著者
上野 和昭
出版者
日本音声学会
雑誌
音声研究 (ISSN:13428675)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.47-57, 2003-04-30 (Released:2017-08-31)

In the historical studies of Japanese accent, especially in those using the written texts, the pitch accent is often described with the discreet levels. Since this 'level' view is sometimes subject to criticism, I review the discussions concerning the notions such as 'tone-bearing units' or 'compound accent' and examine their validity. The purpose is not to argue against the 'non-level' view, but to develop further the insights obtained both by the level and non-level approaches. The discussion here would contribute toward establishing the method of the historical research of Japanese accent which is more practical both for the text and field researches and which at the same time can approach the true nature of Jananese accent.
著者
上野 和昭
出版者
早稲田大学国文学会
雑誌
国文学研究 (ISSN:03898636)
巻号頁・発行日
vol.66, pp.73-83, 1978-10-30
著者
秋永 一枝 上野 和昭 坂本 清恵 田中 ゆかり 松永 修一
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

「複合メディアによる東京弁アーカイブの構築と電子的公開」の目的は、旧来の研究では埋もれてしまう可能性のあった東京弁としての貴重な一次資料を、汎く利用できるような形にして蘇らせようとするものである。秋永の聞き取りによるアクセントなどの言語情報が付加した自然度の高い談話資料として、文字化データと音声データをセットで利用できるよう電子化し、談話資料、アクセント資料、東京方言語彙資料のデータベースとしても利用できる基礎資料を完成させることができた。
著者
上野 和昭
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.16-30, 2009-10-01

中世後期から近世前期の複合名詞(和語{2+3構造})アクセントを、『平家正節』と「近松世話物浄瑠璃譜本」をもとに調査し、その結果を分析してみたところ、古代からの伝統をひくHHHHL(H4)型とHHLLL(H2)型とを基本とする体系から、近世前期にはH2型に統合しつつあったことがわかった。この段階では、複合名詞と前部成素との間の「式一致」はほとんどあらわれておらず、後部成素による複合名詞アクセントへの関与も認められない。このような同時代的要素が複合名詞アクセントに明確になるのは、史的変遷の過程としてみれば、「近松」の段階よりも後のことである。それ以後については、近畿中央式諸方言とも関連づけて、中世後期以降現代京都にいたる複合名詞アクセントの史的変遷を追ってみた。
著者
秋永 一枝 兼築 清恵 鈴木 豊 佐藤 栄作 上野 和昭 金井 英雄
出版者
早稲田大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1987

未発表資料索引の刊行作業は、「アクセント史資料索引」として、昭和62年度に秋永一枝・後藤祥子編『袖中抄声点付語彙索引』(6号)、鈴木豊編『日本書紀神代巻諸本声点付語彙索引』(7号)、昭和63年度に坂本清恵編『近松世話物浄瑠璃胡麻章付語彙索引』(8号)、金井英雄編『補忘記語彙篇博士付和語索引』(9号)を編纂、刊行した。また、上記資料刊行とともに、研究分担の資料調査に伴う問題点や研究を発表した。秋永は、「袖中抄」「古今集」の声点とアクセントに関する論考を4篇発表。上野は「平曲譜本」の記譜とアクセントに関する論考を2篇。坂本は「近松浄瑠璃本」の記譜とアクセント、義太夫節のアクセントに関する論考を4篇発表。鈴木は「日本書紀私記」「古語拾遺」の声点に関する論考をそれぞれ発表した。(裏面記載の論文)また、これまでに発表してきたアクセント史索引を総合的にコンピュ-タで検索できるよう「国語声調史資料索引集成」の編纂作業を行ってきた。これまでにコンピュ-タ入力を終了し、今後資料の追加や校正作業を進め、多くの人に利用の便を計るよう研究作業を続ける予定である。以上の史的アクセントの研究と同時に、アクセント史解明に不可欠な日本諸方言アクセントの調査と位置付けに関する研究を行った。昭和63年度に佐藤栄作編『アクセント史関係方言資料』として、テ-プ2巻と活字資料集を刊行した。また、佐藤が高松アクセントについての論考を発表した。以上のように、文献からのアクセント史解明の研究と、方言からのアクセント史解明へのアプロ-チを進め、成果をあげることができた。
著者
秋永 一枝 上野 和昭 坂本 清恵 田中 ゆかり 松永 修一
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

