著者
長谷川 孝治 宮田 加久子 浦 光博
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.45-56, 2007

This study examined the mutual influence processes between self-appraisal on the Internet and actual self-appraisal. Specifically, we researched the discrepancies in each self-evaluation, and how the degree of those discrepancies related to mental health. In a forum on the Internet, a survey with a two-wave panel design was conducted on the Web for mothers with pre-school children who were exchanging childcare information. At the time of each investigation, the actual self-appraisal (SA), the reflected self-appraisal (RSA: participants infer how a significant other evaluates them), the reflected self-appraisal on the Net (RSA-N: participants infer how a significant other in the forum in which they participate evaluates them), and mild depression were measured as an index of mental health. The result showed that the discrepancy betweerl SA and RSA-N was significantly larger than the discrepancy between SA and RSA. We further found that the level of the RSA-N score was significantly lower than that of RSA or SA. However, depression was not influenced by the lowness of the RSA-N score or the discrepancy between SA and RSA-N, but was instead influenced by the lowness of the SA score or the discrepancy between SA and RSA. Moreover, Path analysis found the self-process on the Internet. Specifically, Time 1 SA affected Time 2 RSA; in turn, RSA correlated with RSA-N at Time 2. These results suggested that the self-appraisal on the Internet was formed based on actual self-appraisal by using the Internet about an actual problem.
著者
相馬 敏彦 浦 光博
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.13-25, 2007 (Released:2007-09-05)
参考文献数
41
被引用文献数
4 2 1

本研究において我々は,排他的なサポート関係に影響する要因について検討した。 一般的信頼感(山岸,1998)と,進化論的な理論的枠組みとから,我々は次のように予測した。恋愛関係に所属する者は,個別的な信頼感の影響を統制しても,関係の外部からのサポート取得を抑制するだろう。また,これらの関連は,一般的信頼感の低い者に顕著に認められるだろう。 以上の仮説を検証するために,我々は136人の大学生を対象とした調査を行った。仮説は支持された。一般的信頼感の高い者は,個別的な信頼感を発展させた恋愛関係であっても,その外部にサポート取得することができた。同様の結果は,個別的な信頼感の高い,もしくは低い異性との友人関係では認められなかった。これらの結果は,一般的信頼感の低い者が,恋愛関係に所属したときに,多様なソーシャル・サポート・ネットワークを形成することが困難であることを示唆する。最後に,所属する関係によって,資源交換のされやすさが異なる可能性について考察された。
著者
相馬 敏彦 浦 光博
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.131-140, 2010

Romantic partners often consider their relationship to be distinct from their other relationships. Moreover, it has been shown that this perceived distinctiveness promotes cooperative orientation while individually suppressing uncooperative orientation. How does this perceived distinctiveness of romantic partners affect their adaptation? We conducted a panel survey on two hundred and eighty-five married and unmarried partners. Path analysis and supplemental analyses revealed the working of two independent processes. In one process, the more distinct romantic partners perceive their relationship to be, the more cooperative orientation they can have and the less they suffer violence at the hands of their partner. In the other process, it was found that the more distinct romantic partners perceive their relationship to be, the less uncooperative orientation they can have and the more they suffer violence at the hands of their partner. Further, from the results obtained from this study, we discuss the originality of this study and prevention policies related to domestic violence.
著者
清水 裕 水田 恵三 秋山 学 浦 光博 竹村 和久 西川 正之 松井 豊 宮戸 美樹
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.1-12, 1997
被引用文献数
1

The purpose of our study on the 1995 Hanshin Earthquake was twofold. First, we investigated the operation of the relief shelters, including relief activities. In this part of the study, we focused on the leaders of the shelters. The second purpose of this study was to reveal factors contributing to the effective management of the shelters. About three weeks after the Hanshin Earthquake, we conducted interviews with 32 leaders of the relief shelters and of volunteer workers. We were mainly concerned with the conditions of the emergency facilities, how leaders were selected and what managerial problems they faced. The result of our study showed three types of motivation for becoming leaders. The first occurred naturally as an outcome of their activities; the second by their own choice; and the last because of their regular job positions. These results were analyzed and categorized by the type three quantification analysis. We found that the most effective management of the relief shelters was under leaders chosen by the last method; that is, those who held positions of leadership in their regular jobs.
著者
吉田 綾乃 浦 光博 黒川 正流
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.144-151, 2004

