著者
棚次 亘弘 成尾 芳博 倉谷 健治 秋葉 鐐二郎 岩間 彬 TANATSUGU Nobuhiro NARUO Yoshihiro KURATANI Kenji AKIBA Ryojiro IWAMA Akira
出版者
宇宙科学研究所
雑誌
宇宙科学研究所報告. 特集: 液水/液酸エンジンの開発研究報告 (ISSN:02859920)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.55-106, 1983-03

The Institute of Space and Astronautical Science (ISAS) has developed the two thrust level of LH_2/LOX propulsion system; one is the 7-ton thrust level one and the other is the 10-ton thrust level one. The 7-ton thrust level engine was aimed at usimed at using for the second stage of the Mu vehicle. And the 10-ton thrust level engine is planned to back up the H-1 project being performed by the National Space Development Agency (NASDA). The both engines are the gas generator cycle which consists of the tubular wall thrust chamber, the "ISAS Arrangement" turbopump, the "reverse-flow" type gas generator and the solidpropellant turbine spinner. The development of the 7-ton thrust level engine has started in 1976. By 1980 have almost finished the development tests of its major components. In early 1980 the engine system has been integrated and then the verification tests have been carried out. On the other hand, the development study of the 10-ton thrust level engine started in 1979. In midyear 1981 the engine system has been completed. The both engines were combined with the battle-ship type of tank system, and stage firing tests were carried out successfully from Sep. 1981 through Apr. 1982. The 7-ton thrust level engine worked well within the range from 78% to 1l8% of its rated power. And the 10-ton thrust one worked well within the range from 75% to ll3%. In the present paper, an outline of the LH_2/LOX engine systems developed in ISAS, the progress in the establishing of an operation of engine systems and the performance capability of two systems are described.
著者
棚次 亘弘 成尾 芳博 倉谷 健治 秋葉 鐐二郎 岩間 彬
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙科学研究所報告. 特集 (ISSN:02859920)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.55-106, 1983-03

The Institute of Space and Astronautical Science (ISAS) has developed the two thrust level of LH_2/LOX propulsion system; one is the 7-ton thrust level one and the other is the 10-ton thrust level one. The 7-ton thrust level engine was aimed at usimed at using for the second stage of the Mu vehicle. And the 10-ton thrust level engine is planned to back up the H-1 project being performed by the National Space Development Agency (NASDA). The both engines are the gas generator cycle which consists of the tubular wall thrust chamber, the "ISAS Arrangement" turbopump, the "reverse-flow" type gas generator and the solidpropellant turbine spinner. The development of the 7-ton thrust level engine has started in 1976. By 1980 have almost finished the development tests of its major components. In early 1980 the engine system has been integrated and then the verification tests have been carried out. On the other hand, the development study of the 10-ton thrust level engine started in 1979. In midyear 1981 the engine system has been completed. The both engines were combined with the battle-ship type of tank system, and stage firing tests were carried out successfully from Sep. 1981 through Apr. 1982. The 7-ton thrust level engine worked well within the range from 78% to 1l8% of its rated power. And the 10-ton thrust one worked well within the range from 75% to ll3%. In the present paper, an outline of the LH_2/LOX engine systems developed in ISAS, the progress in the establishing of an operation of engine systems and the performance capability of two systems are described.
著者
棚次 亘弘 成尾 芳博 丸田 秀雄 秋葉 鐐二郎 倉谷 健治
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙科学研究所報告. 特集 (ISSN:02859920)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.13-54, 1983-03

宇宙科学研究所は昭和51年から行ってきた液水/液酸ロケット開発における最終段階の試験としてステージ燃焼試験を行った。ステージ燃焼試験は最初に7トン級エンジンと小形厚肉タンクシステムを用いて, 次に10トン級エンジンを用いて行った。これらのエンジンは昭和55年と56年にそれぞれ確認試験を行っている。ステージ燃焼試験は昭和56年10月から昭和57年4月に3期に分けて8回実施し, ステージシステムが計画した性能で自立運転状態になることを確認した。また, ステージシステムの起動と停止シーケンス, およびシステムの予冷運転の方法が確立され, タンクの推進剤を過不足なく消費するためのPU制御も試みられ良好な結果が得られた。
著者
倉谷 健治 尾上 伍市 土屋 荘次
出版者
東京大学航空研究所
雑誌
東京大学航空研究所集報 (ISSN:05638097)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.11-26, 1960-03

推力100kgの硝酸-ケロシン型液体ロケットの地上燃焼実験を二十数回にわたって行なった結果と,ロケットモーターのノズルでの化学平衡の状態を適宜仮定して理論的に求めた燃焼性能に関する諸定数の値との比較検討を主として行なった.熱損失の影響を考慮して求めた理論値は実験値とよく一致していることがこの解析から結論される.
著者
倉谷 健治
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙科学研究所報告 (ISSN:02852853)
巻号頁・発行日
vol.90, pp.1-28, 1997-02
被引用文献数
1

