著者
坂田 桐子 淵上 克義 高口 央 前田 和寛 迫田 裕子 川口 司寛
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究では,フォロワーの自己概念が個人的自己・関係的自己・集合的自己のどのレベルにあるかによって,選好されるリーダーシップや有効なリーダーシップ行動が異なることを実証的に明らかにした。また,変革型リーダーシップ,リーダー・メンバー交換関係,リーダーの懲罰行動,自己犠牲行動という多様なリーダーシップ行動に焦点を当てることによって,フォロワーの自己概念を変化させるリーダーシップのあり方を示した。
著者
長谷川 孝治 浦 光博 前田 和寛 浦 光博 前田 和寛
出版者
信州大学
雑誌
人文科学論集. 人間情報学科編 (ISSN:13422782)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.53-63, 2009-03-15

本研究では,低自尊心者における下方螺旋過程に対する友人関係の進展段階の調整効果が検討された。長谷川(2008)は,低自尊心者の下方螺旋過程の存在について明らかにした。すなわち,低自尊心者は,友人が本当に自分のことを大切に思ってくれているかどうかを繰り返し確認するという安心さがし行動をとり,その結果,その友人から拒絶されているという認知が高まる(肯定的に評価されているという認知が低下する)ことが示された。本研究では,このような不適応な相互作用プロセスは,低自尊心者が二者関係の進展段階を考慮していないために生じると予測し,検討を行った。パス解析による検討の結果,低自尊心者は,つきあいの浅い友人に対して安心さがしを行うほど,友人からの反映的自己評価が低下することが示された。また,親しい友人に対して,低自尊心者が安心さがしを行っても,反映的自己評価の低下は見られなかった。高自尊心者は,友人の親しさに関わらず,安心さがしを行うことが反映的自己評価を下げることはなかった。これらの結果について,アイデンティティー交渉の観点から考察された。
著者
長谷川 孝治 浦 光博 前田 和寛
出版者
信州大学人文学部
雑誌
人文科学論集人間情報学科編
巻号頁・発行日
vol.43, pp.53-63, 2009-03-15 (Released:2015-09-18)

本研究では,低自尊心者における下方螺旋過程に対する友人関係の進展段階の調整効果が検討された。長谷川(2008)は,低自尊心者の下方螺旋過程の存在について明らかにした。すなわち,低自尊心者は,友人が本当に自分のことを大切に思ってくれているかどうかを繰り返し確認するという安心さがし行動をとり,その結果,その友人から拒絶されているという認知が高まる(肯定的に評価されているという認知が低下する)ことが示された。本研究では,このような不適応な相互作用プロセスは,低自尊心者が二者関係の進展段階を考慮していないために生じると予測し,検討を行った。パス解析による検討の結果,低自尊心者は,つきあいの浅い友人に対して安心さがしを行うほど,友人からの反映的自己評価が低下することが示された。また,親しい友人に対して,低自尊心者が安心さがしを行っても,反映的自己評価の低下は見られなかった。高自尊心者は,友人の親しさに関わらず,安心さがしを行うことが反映的自己評価を下げることはなかった。これらの結果について,アイデンティティー交渉の観点から考察された。