著者
今村 知子 川原田 史治 杉森 文夫
出版者
公益財団法人 山階鳥類研究所
雑誌
山階鳥類学雑誌 (ISSN:13485032)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.1-16, 2015-09-30 (Released:2017-09-30)
参考文献数
53

齢既知のハシボソミズナギドリPuffinus tenuirostris 14個体の下顎骨を用い,雛から成鳥まで,成長とともに変化する骨の組織形態を調べ,年齢との関係について考察を行った。「脱灰標本法」により組織標本を作製し,デラフィールドのヘマトキシリンで染色したのち,鏡検した。その結果,成長に伴う組織形態の形成過程が明らかになり,1ヶ月齢から6ヶ月齢までの雛と幼鳥の月齢の識別ならびに亜成鳥と成鳥の判別が可能であることが見出された。齢とともに発達する年輪的な層状構造は1歳以上の3個体すべてにおいて観察されたが,年齢とは一致しなかった。ハシボソミズナギドリの下顎骨における層状構造の形成は,初め外基礎層板において広い範囲に見られるが,年齢を経るとともに,形成と同時に骨内部からハバース系の発達による侵食を受け,実際の年齢よりも本数が少なくなると考えられた。
著者
寺田 員人 原田 史子 山添 清文 花田 晃治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎
巻号頁・発行日
vol.99, no.289, pp.41-47, 1999-09-04
参考文献数
6

歯科矯正治療によって,歯ならびに歯槽骨の位置ならびに形態が変化し,その上にある軟組織も変化し,側貌,正貌,特に口元が変化する。 この様相を治療前後の正面ならびに側面顔写真とセファログラムを用いて調べた。また,歯科矯正治療前後の顔画像から表情を作成し,その印象の強さを調べた。その結果,喜びの表情では,上顎前突症を有する患者で,治療後の顔画像の方が治療前より印象が強いと評価した回答が多くなった。一方,アンケートから歯科矯正治療を受けた患者の家族や友人は,歯並び,口元の変化,さらに明るくなった性格や積極的な行動の変化を感じていた。
著者
奥井 善也 原田 史子 高田 秀志 島川 博光
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.361-371, 2009-01-15
被引用文献数
2

日本の大学では大人数の学生に対して教員1人が講義を行う形式が多くとられている.日本の学生は,大勢の人々がいるまえでは質問しにくいと感じることが多いので,教員に質問できない状況に陥りやすい.よって,教員が講義中に学生の理解度を判断することは難しい.学生と教員の間でコミュニケーションがとりくにいことが教材の改善を困難にしている.そのため日本の大学では教員からの一方向教育となり,これが理解に行き詰まる学生を減らせない1つの原因となっている.本論文では,双方向教育を実現するため,講義中に教え方を修正し講義後に教材を改善するという,2つのフェーズに分けた講義支援を提案する.講義中のフェーズにおいては,教員の説明に対する学生の反応を獲得し,講義中の学生の理解度を学生と教員との間で互いに共有する.講義後のフェーズにおいては,講義中に取得した学生の学習項目別の理解度と学習項目間の依存関係を考慮し,学生の理解困難箇所を特定し教員に提供する.本手法の講義中のフェーズにおける講義支援を大人数講義に適用した結果,適用しないクラスに比べ試験の平均正答率が50点満点中2.22点向上した.また,大学生5人に対し講義を行い,学生に理解に行き詰まった内容に対するアンケートを実施したところ,理解困難に陥る原因は,理解困難に陥ったときに学習していた項目の依存知識と相関することが判明した.In many classes of universities in Japan, a teacher gives a lecture to a lot of students. Japanese students would hesitate to ask questions in front of many people. It is difficult for a teacher to judge the understanding level of each student during a lecture. Therefore, the teacher is not able even to improve his approach to teaching and the teaching materials according to the understanding level of students. This paper proposes a method for teachers to improve teaching faculty. The proposed method consists of two phases. In the first phase, a teacher can acquire students' responses. Students and the teacher share students' understanding levels from the responses during a lecture. The other phase identifies difficult learning items from dependency among learning items. The method identifies difficult learning items from acquired student understanding level during the lecture and the dependency to improve learning materials after the lecture. We applied our method to actual classes which consist of many students during a lecture. The student examination scores in the class to which our method is applied have been superior to that in a class without our method by 2.22 point. A verification experiment has proven that we should consider the dependency among learning items as a possible cause of difficulties to understand learning items.
著者
小河 真之 原田 史子 島川 博光
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.17, pp.1-8, 2010-07-28