高温での炭化水素と窒素よりHCNを生成する過程を電算機シミュレーションした。適切な素反応群と反応速度定数とを用いればよいのであるが, 実験値は僅かであるのに対し, 計算に用いられる反応式, 速度定数は多数で任意性が極めて高く, 何らかの規制を加えないと, 極言すればどうにでも実験値と符合させることが可能である。このうち反応式は原系から生成系に至ると考えられる反応を一旦網羅し, 感度解析を行って不要なものを削除すればよいのであるが, この際, 反応式が素反応であるか, 逆反応が平衡定数から精確に算出可能であるかが大きな問題である。素反応性を確認する方式が確立されていないし, 多数の文献でも多くの矛盾が見られるので, 怪しい反応を取り込むことを避けるのが望ましい。また, 素反応として, 平衡定数より逆反応の速度定数を求める場合には生成熱の精確さが重要なので, これにも検討を加えた。一方速度定数についてはBaulchの推薦値があるものはこれを優先第一順位とし, それが見あたらない時にはMiller, その他の推薦値を, さらにそれも見られない場合には文献に頻出し, 多数の人が採択している速度値を用いることにした。しかし, CH_3+CH_3→C_2H_4+H_2の反応についてはWarnatz説とHidaka説とでは大差があり, その影響も極めて大きいので, ここでは両者を比較検討した結果, Hidaka説に従うこととした。これらの検討の結果, 可逆性に疑問のある場合には正方向のみの反応として, 簡素化を徹底し表8の機構を提案した。
著者
棚次 亘弘 成尾 芳博 長友 信人 岩間 彬 秋葉 鐐二郎 倉谷 健治
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
東京大学宇宙航空研究所報告 (ISSN:05638100)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.859-891, 1980-05

推力7トン級液水/液酸ロケットエンジン用ターボポンプを駆動するガスジェネレーターの設計および試験を昭和52年から実施し,その開発を完了した.このガスジェネレーターはリバースフロー型のものであり,撹拌リング付の球形燃焼室と12個の均一混合比型の同軸インジェクターおよびスタートバルブから構成されている.8回のガスジェネレーター単体での試験および10回のターボポンプとの組合せ試験によって,性能および機能の確認を行った.インジェクター,燃焼室およびタービン部に焼損は認められず,燃焼および混合が良好に行われているものと思われる.現在までの総燃焼時間は204秒である.ここでは,東大宇宙研において開発したガスジェネレーターの設計諸元,試験設備および試験結果を報告する.
著者
荻原 妙子 土屋 荘次 倉谷 健治
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
東京大学航空研究所集報 (ISSN:05638097)
巻号頁・発行日
vol.3, no.5, pp.260-277, 1963-03

二酸化窒素によるポリエチレンの酸化反応について.赤外線吸収スペクトルによって反応生成基の確認と反応機構についての研究を行なった.フィルム試料と二酸化窒素を封入した反応容器を温度調節したシリコン浴中に浸し,反応を行なった.反応後,フイルム試料を赤外線分光器によって4000〜400cm^<-1>の範囲のスペクトルを測定した.酸化ポリエチレンに新しく出現した吸収帯の帰属を行なうために,いくつかの有機硝酸エステル,亜硝酸エステルなどを合成し,その赤外線吸収スペクトルを測定した.これらのスペクトルと,酸化反応後の試料フイルムを種々な条件で処理した際に生ずるスペクトル変化などの比較によって,ニトロ基,亜硝酸基,硝酸基,カルボニル基,水酸基の生成を確認した.以上の反応生成基のある一定温度(100℃)における量的な時間変化を測定すると,反応初期にはまずニトロ基と亜硝酸基が現われ,その生成量の比は約2:1である.ニトロ基は反応時間の経過と共に単調に増加するが,亜硝酸基はある時間後に極大値に達し,減少し始める.それと同時に硝酸基.カルボニル基,水酸基の吸収が現われ,増加し始める.これらの事実より,次の反応機構が結論される.酸化反応は,ポリエチレン内に生成した反応活性点に二酸化窒素のN原子が付加することによってニトロ基が,O原子が付加することで亜硝酸基が生成することから開始する.反応後期においては,ニトロ基は安定で,亜硝酸基が更に分解を受けて硝酸基,カルボニル基,水酸基などを生成する.反応初期に生成する反応活性点は,二酸化窒素によるポリエチレン主鎖からの水素原子の引き抜き反応によって生じた遊離基である.しかし,室温下の反応ではこの水素引き抜き反応は起らず,ポリエチレン内に残存する二重結合,遊離基などと二酸化窒素との付加反応が主反応である.水素引き抜き反応に対する測定された活性化エネルギーは,14kcal/moleであった.