著者
藤野 昇三 榎堀 徹 桂 敦史 花岡 淳 小西 孝明 浅田 佳邦 山下 直己 朝倉 庄志 加藤 弘文 森 渥視
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.89-94, 1994-02-20

上皮成長因子受容体Epidermal Growth Factor receptor(EGFr)を, 50例の原発性非小細胞肺癌切除組織において, ^<125>I-EGFを用いた。competitive binding assay法で測定し, 各種臨床パラメーターと対比した.50例の平均assay値(平均値±標準偏差値)は, 31.83±44.07fmol/mg・pで, I期21.25±18.99, II期13.20±12.85, IIIA期41.28±69.27, IIIB期30.08±34.28, IV期57.67+63.50, N_0 26.12±33.21, N_1 14.88±12.75, N_<2,3> 54.55±65.14であった.進行症例で高い傾向にあり, I期とIV期, 早期(I, II期)(19.39±17.86)と進行期(III, IV期)(45.31±58.53), N_0とN_<2,3>, N_1とN_<2,3>およびN_<0,1>(23.00±29.25)とN_<2,3>の問にp≦0.05で有意差が認められた.組織型, T因子, 性別, 年齢などとは, 関連は認められなかった.肺癌組織中のEGFr値は, 核酸量などと同様に肺癌の性格を表すものとして, 予後に関連する可能性があるものと考えられた.
著者
加藤 弘徳 千木良 雅弘
出版者
一般社団法人日本応用地質学会
雑誌
応用地質 (ISSN:02867737)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.140-150, 2009-08-10
被引用文献数
1 3

四国中部において東西方向の中央構造線南側に平行する法皇(ほうおう)山脈には山体重力変形が生じている.変形は同構造線に沿う約20kmの区間にわたって断続的に発生しており,そのうち複数の区間では山上凹地の発達が認められる.中央構造線側の山脈北側斜面には脆弱な泥質片岩が流れ盤構造をなして分布し,中央構造線の南側の相対的な隆起運動に伴い,この流れ盤斜面が重力作用により不安定化し,斜面が全体的に北に移動するように変形している.一方で,一般に高角断層とされてきた中央構造線は山体変形箇所の下方で特徴的に南緩傾斜となっている.これは,山体変形に起因する荷重が作用した状態で南側隆起の断層運動が生じ深部の高角断層が地表付近で緩傾斜化して出現し,衝上断層となっているためと推定される.このように,山体重力変形と中央構造線の断層運動およびそれに伴う山体の隆起は相互に関係している.山上凹地の内部に分布するかつての湖沼堆積物の構造および年代測定結果から,山体変形は今から5万年以上前にはすでに発生し,山上には湖沼が形成されたが,今から4.5万〜2.4万年前の間に湖沼は決壊し,現在の地形が形成されたことが明らかになった.
著者
石川 一憲 石川 明男 加藤 弘昭 大森 俊一
出版者
日本熱帯農業学会
雑誌
熱帯農業 (ISSN:00215260)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.17-21, 1993-03-01

ブドウ欧州種の数品種を用い, 果粒の肥大, 発育及び品質に及ぼすフルメット液剤処理の効果を検討した.果粒肥大及び果実重に及ぼすフルメット処理濃度の影響は, 品種で異なっていた.果粒肥大と品質の関係から, 果粒の肥大は良いが, 甘味比の低下がみられた品種は'モヌッカ'及び'リザマット'であった.果粒肥大が良く, 甘味比の低下のみられない品種は'ユニコン', 'マリオ', 'ネヘレスコール'並びに'バラデイ'であった.