著者
加藤 直志 Tadashi Kato
出版者
同志社大学国文学会
雑誌
同志社国文学 = Doshisha Kokubungaku (ISSN:03898717)
巻号頁・発行日
no.94, pp.54-66, 2021-03-20

筆者は、日本近世文学会が行う出前授業に協力し、くずし字による古典教育の試みを行ってきた。その経験から、くずし字による古典教育が、学習者の興味・関心を引き出すのに有効であることがわかってきた。目下の課題は、教科書を中心とした日常の学習にもつながるようなくずし字の教材を開発することにある。本稿では、新しい教材の開発において求められることを探るため、国語科における古典教育の現状と課題について、小・中・高の校種別に分析した。
著者
加藤 直志 加藤 弓枝 三宅 宏幸 KATO T. KATO Y. MIYAKE H.
出版者
名古屋大学教育学部附属中・高等学校
雑誌
名古屋大学教育学部附属中高等学校紀要 (ISSN:03874761)
巻号頁・発行日
vol.62, pp.154-165, 2018-03-01

昨年度に続き、日本近世文学会の「出前授業」の一環として、同学会から2名の研究者を講師に迎え、中学1年生を対象に、くずし字で書かれた江戸時代の「さるかに合戦」を読むという特別授業を協同で実施した。本稿は、その実践報告である。事前と事後のアンケート調査も実施し、くずし字の解読が、古典への関心・意欲を喚起するのに有効な方法になり得ることを明らかにした。第3部 教科研究・特別研究.本研究の一部は、JSPS科研費JP16H00094の助成を受けている。
著者
加藤 直志
出版者
同志社大学
雑誌
同志社国文学 (ISSN:03898717)
巻号頁・発行日
vol.74, pp.163-151, 2011-03

まず、日本の子ども達の学力の傾向を踏まえ、教育心理学者藤村宣之の提唱する「協同的探究学習」による「わかる学力」向上の重要性を確認した。次に、「協同的探究学習」を国語教育で行うに際して、〈テクスト論〉に関連した、日本文学研究者からの提言が参考になると述べた。その後、実際の授業を紹介し、「自己探究」と「集団討議」を組み合わせる(=対話させる)ことが「わかる学力」の向上にも繋がるということを明らかにした。
著者
加藤 直志 小島 千枝子 小野 高裕 近藤 重悟
雑誌
リハビリテーション科学ジャーナル = Journal of Rehabilitation Sciences
巻号頁・発行日
no.9, pp.27-38, 2014-03-31

本研究では,"綿チップ押しつぶし" 課題の有用性について検討した.第1実験では,嚥下障害者を含む102 名を対象に"綿チップ押しつぶし" 課題後の綿球のつぶれ具合とJMS 舌圧測定器の最大舌圧の相関分析,回帰分析を行い,綿球のつぶれ具合で舌圧を推測できるかを調べた.第2実験では,健常若年者20 名を対象に,綿チップ押しつぶしを教示に用いた嚥下(MS),Effortful swallow(ES),普通嚥下の舌圧発現様相を比較し,嚥下課題の教示に用いることの有効性を調べた.その結果,第1実験では,舌圧=12.117 + 67.961 ×綿球水分変化量の回帰式が得られ(R2 =0.568),第2実験では,MS はES とほぼ同等に舌圧持続時間と舌圧最大値が高値を示し,さらに,MS では綿チップの押しつぶし課題でターゲットとした部位の舌前方部(Ch1)の舌圧発現が他測定点より有意に早く,Ch1の舌圧持続時間はES より有意に延長した.以上のことから,"綿チップ押しつぶし" 課題は,嚥下訓練において多彩な訓練ツールとして用いることができることが示された.
著者
加藤 直志 KATO T
出版者
名古屋大学教育学部附属中・高等学校
雑誌
名古屋大学教育学部附属中高等学校紀要 (ISSN:03874761)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.117-124, 2013-02-01 (Released:2013-04-08)

2008年の学習指導要領では、小学校においても伝統的な言語文化についての学習を重視するという方針が打ち出された。これを受けて、小学校の国語教科書でも、古典に関する教材がこれまで以上に配置されることになった。本稿は、それらを概観することで、各教科書の特徴を明らかにすることを試みたものである。また同時に、中学校・高等学校の国語科教員が、小学校でどのような古典教育が行われるのかを知る一助とすることも目論んだ。