この研究は、秋永が行なった調査【東京旧市内(旧15区)を生育地とする話者の】録音資料をアーカイブ化し、汎く利用できる言語資料の作成も大きな目標の一つであった。劣化の危険性があった200本近い様々なメディアに記録された音声資料はすべてデジタル化しCD-ROMとハードディスクに保存を完了した。平成15(2003)年度には、アーカイブ化のテスト版をWeb形式で作成し国語学会において発表した。これは文字化資料の一部に付した「音声資料(アクセント、母音の無声化,訛音など)」「音響分析資料(音声波形・ピッチ曲線・スペクトログラム)」、「語義等解説資料」、「発音者生育地」が表示できるよう作成した。平成16(2004)年度は、(1)東京語音声の文字化(2)音韻情報・音声的情報の付加、(3)音声データの正規化とセグメントといった作業を中心に研究を進めた。(1)では、東京弁音声のデジタル化データを元に35名分の文字化を完成した。(2)では、秋永によるアクセントの聞き取り、無声化・ガ行鼻音化などの音声的特徴の情報記述を進めた。次に、これらの情報を(1)の文字化データに付加する作業を行なった。文節のセグメント・記号の付加作業が終了した後、HTML化、PDFファイル化を行なった。生育地が下町である話者を中心に12名分のデータ、約600ページ分の資料を完成させ、資料との音声リンクを行なった。平成17年度(最終年度)では文字化資料を中心とした報告書を作成。本資料はCD-ROMも同時に完成させ、公開可能な状態にすることができた。
著者
秋永 一枝 兼築 清恵 上野 和昭
出版者
早稲田大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1985

「アクセント史資料索引」として、昭和58年度に秋永一枝編『言語国訛竹柏園旧蔵本影印ならびに声譜索引』(第1号)、昭和59年度に上野和昭編『御巫本日本書紀私記声点付和訓索引』(第2号)、秋永一枝編『永治二年本古今和歌集声点住記資料ならびに声点付語彙索引』『顕昭 後拾遺抄注・顕昭 散木集注声点注記資料ならびに声点付語彙索引』(合綴、第3号)にひき続いて、昭和60年度『古語拾遺声点付語彙索引』『乾元本日本書記所引日本紀私記声点付語彙索引』(合綴、第4号)を秋永の指導のもとに鈴木豊が編纂・刊行・昭和61年度、『近松世話物浄瑠璃胡麻章付語彙索引体言篇』(第5号)を共同研究者兼築が編纂・刊行した。また、上記資料刊行とともにそれぞれ資料の調査に伴う問題点や研究を以下のように発表した。秋永は「「やまとうた」と「やまとうり」」・「古今集声点本における形容詞のアクセント」の古今集声点本に関する論考2篇を発表した。共同研究者上野は平曲譜本に関する論考を、兼築は義太夫節正本に反映したアクセントについての論考を発表した。(裏面記入の論文)以上の史的資料の研究と同時に、アクセント史解明に不可欠の日本諸方言アクセントの調査の一環として、秋永が、四国、瀬戸内海島嶼の調査を、上野が、高松、徳島、京都、大阪の、兼築が大阪の調査を行った。うち、秋永が「愛媛県魚島における老年層のアクセント」「魚島アクセントの変遷」を発表した。また、池田要氏調査の京都、大阪アクセント資料を『日本国語大辞典』記載の京都アクセント注記と同じ形に直し、50音順に並べる作業を、研究分担者全員と、鈴木豊,佐藤栄作で行い、刊行の準備とした。
著者
秋永 一枝 兼築 清恵 佐藤 栄作 上野 和昭 鈴木 豊
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

