し,第2章では国内の日本語教育の現状と課題を探るため,ある初級授業例を採りあげる。そして,教師の専門性,組織・機関と目を広げ,現状から(1)データに基づいた,担当教師による自己評価・実践研究,(2)第三者による授業評価,(3)教師の専門性の確立,(4)組織・機関の自己評価能力という4つの課題を挙げる。第3章では,1960 年代から2020 年までの実践と研究の変遷を追う。社会の変化に連動する教育実践と同時期の研究の変遷を踏まえた上で,第4章では今後の教育実践と研究を考える。評価システムが機能する教育実践,ICT を織り込んだ教育実践,ICT を活用した教育研究,が今後の展開として考えられる。