著者
内田 大輔
出版者
日本経営学会
雑誌
日本経営学会誌 (ISSN:18820271)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.51-63, 2016 (Released:2017-10-02)
参考文献数
41

This article investigates how Japanese firms deviate from a diffusing corporate governance practice—holding their annual shareholder meeting in the same date with other firms. Prior to the late of 1990s, despite making it impossible for shareholders who have stocks of multiple firms to attend annual shareholder meetings of firms they invest, such a practice was common among Japanese firms. However, after the late of 1990s, some Japanese firms have deviated from the diffusing practice by changing their annual shareholder meeting date. In this article, using a longitudinal dataset on the annual shareholder meeting of the Japanese firms in the period of 1995 through 2004, I examine the antecedents of the deviant behavior by Japanese firms and find (1) that foreign shareholders encourage firms to deviate from the practice, (2) that organizational misconduct (in this context, payoff scandals) leads to deviation from the practice not only by perpetrators of payoff scandals but also by industry bystanders—firms that do not involved in the payoff scandals but are in the same industry as perpetrators, (3) that as the number of deviations in the same industry increases, firms are more likely to deviate from the practice.
著者
内田 大輔
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.55-68, 2016-12-20 (Released:2017-08-28)
参考文献数
51

本稿は,株主による企業への関与が,株主総会への参加という手段を通じて,どのように生じているかを検討した.1984年から2014年における日本企業の株主総会を事例に実証分析を行った結果,(1)企業パフォーマンスの低下は,株主総会への出席者数には影響を与えない一方,株主総会での質問者数を増加させること,(2)関与の手段の利用可能性の向上は,株主総会の出席者数および質問者数の両方を増加させることが明らかにされた.
著者
内田 大 岡本 龍児
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.41 Suppl. No.2 (第49回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.1272, 2014 (Released:2014-05-09)

【はじめに,目的】ウォーミングアップの具体的な効果として血流量や皮膚温の増加,神経伝導速度や心理的な興奮水準の上昇,怪我の防止とさまざまな効果があると報告されている。しかし,実際にウォーミングアップを行うことで神経伝導速度の変化について明らかになっていない。よって今回,ウォーミングアップを行うことで,ウォーミングアップにおける神経伝導速度の変化を研究し,実際にどの程度ウォーミングアップを行えばよいか,運動時間を把握することを目的とした。【方法】対象者は健常大学生男性:10名(年齢:20.5±1.0歳,身長:173±4.4cm,体重:62.2±7.2kg,BMI:20.76±2.5kg/m²)とした。事前に研究の趣旨と内容を説明し,同意を得て測定した。神経伝導速度の変化は誘発電位・筋電図検査装置(MEB-2208日本光電)を用い,記録電極を小指球(小指外転筋)の中間部と小指基節骨基部に表面電極を装着し,アースは手背面に装着した。尺骨神経の遠位側刺激部位(T1)として手関節近位部,また,近位刺激部位(T2)として上腕内側上顆付近と設定した。刺激強度はM波の振幅が増大しなくなる最大刺激より更に15~20%程度強い刺激である,最大上刺激を用いた。ウォーミングアップではトレッドミル(WOODWAY社製)を使用し,ウォーミングアップを行った。走行では,トレッドミルの歩行速度及び負荷量はポラールスポーツ心拍計(polar社製S810i)を用い,心拍数が110~120回/分となるよう設定し30分間行った。運動前~運動終了後5分後までを測定した。走行5分ごとに尺骨神経の神経伝導速度の測定を行い,迅速な測定が必要となるため,アースや電極は装着しながら行った。なお,室温は26℃と設定した。統計処理は統計ソフトJSTATを用い,神経伝導速度において一元配置分散分析反復測定法を使用した後,多重比較検定(Bonferroni法)を使用した。なお,有意水準は5%未満とした。【倫理的配慮,説明と同意】計測に先立ち,全対象者に文章及び口頭にて研究の趣旨を説得し,同意書へ署名をもって同意を得た。なお,本研究計画は国際医療福祉大学の倫理審査会の承認(番号13-30)を得ている。【結果】神経伝導速度では,運動前55.7±4.3(m/s),運動5分後57.0±4.4(m/s),運動10分後57.0±4.8(m/s),運動15分後57.6±5.4(m/s),運動20分後56.6±5.4(m/s),運動25分後56.0±5.2(m/s),運動30分後55.0±4.9(m/s),5分休息後56.2±4.6(m/s)であった。神経伝導速度は,運動15分後までは上昇し,その後,運動30分後まで減少し,走行後に5分間休息を挟むと再び上昇した。運動15分後で神経伝導速度は最高となり,運動30分後で最低となった。一元配置分散分析の結果,走行期間に主効果がみられた(p<0.05)。また,多重比較の結果,運動15分後は運動前に比べ有意に上昇し,運動30分後は運動5,10,15分後に比べ有意に低下した。【考察】今回,神経伝導速度は運動15分後まで上昇し,運動20~30分後まで減少し,休息を挟むと再び上昇した。運動15分後が運動前に比べ有意に上昇した原因として,走行による体温上昇が神経伝導速度の上昇に関与していると考える。小村¹)らはトレッドミルでの走行より皮膚温の上昇を報告している。また,湯浅²)らは,皮膚温度は神経伝導速度へ最も影響を与える因子であると報告している。運動30分後が運動5・10・15分後に比べ有意に低下した原因として,走行による疲労が関与している可能性があると考える。運動30分後に5分休息を挟むことで再び伝導速度が上昇したことからも疲労の影響が考えられる。青木³)によると運動が長時間にわたるとシナプスや運動終板における刺激の伝達物質であるアセチルコリンの分泌は低下し,神経衝撃は筋に伝達されにくくなると報告している。走行というウォーミングアップでは,神経伝導速度を上昇させるには心拍数110~120回/分程度の運動強度で15分程度の走行が適切であることが示唆された。【理学療法学研究としての意義】心拍数110~120回/分程度の運動強度で15分程度の走行がウォーミングアップに適していると考えられ,ウォーミングアップを行う際の指標になると考える。