著者
古田 智久
出版者
The Philosophy of Science Society, Japan
雑誌
科学哲学 (ISSN:02893428)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.47-64, 2018-12-30 (Released:2019-11-27)
参考文献数
33

Today philosophy of science and analytic philosophy are regarded as different areas or methods of philosophy. But although Philosophy of Science Society, Japan bears name of ʻPhilosophy of Scienceʼ, many analytic philosophers belong to it. In this paper, from the historical point of view I consider the reason why the journal of this society accepts papers of analytic philosophy and annual meeting of this society accepts talks of analytic philosophy. First, I explain how analytic philosophy is different from philosophy of science. Next, I explore the historical situation in which analytic philosophy became intertwined with philosophy of science. As result of these considerations, an answer to the above question, ʻWhy does this society accept the study of analytic philosophy?ʼ is given.
著者
古田 智久
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.83-88, 1998-03-31 (Released:2010-05-07)
参考文献数
23

クワインが『ことばと対象』において提起した翻訳の不確定性テーゼをめぐっては, そのテーゼについてのクワイン自身の説明が決して十分なものではなかったこともあり, 様々な解釈の下に多数の検討・批判論文が著されてきた。本論文の目的は, 定った解釈が確立されているとは言い難い状況にある翻訳の不確定性テーゼの主張内容を見極めることである。本論文での議論の進め方としては, 翻訳の不確定性テーゼの内容を説明する際にクワインが言及する, (1)証拠と翻訳マニュアルとの結び付きが緩いこと, (2)複数の翻訳マニュアルが存在しうること, (3)事の真相がないこと, という三つの特徴の各々を検討することにより, クワインがそれぞれの特徴によって意図していることを明らかにしながら, 翻訳の不確定性テーゼの核心に迫るという手法が採られる。本論文の考察によって, 翻訳の不確定性が, 専ら〈証拠と翻訳マニュアルとの結び付きの緩さ〉という認識論的な特徴によって説明され, 〈事の真相がない〉という存在論的な特徴によって科学理論の決定不全性と区別されること, そして, 上述の〈複数の翻訳マニュアルが存在しうる〉という特徴は, 〈実際問題として複数の翻訳マニュアルが存在する〉という主張ではなく, むしろ〈証拠と翻訳マニュアルとの結び付きの緩さ〉という認識論的な特徴から導かれる副次的なものであることが確認される。
著者
古田 智久
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.79-85, 1995-03-31 (Released:2010-05-26)
参考文献数
38

ホーリズムというタームにより直ちに連想されるのは, いわゆるデュエム=クワインテーゼであろう。このテーゼが科学理論 (物理理論) の構成というダイナミックな認識論的プロセスを射程としていることは明らかである。ところが, クワインは, このテーゼを言語理解という心理的なプロセスにも適用しようとする。それに対して, デイヴィドスンは, 言語理解のプロセスを考察する際にまったく異なるタイプのホーリズムが当の考察に対する制約となることを指摘している(1)。本論文のねらいは, それぞれのホーリズムの特性記述を行うことを通して, 科学理論の構成と言語理解とが方法論的に異なる営みであることを確認することである。デイヴィドスンの見解が正しいとすると, 根源的翻訳という思考実験を想定するに際してクワインが定位した見通しが適切であったとは言えないことになる(2)が, 一方では, 〈翻訳の不確定性と理論の決定不全性とは質的に異なる〉という, いくぶん旗色の悪い(3)クワインの主張が方法論的な観点から見た場合擁護されうるものであることが示唆される。
著者
古田 智久
出版者
日本科学哲学会
雑誌
科学哲学 (ISSN:02893428)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.1-14, 2002-11-10 (Released:2009-05-29)

In a famous essay entitled 'Two Dogmas of Empiricism', W. V. O. Quine rejected two important doctrines that had been supported by many empiricists. One is the doctrine that a clear distinction can be made between analytic and synthetic statements. The other is the doctrine that every meaningful statement can be reduced to some statement constructed of terms which refer to immediate experience.In this paper, I intend to rehabilitate analyticity, syntheticity and reductionism. First, analyticity is separated from apriority and necessity, and then the reason is given why I regard holism of 'Two Dogmas' as the verificationist one [1]. Next, I survey the views of H. Putnam and J. J. Katz [2]. In the following section, two viewpoints, dynamic and static points of view, are introduced into the arguments in question [3]. On these considerations, I specify the contexts to which the above three notions are applied, although trivial or narrow in the range.
著者
古田 智久
出版者
The Philosophy of Science Society, Japan
雑誌
科学哲学 (ISSN:02893428)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.1_95-1_119, 2008 (Released:2009-07-31)
参考文献数
8

In this review, I review both volumes II and III of Takashi Iida's Book: Gengo-Tetsugaku Taizen, and examine two arguments proposed in vol. II. One is concerning criticism against conventionalist's explanation of truths of logic which was approached by Quine. I think that truths of logic should be comprehended in Quine's holistic view of knowledge. The other is concerning criticism against Quine's holism which was suggested by C. Wright. I hold that the statement W:θ |- L I → P which Wright proposed can be also abandoned together with theory θ to which W relates if the θ is abandoned.
著者
岡崎 文明 一ノ瀬 正樹 小浜 善信 伊集院 利明 谷 徹 榊原 哲也 杉田 正樹 日下部 吉信 須藤 訓任 赤井 清晃 柏端 達也 塩路 憲一 古田 智久 三浦 要 菊地 伸二
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999

本研究の課題は<西洋古代から現代に至る二千六百年に及ぶ哲学史の統一的理解・再構築は可能か?>である。我々は共同研究を通じて再構築は可能であると結論することができた。これは「実存的歴史観」(vde.渡邊二郎『歴史の哲学-現代の思想的状況-』講談社、1999)によって支えられる。その具体的な姿は本研究グループの各メンバーによって各に示される。研究代表者の見解を要約すれば、西洋哲学史には2伝統、即ち古代ギリシア哲学(=ヘレニズム=善の優位性の思想)の伝統と西洋中世以降の哲学(=ヘブライズム=存在の優位性の思想)の伝統とが存存する。両伝統における「万有の根源の解釈」は根本的に異なる。しかし両者は新プラトン主義(原型)の第2段階「存在者-生命-知性」(三一)を或る仕方で共有することによって相互影響を受け、中世以降に新たな思想を生む。その結果、中世では存在論が、近世では認識論が、現代では生命論、新たな認識論と存在論がそれぞれ中心となった新しい哲学生まれる。中世から現代に至る諸哲学は1セットとして、ギリシア哲学に対峙し得る。その内容は下記の研究成果に示される。我々の研究成果の一部はまず第1の共同研究成果論文集『西洋哲学史の再構築に向けて』(1999)に示される。この外にもメンバー21人の各の研究論文等においても示される。その成果総数は学術論文209本、國内外の学会・研究会口頭発表87回、図書(単著)9冊である。更に平成15年中に第2の共同研究成果論文集『西洋哲学史観と時代区分』を公刊しようとしている。続く第3の共同論文集『現代の哲学-二千六百年の視野において-』は平成15年度科学研究費補助金(研究成果公開促進費)に申請中である。さらに第4の共同論文集『西洋哲学史再構築試論』も平成16年度科究費(研究成果公開促進費)に申請する予定である。以上が研究成果概要である。