In this study, the authors have paid attention to people's reactions to others' self-derogative presentation. Study 1 indicated that people have the script that a self-derogative presentation would elicit a denial response, such as "I don't think so," from the receivers. Moreover, it was also suggested that the derogator has the tendency to believe that the receiver's reaction has an effect of either maintaining or enhancing self-evaluation. Study 2 suggested that the Japanese would make self-derogative presentations, not only on the basis of interpersonal motivations, but also on the basis of self-affirmative motivations. The necessity of examining the details of the effects of self-derogation and the receivers' reactions was discussed.
著者
柳澤 邦昭 西村 太志 浦 光博
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.89-102, 2010 (Released:2010-08-19)
参考文献数
29
被引用文献数
3 3

本研究では,親しい他者,親しくない他者を選択する際の特性自尊心の影響について,および選択における社会的拒絶の調整効果について,杉浦(2003)の説得納得ゲームを用いて検討した。ゲームは90名の大学新入生を対象に実施した。ゲームの特徴を利用し,説得者が説得した人数を従属変数として,セッション1(S1)とセッション2(S2)の説得者を別々に分析した。その結果,S1の他者選択(すなわちゲーム開始直後)では,高自尊心者は低自尊心者よりも親しくない他者との相互作用を多く選択することが示された。同様の効果は,親しい他者の選択においては認められなかった。このような自尊心の影響に加え,S2の他者選択では,S1納得者の際に他者から相互作用を求められる頻度,すなわち社会的拒絶の経験の有無によって,他者選択が調整されることが示された。特に,拒絶を経験した群において,高自尊心者は低自尊心者よりも親しくない他者を積極的に選択することが示された。このような効果は拒絶を経験していない群においては認められなかった。さらに,親しい他者の選択においても認められなかった。これらの結果を踏まえ,特性自尊心が社会的状況における対人選択に及ぼす影響について,さらに社会的拒絶が及ぼす影響について議論された。
著者
原田 春美 小西 美智子 寺岡 佐和 浦 光博
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.168-181, 2011 (Released:2011-03-08)
参考文献数
27
被引用文献数
2 2

本研究の目的は,支援という枠組みにおける支援者と被支援者との相互作用において専門職支援者が用いた人間関係形成の方法と,その関係形成のプロセスを明らかにすること,さらに,それらを踏まえて,地域の支援の仕組みの望ましい形を提示することである。対象とした支援場面は地域の仕組みづくりであり,そこでの専門職支援者は保健師,被支援者は地域住民とした。データ収集は,市町村に所属する保健師20名を対象として,半構成的面接法を用いて行った。分析は,面接内容の逐語録をデータとし,Modified Grounded Theory Approachを用いて質的・帰納的に行った。分析の結果抽出された37の概念から,【関係づくり前】【内向きの関係づくり】【外向きの関係づくり】【関係の維持と新たな関係開発】【形成された関係の評価】という5つのカテゴリが生成された。ここでの相互作用は,保健師と住民,住民と住民,住民と行政組織や専門職・専門機関等の他者,保健師と他者との関係形成が図られる中で,住民や地域社会の課題を解決するための地域の仕組みを構築しようとする過程であった。また,当初は支援者である保健師が中心となって行っていたことも,関係が形成される中で住民中心へと変化する等,住民をエンパワメントする過程でもあったといえる。人間関係形成と,その形成過程の中で行われる課題解決,住民のエンパワメント,それらの経験の蓄積は,いずれも円環的に結ばれていたと考えられる。
著者
吉田 綾乃 浦 光博
出版者
The Japanese Group Dynamics Association
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.120-130, 2003-03-30 (Released:2010-06-04)
参考文献数
30
被引用文献数
2 2