現在インターネット広告では,様々な広告提示手法が用いられている.しかし,消費者が知りたいと思う商品の特徴や消費者が好む広告のデザインやメッセージを考慮していない.また,消費者の状況を考慮できておらず,最適な広告が提供できていない.本論文では,消費者の購買行動時における情報探索行動を考慮し,消費者の状況と消費者が必要とする商品情報とデザインおよびメッセージを個人に合わせた,インターネット広告の構成手法を提案する.本手法では消費者の情報収集行動に着目し,消費者の状況を把握する.また,分類された広告の商品情報とデザインを用いて,消費者の特性を抽出する.そして,これらの定量的な指標で表された消費者の状況や特性をもとに,消費者一人ひとりに合わせた広告を構成する.本手法により,各消費者に説得力のある広告メッセージが選択でき,各消費者に合わせた個別広告が提供できる.Recently, the internet advertisement has a lot of presentment. However, the internet advertisement in today does not consider the characteristics of the product, design and message of advertisement which a consumer is interested in. Moreover, it does not consider a consumer's situation. Therefore, the internet advertisement in today cannot present the consumer the best advertisement. In this paper, we propose a method to create an individual advertisement about a product based on each customer's interest, situation, and information on the product. In this method, the consumer's situation is graspen by the consumer's information gathering. The consumer's characteristic is extracted with classified information of the product and designs. Therefore, an advertisement is created by combining the classified information based on the consumer's characteristic and situation. Accordingly, the system is useful to give a consumer an opportunity of examination for buying products and increases possibility of buying.
著者
小河 真之 原田 史子 島川 博光
雑誌
研究報告データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.2010-DBS-150, no.17, pp.1-8, 2010-07-28

現在インターネット広告では,様々な広告提示手法が用いられている.しかし,消費者が知りたいと思う商品の特徴や消費者が好む広告のデザインやメッセージを考慮していない.また,消費者の状況を考慮できておらず,最適な広告が提供できていない.本論文では,消費者の購買行動時における情報探索行動を考慮し,消費者の状況と消費者が必要とする商品情報とデザインおよびメッセージを個人に合わせた,インターネット広告の構成手法を提案する.本手法では消費者の情報収集行動に着目し,消費者の状況を把握する.また,分類された広告の商品情報とデザインを用いて,消費者の特性を抽出する.そして,これらの定量的な指標で表された消費者の状況や特性をもとに,消費者一人ひとりに合わせた広告を構成する.本手法により,各消費者に説得力のある広告メッセージが選択でき,各消費者に合わせた個別広告が提供できる.
著者
竹村 勇司 塗師 憲太郎 小笹 直子 原田 史 鎌田 壽彦 菅野 茂
出版者
日本家畜管理学会
雑誌
日本家畜管理学会誌 (ISSN:13421131)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.99-108, 2004-09-24
被引用文献数
2

発情周期にともなうヒツジの試情時の性行動の推移を明らかにする目的で、発情が正常に回帰している成雌3頭に対して成雄3頭による試情を行い、雄が雌に関心を示さなくなるかまたは乗駕に至るまでの時間(試情所要時間)ならびに試情中の雌の排尿行動,雄による性的探査行動および求愛行動の発現回数を測定した。試情所要時間は、おおむね発情同期から発情前期に向けて延長し、乗驚が生ずる発情日は短く、発情後期1日目に再び延長し以後元のレベルに短縮してゆく推移パターンが認められた。しかし、雌個体によって変化が明瞭なものと不明瞭なものがあった。変化が明瞭に現れた個体では、排尿行動の発現回数が試情所要時間の推移と同様の推移を示したほか、雄による陰部嗅ぎやフレーメン行動の発現回数の推移パターンにも同様の変化が認められた。一方、こうした変化が不明瞭であった雌個体に対して、雄は発声,舌出し,頚ひねり,前脚による蹴り上げ(前蹴り)などの求愛行動を多く発現し、前蹴り以外の3つの行動の発現回数は、発情同期から発情前期に向けて増加し、発情後期1日目に再び増加し以後元のレベルに滅少していく推移パターンが認められた。また、前蹴り行動は発情日に比較的多く発生が見られた。以上の結果から、試情時における性行動の発現とその発情周期にともなう推移には雄側よりも雌側の要因がより強い影響を及ぼすものと推測され、雄が雌の発情周期を判断する際には主に雌からの嗅覚情報によって判断する方法と、嗅覚情報が乏しい場合には雄は代償性に視覚、聴覚、触覚刺激を雌に与え、それらに対する雌の反応によって判断する方法があるものと推測された。