著者
長尾 慶子 喜多 記子 松田 麗子 加藤 和子 十河 桜子 三神 彩子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.59, no.11, pp.903-910, 2008 (Released:2010-07-29)
参考文献数
8
被引用文献数
1

環境に配慮した調理法である「エコ・クッキング」を行うことで、CO2排出量の削減が期待できる。本研究では、日本の全家庭において「エコ・クッキング」を行った場合、地球温暖化防止の為に、どの程度CO2排出量を削減できるかを検討した。主婦19名を対象に一般的な朝食、昼食、夕食別に調理を行ってもらい、その際に使用したガス量、電力量、水量及び生ゴミ量を測定した。その後、「エコ・クッキング」についての講座を受講してもらい、再び同じ献立を講座を参考に調理してもらった。「エコ・クッキング」を行うことで、1回目と比較して、ガス、電気及び水使用量と生ゴミ量に大きな減少がみられた。その結果、日本の全家庭において「エコ・クッキング」を行った場合、CO2削減効果は24~32%削減されることが試算された。
著者
成田 亮子 加藤 和子 長尾 慶子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.19, pp.137, 2007

<BR><B>【目的】</B><BR> 3年前に行った女子大生の家庭での餅の摂取状況結果を基に、今回は特に鏡餅について取上げ、正月における家庭でのその現状把握と、"餅"に対する女子大生の意識とイメージ観を知るために詳細なアンケート調査を行った。<BR><B>【方法】</B><BR> 調査対象は、本学家政学部栄養学科並びに同短期大学部栄養科学生200名である。調査期間は、2007年4月から5月とした。<BR><B>【結果】</B><BR> (1)鏡餅について:正月に鏡餅を供える家庭は80%以上と、3年前の調査結果とはあまり差がなかった。「供える場所は何か所か」については、1か所との回答が65%と多く、供える場所はリビングが多かった。「複数ヶ所供える」との回答では、供える場所は、トイレ・神棚・仏壇がみられた。鏡餅の種類としては、真空パックの鏡餅を供えている家庭が約80%と多くみられ、杵と臼・家庭用電気製品で搗くなど、家庭で餅を作ることが少なくなっていた。そのために、「飾り方」は大小の丸い餅を重ね、ダイダイやユズリハ、昆布、裏白の葉などで飾る伝統的な体裁であっても、真空パック鏡餅についている飾りを用いるという回答となっていた。供えない家庭の理由としては、面倒である・餅を食さないからもったいないであり、鏡餅を知らないという回答もわずかながらみられた。<BR>(2)餅に対する嗜好とイメージ:女子大生の餅に対するイメージとして、素朴、煮るよりは焼く、白くてもちもちとした食感、常備食としてよりは行事食が頻出していた。これらのイメージを回答した学生のほとんどが餅を好んでいた。餅を嫌いと回答した学生のイメージとしては、飲みこみにくい、ねちねち、太る、など好ましくない表現がみられた。
著者
加藤 和子 成田 亮子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.25, 2013

<b>幼稚園教諭・保育士養成専門学校学生の行事食に対する意識調査<br></b><b></b>○&nbsp; 加藤和子<sup>1)</sup>,成田亮子<sup>1)<br></sup><sup>1)</sup>東京家政大<br><br>&nbsp;【目的】発表者らは今まで、本学栄養学科に所属する学生に対して、行事食・儀礼食について調査を行ってきた。その結果、親世代より学生世代の方が行事食の喫食経験が少ない傾向がみられた。本来なら、各家庭や地域において伝承される行事食であるが、今後教育の現場においての役割も重要になると考え、幼児期の「食育」を担当する幼稚園教諭・保育士養成の専門学校生に、アンケート調査を行ったので報告する。【方法】日本調理科学会特別研究‐行事食・儀礼食‐におけるアンケート用紙に基づいた調査用紙を配布し、その場で回答してもらい回収した。(回収率100%) 調査期間は平成25年5月。都内幼稚園教諭・保育士養成専門学校生126名を対象とした。東京・埼玉・千葉・神奈川県より通学の学生である。調査内容は、祖父母との同居経験、年中行事におけるそれぞれの行事食の認知と喫食経験、喫食状況についてである。【結果】年越しそば、雑煮、黒豆・数の子などのおせち料理とクリスマスの鶏肉料理を、行事食としてほとんどの学生が認識をしていた。雑煮、かまぼこ、クリスマスの鶏肉料理とケーキは100%の喫食率であった。行事食としての認知度が低かったのは、屠蘇、重陽の節句の菊料理などであった。喫食状況において、外で食べるとの回答の中に少数ではあるが、七草粥・蛤の潮汁・ちまきや柏餅・菊ご飯などを「給食で食べたことがある」との回答がみられた。このことより、保育園や学校においての給食指導や、行事食のメニューによって、次世代に行事食を伝承していることがわかった。
著者
長尾 慶子 十河 桜子 三神 彩子 松田 麗子 喜多 記子 荻野 泰子 萱島 由香 杉山 宜子 加藤 和子 土屋 京子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.19, pp.189, 2007

<BR><B>【目的】</B><BR> 現在の家庭での日常の食事献立における朝食・昼食・夕食別に上位頻出メニューを取り上げ、それぞれについて、エコロジーを配慮した調理をすることによる、ガス・電気・水・生ゴミ量のCO<SUB>2</SUB>削減効果を検討した。<BR><B>【方法】</B><BR> 測定の対象にした献立は、トースト、ベーコンエッグ、チャーハン、味噌汁、魚のたれ焼き、野菜浸し、和風煮物、カレーライスである。それぞれの献立を通常のレシピにそって調理した時と、エコロジー的配慮で調理した時とで測定した。ガス・電気・水の使用量は調理台横に敷設した各測定器とパソコンを連動させて調理に伴う使用量の経時変化と積算量を記録させ、生ゴミ量はチラシのゴミ入れを使用し終了後に計量した。それらの積算一次エネルギーの換算量とCO<SUB>2</SUB>換算量を算出し、比較検討した。<BR><B>【結果】</B><BR> トースト:トースター(電気)とグリル(ガス)では一次エネルギーに差はみられないが、CO<SUB>2</SUB>排出量はグリル使用が少ない。ベーコンエッグ:鉄よりもテフロン鍋使用がCO<SUB>2</SUB>排出量が少なく、且つ〔油・水なし・蓋使用〕法が特に効果的である。チャーハン:飯と卵の加え方3通り法のうち、飯に生卵を合わせ炒める方法が、飯のべたつきも少なくCO<SUB>2</SUB>排出量が少ない。魚焼き:フライパンよりもグリル使用、且つ魚を1/2に切ると加熱時間の短縮と一次エネルギー削減になる。味噌汁:煮干はあらかじめ粉末にしておくと使用量が1/2で済む。野菜浸し:茹で水量は3倍量で済み、他の茹で物と合わせて使用すると効率的である。煮物:落し蓋、油の使用が効率的。カレーライス:煮込み加減の好みでガス使用量に差が見られた。野菜の切り方や水量を工夫することで生ゴミおよび水使用量の減少効果が大であった。