著者
保田 江美 中原 淳
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.221-240, 2017-02-20 (Released:2017-03-23)
参考文献数
59

本研究の目的は,新人看護師の学習の場として病棟内の看護チームに着目し,看護チームのチームワークが新人看護師の臨床実践能力に及ぼす影響を明らかにすることである.本研究では,5病院の新人看護師とその実地指導者各314名を対象に質問紙調査を実施した.また,質問紙調査の結果を補完するため,中堅看護師と実地指導者計10名に面接調査を実施した.質問紙調査の結果,チームワーク構成要素のうち,1)チーム内で業務量をモニタリングし調整するメンバーの行動,2)対人関係を維持・強化するリーダーシップの発揮,3)メンバーへの的確な指示・指導を行うリーダーシップの発揮,4)チーム内の対人関係の良好さ,が新人看護師の臨床実践能力を高めることが明らかになった.また,新人看護師の臨床実践能力向上に資するチームワーク形成の基盤として,チーム内で発揮されるリーダーシップの重要性が示された.面接調査ではこれらの結果を補足する発話を得た.
著者
舘野 泰一 中原 淳 木村 充 保田 江美 吉村 春美 田中 聡 浜屋 祐子 高崎 美佐 溝上 慎一
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.1-11, 2016-06-20 (Released:2016-06-17)
参考文献数
27

本研究では,大学での学び・生活が就職後のプロアクティブ行動にどのような影響を与えているかを検証するために質問紙調査を行った.本研究の特徴は2点ある.1点目は縦断調査という点である.近年,大学教育において「学校から仕事への移行」に関する調査研究は増えてきているが,その多くは振り返り調査という限界があった.2点目は,就職後のプロアクティブ行動に着目した点である.プロアクティブ行動とは,個人の主体的な行動のことであり,近年大学教育で議論されてきた「主体的な学び」の成果に関連が深い.しかし,これまでその影響について検証されてこなかった. 共分散構造分析を行った結果,1.授業外のコミュニティを持っている学生,2.大学生活が充実している学生ほど,就職後にプロアクティブ行動を行っていることが明らかになった.
著者
舘野 泰一 中原 淳 木村 充 保田 江美 吉村 春美 田中 聡 浜屋 祐子 高崎 美佐 溝上 慎一
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.1-11, 2016

本研究では,大学での学び・生活が就職後のプロアクティブ行動にどのような影響を与えているかを検証するために質問紙調査を行った.本研究の特徴は2点ある.1点目は縦断調査という点である.近年,大学教育において「学校から仕事への移行」に関する調査研究は増えてきているが,その多くは振り返り調査という限界があった.2点目は,就職後のプロアクティブ行動に着目した点である.プロアクティブ行動とは,個人の主体的な行動のことであり,近年大学教育で議論されてきた「主体的な学び」の成果に関連が深い.しかし,これまでその影響について検証されてこなかった. 共分散構造分析を行った結果,1.授業外のコミュニティを持っている学生,2.大学生活が充実している学生ほど,就職後にプロアクティブ行動を行っていることが明らかになった.
著者
石山 恒貴 保田 江美
出版者
医学書院
雑誌
看護管理 (ISSN:09171355)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.16-22, 2018-01-10

国は人生100年時代構想会議を発足し,いつでも学び直すことができ,誰もがいくつになっても新たな活躍の機会に挑戦できる環境を整備するとしている。人生100年時代を展望し,これまでのキャリアの棚卸しや新たな学びを模索している読者も少なくないのではないか。 石山恒貴氏は,これからの働きかた,新たなキャリア開発,成人学習などの方法論として,本業以外の場に越境し社会活動などを通じて新たな学びを得る「パラレルキャリア」を提唱している。「ひとつの組織だけの学び」では変化に対応できない時代に,外での学びは本業にも活かせるだろう。 本対談では,看護部組織における職場学習やリーダーシップについて多角的に研究してきた保田江美氏が,パラレルキャリアの概念や多様な可能性について,石山氏に聞いた。