- 著者
-
植木 理恵
- 出版者
- 順天堂医学会
- 雑誌
- 順天堂醫事雑誌 (ISSN:21879737)
- 巻号頁・発行日
- vol.59, no.4, pp.327-330, 2013-08-31 (Released:2014-11-26)
- 参考文献数
- 5
皮膚科に求められるアンチエイジングは, しみ, しわ, 白髪, 薄毛である.
薄毛は髪が抜けて数が少なくなる場合と, 毛が細くなる場合と両方の場合がある. 脱毛には (1) 生理的脱毛 (成長と休止を繰り返す毛周期があり, 1日100本以内の脱毛は正常範囲である), (2) 病的脱毛 (1日100本以上の脱毛や, 一部分だけ抜けて生えてこない場合など) の2つに大きく分かれる. 病的脱毛の原因は, 1. 加齢変化, 2. 男性型脱毛症, 3. 先天性脱毛症, 4. 円形脱毛症, 5. 内臓疾患に随伴する脱毛, 6. 皮膚病に伴う脱毛, 7. 薬物や放射線治療などの医原性脱毛, など様々である. 病気ではないが, 薄毛の原因で多いのは加齢変化と男性型脱毛症である. 女性では原因がはっきりしない, 髪の成長が休んでしまう休止期脱毛も少なくない.
正常な髪について知って, 様々な脱毛があることを理解して, 健康で美しい髪で過ごすコツを実践していただきたい.