著者
内田 大貴 上手 雄貴 上手 奈美
出版者
公益財団法人 宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団
雑誌
伊豆沼・内沼研究報告 (ISSN:18819559)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.47-55, 2023-07-11 (Released:2023-07-11)
参考文献数
36

木曽川水系に連なる岐阜県のあるため池において,2022 年に国外外来種であるチョウセンブナMacropodus ocellatus が採集された.本種は, “木曽川水系” としての確認記録が残されているものの,都道府県についての記載はなく,岐阜県内と特定可能な本種の移入記録は無い状況であった.したがって,今回の記録は岐阜県初記録かつ,木曽川水系における約60 年ぶりの採集記録と言える.当県における本種の由来の詳細は明らかでないが,国内では生息数を減らしている一方,希少魚として流通している.生息地の状況やこれらの社会的背景から,確認されたチョウセンブナは個人や養殖業者による意図的な放流個体の可能性が考えられた.さらに,この個体群の周辺地域への拡散も懸念されることから,生息状況だけでなく,拡散状況の把握や早期の駆除が必要である.
著者
高野 季樹 内田 大貴 山川 宇宙
出版者
公益財団法人 宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団
雑誌
伊豆沼・内沼研究報告 (ISSN:18819559)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.71-80, 2023-07-11 (Released:2023-07-11)
参考文献数
28

カラドンコはベトナム北部から中国東部を原産地とする純淡水魚である.2010 年に茨城県の菅生沼において国内で初めて確認された国外外来魚であり,利根川本流への分布の拡大が報告されている.このような状況下で,東京都葛飾区の利根川水系江戸川で本種1 個体が採集された.本個体の侵入経路として,既知産地から利根運河を介した江戸川への拡散と,既知産地とは独立した新たな人為的導入の2 通りの経路が考えられた.本種は肉食魚類であることから,在来生態系への影響が懸念されている.今後は本種の継続的なモニタリングを実施するとともに,侵入の初期段階での防除の検討が望まれる.
著者
山川 宇宙 内田 大貴 外山 太一郎 津田 吉晃
出版者
アクオス研究所
雑誌
水生動物 (ISSN:24348643)
巻号頁・発行日
vol.2023, pp.AA2023-14, 2023-08-02 (Released:2023-08-02)

Two warm-water fish species, Eleotris fusca (Bloch and Schneider, 1801) and Sicyopterus japonicus (Tanaka, 1909), and three warm-water decapod crustacean species, Macrobrachium formosense Bate, 1868, M. japonicum (De Haan, 1849), and Varuna sp., were collected from a river in Iwaki, Fukushima Prefecture, Japan. The occurrence of E. fusca represents a new record from the prefecture and the northernmost record for the species. It is likely that M. japonicum overwintered, but the other four species probably dispersed from the south via ocean currents. In recent years, the range of many species has been extending northward due to global warming and thermal discharge. To understand changes in the distribution and habitat of these aquatic animal species, it is necessary to continue monitoring the occurrence of warm-water aquatic animals in coastal areas and rivers in the prefecture.
著者
高野 季樹 内田 大貴
出版者
公益財団法人 宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団
雑誌
伊豆沼・内沼研究報告 (ISSN:18819559)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.81-90, 2023-07-11 (Released:2023-07-11)
参考文献数
25

改良品種である「観賞魚メダカ」については,近年国内における野外放流事例が相次いで確認され,在来の野生メダカの個体群への悪影響が懸念されている.著者らは,千葉県浦安市のビオトープ池において,一般的な野生メダカとは異なる色彩,形態をもつメダカ類44 個体を含むメダカ49 個体を採集した.形態的特徴から,これらはいずれも品種としての価値が低い個体であり,養殖個体群から除去された観賞魚メダカと考えられた.このような観賞魚メダカが流出すると,遺伝的かく乱のみならず感染症や寄生虫の媒介による在来の水生生物への悪影響が懸念される.今後の意図的および非意図的放流防止のためにも,普及啓発が必要である.
著者
山川 宇宙 内田 大貴 小玉 将史
出版者
日本ベントス学会
雑誌
日本ベントス学会誌 (ISSN:1345112X)
巻号頁・発行日
vol.76, pp.13-16, 2021-12-25 (Released:2022-02-11)
参考文献数
10

The anisogammarid amphipod Jesogammarus(Jesogammarus)hinumensis Morino, 1993 has been reported from south of Iwate Prefecture in Japan and Jeju Island in Korea. In this study, one male and one female of J.(J.)hinumensis were collected from the Imaizumi River flowing into the Lake Jusan, in the Tsugaru Peninsula of Aomori Prefecture in northern Honshu, Japan. This is the first record of J.(J.)hinumensis from the prefecture, representing the northernmost record. At the site, J.(J.)hinumensis was found under fallen leaves deposited at the roots of Phragmites australis
著者
舟木 匡志 内田 大貴 久保田 潤一
出版者
公益財団法人 宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団
雑誌
伊豆沼・内沼研究報告 (ISSN:18819559)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.61-77, 2021-06-30 (Released:2021-06-30)
参考文献数
57

狭山丘陵は,埼玉県と東京都の県境に位置する,豊かな自然環境が広がる首都圏有数の丘陵地のひとつであり,現在も豊富な水資源に由来する谷戸やため池,湿地が点在し,多様な水生生物の生息が確認されている.本報告では,2020 年に狭山丘陵の都立公園内の水域で,水生甲虫類と水生半翅類を対象として調査を実施した.その結果,水生甲虫類8 種,水生半翅類13 種の計21 種が採集・確認された.そのうちレッドデータブック東京2013 選定種はヒメガムシ,オオアメンボの2 種であり,東京都初記録がツヤナガアシドロムシの1 種であった.
著者
小和田 侑希 内田 大貴 北村 亘
出版者
アクオス研究所
雑誌
水生動物 (ISSN:24348643)
巻号頁・発行日
vol.2023, pp.AA2023-4, 2023-02-20 (Released:2023-02-20)

The bluegill Lepomis macrochirus, an invasive alien fish species, has been confirmed in the Tsurumi River in Kanagawa Prefecture, Japan. To investigate the impact of the bluegill on native species in terms of predation and competition, the stomach contents of the bluegill captured in the Tsurumi River were analyzed. Invertebrates predominated the stomach contents and no fish species was observed, in which larvae of the insect family Chironomidae were the most abundant, followed by an amphipod Crangonyx floridanus and an insect Micronecta sahlbergii. These results suggest that the bluegill may be exerting a foraging influence on native species.