自己卑下呈示を通じて適応が促進される過程は2つある。ひとつは自己卑下呈示を行うことそれ自体によって適応が直接的に促進される過程であり, もうひとつは自己卑下的に呈示した内容を他者から「そんなことはない」と否定する反応を受け取ることによって, 間接的に適応が促進される過程である。このような影響過程は, 自己卑下呈示規範を内在化する程度によって調整されることが考えられる。自己卑下呈示に対して他者が返す“否定反応”は, 受け手がその呈示を“卑下”として受け取ったことを示している。自己卑下呈示規範内在化高群は, 自己卑下呈示を行う際に否定反応が返されることを当然視しているが, 低群はそのように見なしていない。そのため, 低群にとって自己卑下呈示に対して“否定反応”が返されることが重要であると考えられる。本研究では, 3ヶ月の期間をおいた縦断的な調査において, 自己卑下呈示規範内在化高群では直接的な適応促進効果が見れるのに対して, 低群では間接的な適応促進効果が見られるだろうと予測し, 検討を行った。仮説はおおむね支持された。考察では, 直接的・間接的な効果が, 対人間適応あるいは個人内適応のいずれに影響を及ぼしていたのかを明らかにする必要性について論じられた。
著者
礒部 智加衣 浦 光博
出版者
The Japanese Group Dynamics Association
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.98-110, 2002
被引用文献数
1 1

本研究では, 社会的比較において情報を好ましい意味へと再構築するスキルが劣っているのかもしれないといわれている低自尊心者でも (Taylor, Wayment, & Carrillo, 1996), 優れた内集団成員との比較による脅威から回避することが可能となるのはどのような状況かについて検討した。我々は, 集団間上方比較状況 (内集団が外集団より劣っている状況) では, 低自尊心者でさえ, 優れた内集団成員との比較による状態自尊心の低下が低減されるという仮説をたてた。95名の女性被験者に対し, IQテストを実施した後, 集団間上方比較が有るもしくは無い状況において, 内集団成員の優れたもしくは同等な個人間比較を想像によりおこなわせた。結果は仮説を支持し, 低自尊心者は集団間上方比較状況の無い時において, IQテストで優れた得点を得た内集団成員との比較後は同等比較後よりも状態自尊心が低下していたが, 集団間上方比較条件が有る条件ではこのような差が認められなかった。高自尊心者は, 集団間上方比較状況の有無に関わらず, 内集団成員との上方比較後に状態自尊心の低下はみられなかった。
著者
相馬 敏彦 浦 光博
出版者
The Japanese Group Dynamics Association
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.13-25, 2007
被引用文献数
2

本研究において我々は,排他的なサポート関係に影響する要因について検討した。<br> 一般的信頼感(山岸,1998)と,進化論的な理論的枠組みとから,我々は次のように予測した。恋愛関係に所属する者は,個別的な信頼感の影響を統制しても,関係の外部からのサポート取得を抑制するだろう。また,これらの関連は,一般的信頼感の低い者に顕著に認められるだろう。<br> 以上の仮説を検証するために,我々は136人の大学生を対象とした調査を行った。仮説は支持された。一般的信頼感の高い者は,個別的な信頼感を発展させた恋愛関係であっても,その外部にサポート取得することができた。同様の結果は,個別的な信頼感の高い,もしくは低い異性との友人関係では認められなかった。これらの結果は,一般的信頼感の低い者が,恋愛関係に所属したときに,多様なソーシャル・サポート・ネットワークを形成することが困難であることを示唆する。最後に,所属する関係によって,資源交換のされやすさが異なる可能性について考察された。<br>
著者
川本 大史 入戸野 宏 浦 光博
出版者
日本生理心理学会
雑誌
生理心理学と精神生理学 (ISSN:02892405)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.33-40, 2011-04-30 (Released:2012-02-29)
参考文献数
22

人は他者から受け入れられているかどうかに対して敏感に反応する。社会的排斥は個人の感情や行動に多様な影響を及ぼす。しかし,集団から受け入れられていると感じる状況において他者から選択されなかったときに,排斥と類似した反応が生じるかは不明である。本研究では,そのような小拒絶に対する認知過程について,コンピュータ上で簡単なキャッチボールを行うサイバーボール課題を用い,事象関連電位(event-related potential: ERP)を測定することによって検討した。その結果,投球後約200 ms 後に,参加者に投球されたとき(受容試行)と比較して,投球されなかったとき(小拒絶試行)に,陰性のERP 成分であるfERN が惹起された。fERN は予測より悪かった事象に対して生じることが知られている。本研究の結果から集団の中で他者から選択されないことはネガティブに知覚されることが示唆された。
著者
山浦 一保 浦 光博
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.201-212, 2006

