著者
八田 秀雄
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.11, no.10, pp.47-50, 2006-10-01 (Released:2009-12-21)
参考文献数
2
著者
八田 秀雄
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.8-10, 2010 (Released:2010-04-16)
参考文献数
5
著者
八田 秀雄 高橋 祐美子
出版者
国際タウリン研究会
雑誌
タウリンリサーチ (ISSN:21896232)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.37-39, 2016 (Released:2019-11-11)

タウリンが持久的運動後のエネルギー代謝に与 える影響を検討した。マウスに 25m/min の速度で 90 分のトレッドミル走行を行わせ、運動直後にタ ウリンを与えた条件で自由運動を行わせたところ、 回復 3 時間までの総自由運動量がタウリン投与群 で水投与群より有意に高かった。そこでタウリンが 持久的トレーニング運動後の代謝に対して影響を 与え、疲労回復を促進する可能性が高いことがわか った。これを受けて同じ 90 分間の持久的運動後に タウリンを与えて安静を保ち、回復期に筋など組織 を採取して検討した。その結果、回復 2時間におけ る前脛骨筋のグリコーゲン濃度がタウリン群が対 照群よりも有意に高かった。また運動後にグルコー スを与えた条件で回復 1 時間の血中グルコース濃 度の低下がタウリン群で有意に早かった。さらに同 条件での回復 2 時間の前脛骨筋中基質濃度につい てメタボローム解析を行った結果、解糖系の律速段 階の1つであるホスホフルクトキナーゼ以降の中 間基質がタウリンで有意に低かった。したがって持 久的運動後のタウリン投与で筋グリコーゲンの再 合成が促進されることがわかった。そしてこのこと にはタウリンによって糖取り込みの促進や糖分解 の低下が起きていることが関係していることが示 唆された。
著者
跡見 順子 長尾 恭光 八田 秀雄 柳原 大 桜井 隆史
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

本研究は、運動を生み出すための細胞内外の張力伝達構造である細胞骨格及び細胞外基ECMとその分子シャペロン・ストレスタンパク質を中心に、筋・関節、それらの培養細胞を用いて適切・適度な運動の基盤研究を行い、適切適度な運動の評価軸を明らかにした。1)細胞骨格の分子シャペロンαB-クリスタリン(αB)のC末領域:α-crytallin domainが、細胞骨格・チューブリンの熱変性抑制に働く。2)拍動する心筋細胞でGFP-αBは横紋を示し構造タンパク質の動的なケアをしている。3)αBのN末は、MAP-微小管の脱重合抑制効果を示す。4)不活動でコラーゲン特異的分子シャペロンHSP47が減少し、重力負荷で増加する。筋芽細胞でも同じ結果を示す。その応答はきわめて早く新たな重力応答領域が発見される可能性がある。5)2℃の温度の上昇により培養筋細胞の分化促進及び筋の遅筋化の促進がある。6)マイルドなトレッドミル走でラットの膝関節のIII型コラーゲン、ヒアルロン酸合成酵素などECMタンパク質mRNAに変化が観察され細胞環境創成にも適切適度がある。7)座業がちな高齢者ではリン酸化αBはとくに沈殿分画で増加し、ユビキチン化タンパク質が増加、分解が減少している。8)個体レベルでのホメオスタシス維持機構HPA軸末端の副腎で、運動によるグルココルチコイド合成の活動期直前の上昇にはHSP70がシャペロンとして機能することから、細胞・身体の両面での適切適度な運動のマーカーとしてストレスタンパク質が有用である。運動は生命、細胞そのものへの働きかけであることから、とれを理解する教育へ応用するために、東京大学における1年必修授業に「身体運動と生命科学」を導入し、細胞で考えることの重要性、遺伝子との関係性などに関する教育プログラムを作製し導入した。受講者へのアンケート結果から運動の本質的な効果の理解に貢献したことが示された。