- 著者
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小坂 肇
佐山 勝彦
牧野 俊一
神崎 菜摘
- 出版者
- 独立行政法人森林総合研究所
- 雑誌
- 基盤研究(B)
- 巻号頁・発行日
- 2008
スズメバチセンチュウに寄生されたキイロスズメバチ女王は不妊になることが知られていた。この研究で、スズメバチセンチュウはキイロスズメバチのほかにオオスズメバチとチャイロスズメバチの3種の大型スズメバチに寄生することが明らかになった。また、この線虫は北海道、関東、九州から検出された。さらに、スズメバチセンチュウは次世代のスズメバチ女王の越冬場所で感染することが明らかになった。スズメバチセンチュウは、攻撃性の強いオオスズメバチやキイロスズメバチに寄生すること、日本本土に広く分布している可能性が高いこと、感染場所が明らかになったので人工感染の可能性が開けたこと、を考慮して、この線虫のスズメバチに対する生物的防除素材としての能力は高いと評価した。