Subordinates sometimes feel dissatisfaction regarding work-related instruction from their superiors. In such situations, what condition facilitates the subordinates' choice of constructive behavior, such as integrative coping? Analysis 1 suggested that the superior-subordinate relationship and the perceived organization system were important factors that affected the subordinates' choice of integrating behavior toward their superiors. The results of analysis 2 supported hypotheses that the degree of incongruence between the subordinates and their superiors on the orientation influenced the subordinates' attribution tendencies to the superior- or relationship-factor, which affected their choice of integrating behavior. These results suggest that it is important to foster interpersonal relationships that can have superiors and subordinates establish communication to share reciprocal orientation and to maintain the organizational environment to support the interaction.
著者
礒部 智加衣 浦 光博
出版者
The Japanese Group Dynamics Association
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.98-110, 2002-04-30 (Released:2010-06-04)
参考文献数
30
被引用文献数
1 1

本研究では, 社会的比較において情報を好ましい意味へと再構築するスキルが劣っているのかもしれないといわれている低自尊心者でも (Taylor, Wayment, & Carrillo, 1996), 優れた内集団成員との比較による脅威から回避することが可能となるのはどのような状況かについて検討した。我々は, 集団間上方比較状況 (内集団が外集団より劣っている状況) では, 低自尊心者でさえ, 優れた内集団成員との比較による状態自尊心の低下が低減されるという仮説をたてた。95名の女性被験者に対し, IQテストを実施した後, 集団間上方比較が有るもしくは無い状況において, 内集団成員の優れたもしくは同等な個人間比較を想像によりおこなわせた。結果は仮説を支持し, 低自尊心者は集団間上方比較状況の無い時において, IQテストで優れた得点を得た内集団成員との比較後は同等比較後よりも状態自尊心が低下していたが, 集団間上方比較条件が有る条件ではこのような差が認められなかった。高自尊心者は, 集団間上方比較状況の有無に関わらず, 内集団成員との上方比較後に状態自尊心の低下はみられなかった。
著者
西田 公昭 浦 光博 桑原 尚史 榧野 潤
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.46-55, 1988-11-25 (Released:2016-11-22)

Two processes intermediating conversation in social interaction of dyadic relationship were examined. In the first process, some antecedent factors such as task situation, interpersonal relationship and personal difference influence on conversation process. In the second process, the conversation influence on some interaction of the dyadic relationship. In our experiment, we set a topic of conversation into a decision making in problem-solving conversation as the task situation. And a degree of intimacy (high or low) as interpersonal factor and combinations of self-monitoring tendency (high-high high-low low-low) as personal factor were manipulated. 112 undergraduates were administrated self-monitoring scale. And 61 dyads were made of them and were measured their degrees of intimacy. After that, they are engaged in conversation about a given topic that is asked to make a decision. And then, they were asked to answer a questionnaire that survey social interaction. The results were as follows; (1) The total numbers of protocols in the conversation were influenced by intimacy. (2) The numbers of protocols which represent the qualitative differences of the conversation were influenced by intimacy and by combinations of self-monitoring tendency. (3) The qualitative differences of the conversation influenced on the cognitions and the evaluations to the conversation process and the partner.
著者
谷口 弘一 浦 光博
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.157-164, 2005 (Released:2006-02-18)
参考文献数
20