1 すでに刊行した『日本語アクセント史総合資料 索引篇』(秋永一枝ほか編 1997.2東京堂出版、以下『索引篇』)所載のアクセント史データを分析して、その基礎的・応用的研究を行い、これを公表した。(1)『索引篇』に掲載した資料の書誌、アクセント史資料としての価値、ならびにその利用方法などについて研究し、公表した。(秋永・上野・坂本・佐藤・鈴木編『同 研究篇』1998.2東京堂出版、以下『研究篇』)(2)『索引篇』所載のデータを整理し、名詞・動詞・形容詞について、それぞれアクセントの歴史的変化を類別し、これを「早稲田語類」と名付けて『研究篇』に公表した。また、「早稲田語類」を、従来の「金田-語類」と比較対照して一覧し、テキストデータとして公表した。(坂本・秋永・上野・佐藤・鈴木編『「早稲田語類」「金田-語類」対照資料』フロッピーディスク付き1998.10アクセント史資料研究会)(3)同じく『索引篇』所載データから複合名詞のアクセントデータを抽出し、そのアクセント型や語構成との関係などについて考察した。その成果の一部は『研究篇』に掲載したが、今後も継続的に研究する。2 京阪式アクセントを中心とする現代諸方言アクセントの研究は、上記「早稲田語類」の類別にも生かされているが、とくに京浜アクセントおよび東京アクセントについては、二種類の資料を公表した。(1)『楳垣京都アクセント基本語資料-東京弁アクセント付き-』フロッピーディスク付き(秋永一枝編1998.10アクセント史資料研究会)(2)『池田要 京都・大阪アクセント資料 五十音順索引』(上野・秋永・坂本・佐藤・鈴木編2000.2同)3 索引が未だ刊行されていないアクセント史資料について、その基礎的研究と索引の編纂とを行った。索引の刊行には至らなかったが、それぞれの文献についての基礎的研究はほぼ整い、近く索引も刊行する予定である。
著者
秋永 一枝 兼築 清恵(坂本 清恵) 佐藤 栄作 上野 和昭 鈴木 豊
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

1、以下の諸索引を作成、刊行してアクセント史資料データを増補した。(1)医心方 声点付和訓索引(秋永一枝・坂本清恵・佐藤栄作編2001.8)(2)日本書紀 人皇巻諸本 声点付語彙索引(鈴木豊編2003.3)(3)高松宮本・林羅山書入本和名類聚抄 声点付和訓索引(佐藤栄作編2000.12)(4)平家正節 声譜付語彙索引上・下(上野和昭編2000.12/2001.12)(5)金田一春彦調査京都アクセント転記本(楳垣実京都アクセント記入)(秋永一枝編2001.9)2、『池田要 京都・大阪アクセント資料 五十音順索引』(2000.3アクセント史資料研究会)のデータベースを利用して品詞別に整理し、近現代京都アクセントの諸資料と比較しながら検討した。その結果「池田要 京都・大阪アクセントの注記について-名詞3拍までを中心に-」(坂本清恵)、「複合名詞からみた池田アクセント」(佐藤栄作)、「『池田要 京都・大阪アクセント資料』所載の用言のアクセント」(上野和昭)、「東京アクセントとの比較」(秋永一枝)などの成果を得た。3、方言アクセントの調査研究は京都・東京(秋永)、伊吹島(佐藤)などで実施した。その成果は、『新明解日本語アクセント辞典』(秋永一枝編2001.3)をはじめ、秋永(2002)「東京語の発音とゆれ」・佐藤(2002)「アクセント型の許容からみる伊吹島アクセントの3式-伊吹島と観音寺の中学生の比較-」などの論文に報告された。4、伝統芸能とアクセント史との関係についても坂本(2001a)「胡麻章の機能-近松浄瑠璃譜本の場合」(2001b)「声の伝承-復曲時には何が伝承されるのか-」(2001c)「文字の呪性-仮名遣いという呪縛-」(2002a)「「語り」と「謡い」-義太夫節のアクセントから探る-」(2002b)「近代語の発音-謡曲伝承音との関係-」などの研究報告があった。
著者
上野 和昭
出版者
国語学研究と資料の会
雑誌
国語学研究と資料 (ISSN:03855546)
巻号頁・発行日
no.16, pp.16-25, 1992-12-31
著者
上野 和昭
出版者
早稲田大学国語学会
雑誌
早稲田日本語研究
巻号頁・発行日
no.1, pp.15-25, 1993-03-25