- 著者
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高口 央
坂田 桐子
黒川 正流
- 出版者
- 日本グループ・ダイナミックス学会
- 雑誌
- 実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
- 巻号頁・発行日
- vol.44, no.2, pp.83-97, 2005 (Released:2006-02-18)
- 参考文献数
- 28
- 被引用文献数
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本研究では,企業組織において調査を実施し,職場集団内の2名のリーダーによるリーダーシップ機能の分担を吟味するとともに,リーダーが複数存在することと,所属従業員のモラール,帰属意識,およびストレスとの関連を検討した。日常業務に関わる複雑さの認知,集団サイズ,また支社の部署数を状況の複雑性として取り上げた。各集団の2人のリーダーのうち,1人は職制上の管理者(係長,もしくは班長),もう1人は各部署に一名配置されている組合委員とした。有効回答者数8,758名のうち,管理職,組合委員,および出向者を除外した788部署の5,670名(男性4,793名,女性805名,不明72名)を分析対象とした。分担の形態を吟味した結果,管理監督者のみが統合型であるよりも管理監督者と組合委員の2人がともに統合型である部署が多く存在することが確認できた。効果性について,2名がともに統合型である部署が,管理監督者のみが統合型である単独統合型と同等以上の成果を得ていることが示唆された。加えて,状況の複雑性が高い場合に,複数リーダーの有効性が示された。