本研究は,親子関係の内的ワーキングモデルと友人関係に対する認知が友人関係におけるサポート授受に及ぼす影響について縦断的に検討を行った。242名の高校生が調査に参加し,親の養育態度,親子関係と友人関係の特質,並びに友人関係におけるサポート授受を測定する尺度に回答した。親の養育態度と親子関係の特質が親子関係の内的ワーキングモデルの指標として,友人関係の特質が友人関係に対する認知の指標としてそれぞれ用いられた。調査は,1学期と3学期の2回に渡って実施された。共分散構造分析の結果,関係の初期段階では,親子関係の内的ワーキングモデルと友人関係に対する認知の両方が,友人とのサポート授受に対して直接的な影響を与えていた。一方,関係が長期的になった段階では,親子関係の内的ワーキングモデルの直接的影響は消失し,友人関係に対する認知のみが友人とのサポート授受に直接的な影響を与えていた。
著者
吉田 綾乃 浦 光博 黒川 正流
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.144-151, 2004-11-22 (Released:2017-01-14)
被引用文献数
3

In this study, the authors have paid attention to people's reactions to others' self-derogative presentation. Study 1 indicated that people have the script that a self-derogative presentation would elicit a denial response, such as "I don't think so," from the receivers. Moreover, it was also suggested that the derogator has the tendency to believe that the receiver's reaction has an effect of either maintaining or enhancing self-evaluation. Study 2 suggested that the Japanese would make self-derogative presentations, not only on the basis of interpersonal motivations, but also on the basis of self-affirmative motivations. The necessity of examining the details of the effects of self-derogation and the receivers' reactions was discussed.
著者
中村 佳子 浦 光博
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.151-163, 2000-03-20 (Released:2016-12-15)
被引用文献数
1

The relation between the process of social support and the receiver's trust in a support provider was examined in a longitudinal design. Support receivers were 270-freshmen at university. Support providers were their parents, a new and an old friend. Analysing questionnaires indicates the following: (1) When person was subjected to high stress level, the received support improved the receivers' trust in the providers independent of the source of support. (2) For medium stress level, disparities between the receivers' support expectation and the actual receipt modified their trust in fathers and new friends. (3) The prospective receipt of support was related not only to the previous receipt support and norm on support provision but also the receivers' trust in the providers.
著者
長谷川 孝治 宮田 加久子 浦 光博
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.45-56, 2007-08-01 (Released:2017-02-08)

This study examined the mutual influence processes between self-appraisal on the Internet and actual self-appraisal. Specifically, we researched the discrepancies in each self-evaluation, and how the degree of those discrepancies related to mental health. In a forum on the Internet, a survey with a two-wave panel design was conducted on the Web for mothers with pre-school children who were exchanging childcare information. At the time of each investigation, the actual self-appraisal (SA), the reflected self-appraisal (RSA: participants infer how a significant other evaluates them), the reflected self-appraisal on the Net (RSA-N: participants infer how a significant other in the forum in which they participate evaluates them), and mild depression were measured as an index of mental health. The result showed that the discrepancy betweerl SA and RSA-N was significantly larger than the discrepancy between SA and RSA. We further found that the level of the RSA-N score was significantly lower than that of RSA or SA. However, depression was not influenced by the lowness of the RSA-N score or the discrepancy between SA and RSA-N, but was instead influenced by the lowness of the SA score or the discrepancy between SA and RSA. Moreover, Path analysis found the self-process on the Internet. Specifically, Time 1 SA affected Time 2 RSA; in turn, RSA correlated with RSA-N at Time 2. These results suggested that the self-appraisal on the Internet was formed based on actual self-appraisal by using the Internet about an actual problem.
著者
南 隆男 稲葉 昭英 浦 光博
出版者
慶應義塾大学
雑誌
哲學 (ISSN:05632099)
巻号頁・発行日
vol.85, pp.151-184, 1987
被引用文献数
3

われわれ1人びとりの日常生活は,ロビンソン・クルーソー的に自足的に展開されているのではない.それは,なん人もの他者との関係性のうちに進展しているのである.そして,このこと自体は誰にとっても異論のない自明のことである.しかし,ひととひととの関係性をどう把えどう記述しそこにいかなる意味付与をしていくかについては多くの視角と立場とが存在している.コミュニティ心理学や社会心理学,ひろくは行動科学の領域において,近年にわかに注目を集めだした「ソーシャル・サポート」の論議も,人間の社会関係についてのひとつの"新しい"立場であり,それは「日常の社会関係に包含されている相互援助機能」に焦点をあてている.すなわち,他者から得られる具体的および精神的援助が個人の心身の健康維持と増進に深く関与している可能性に注目するのである.この可能性をめぐって理論的そして経験的な検討がある種の熱気をおびながら遂行されている.アメリカにおいてそれはとくに著しい.わが国においては,実質的な研究がようやくティク・オフしようとしているところである,といえよう.本稿では,そのティク・オフの流れに沿った,ひとつの予備的な探索的試みの結果が「資料」として報告・提示された.(1)ソーシャル・サポートが,(1)所属的サポート,(2)実体的サポート,(3)評価的サポート,および(4)尊重的サポート,の4側面にわたって問題とされた.それぞれのサポートが「実際に得られているのか」ということより.それぞれのサポートを「提供してくれると思われる他者の拡がり」が尋ねられた.いわゆる「ソーシャル・サポート・ネットワーク・サイズ」に焦点があてられたのである.(2)大学生(2年生男女)を対象として質問紙による調査が試みられた.その結果,上記のごとく,ソーシャル・サポート・ネットワーク・サイズを機能別に4つに分けて検討することが現実には難しいことが判明した.すなわち,問題としたサポート・ネットワーク・サイズの4側面には経験的弁別性がほとんど認められなかったのである.測定法をかえてさらに検討してみる必要性があろう.(3)以上から,サポート・ネットワーク・サイズの全体(包括的ソーシャル・サポート・ネットワーク・サイズ)を指標として,まずは人口学的変数との関連が追究された.(1)性,(2)兄弟数,(3)入学経路,(4)居住形態,(5)1ヶ月あたりの"自由に使えるお金",および(6)"恋人"の有無,の6特性との関連が吟味されたが,いずれとも意味のある関連は見い出し得なかった.(4)ついで,(1)大学生活に対する満足の度合い,および,(2)抑うつの程度の2種を基準変数として,それぞれに対して包括的ソーシャル・サポート・ネットワーク・サイズ変数が持つ規定力が問われた.階層的重回帰分析の結果によれば,いずれの基準変数に対しても,そのヴァリエーションを説明していくうえで,有意味な独自の力を保持することが確認された.われわれの今回の試みにおいては,この確認が1番のポイントといえよう.(5)基準変数の「抑うつ傾向」に対しては,包括的ソーシャル・サポート・ネットワーク・サイズ変数が「マキャベリズム志向」変数と相乗効果を発揮している事実が見い出された.マキャベリズム志向が高いひとにあっては,ソーシャル・サポート・ネットワーク・サイズの拡がりは抑うつを低下させる方向で関与しているように思われる.以上が,われわれの今回の試みにおける主要な結果である.それぞれの解釈にあたっては慎重な配慮が要求されよう.ひとつの事実にはちがいないが,どこまで"動かぬ事実"かについては,今回の試みだけではほとんどなにも言えぬからである.その意味において「資料」なのであり,ソーシャル・サポート研究の向後にむけて参考に供するものである.
著者
長谷川 孝治 浦 光博 前田 和寛 浦 光博 前田 和寛
出版者
信州大学
雑誌
人文科学論集. 人間情報学科編 (ISSN:13422782)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.53-63, 2009-03-15

本研究では,低自尊心者における下方螺旋過程に対する友人関係の進展段階の調整効果が検討された。長谷川(2008)は,低自尊心者の下方螺旋過程の存在について明らかにした。すなわち,低自尊心者は,友人が本当に自分のことを大切に思ってくれているかどうかを繰り返し確認するという安心さがし行動をとり,その結果,その友人から拒絶されているという認知が高まる(肯定的に評価されているという認知が低下する)ことが示された。本研究では,このような不適応な相互作用プロセスは,低自尊心者が二者関係の進展段階を考慮していないために生じると予測し,検討を行った。パス解析による検討の結果,低自尊心者は,つきあいの浅い友人に対して安心さがしを行うほど,友人からの反映的自己評価が低下することが示された。また,親しい友人に対して,低自尊心者が安心さがしを行っても,反映的自己評価の低下は見られなかった。高自尊心者は,友人の親しさに関わらず,安心さがしを行うことが反映的自己評価を下げることはなかった。これらの結果について,アイデンティティー交渉の観点から考察された。