著者
吉村 芳弘 山鹿 眞紀夫 古閑 博明
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.309-316, 2018-04-18 (Released:2018-05-21)
参考文献数
50

リハビリテーションを行う高齢者には,低栄養とサルコペニアの合併が多い.高齢リハビリテーション患者の低栄養とサルコペニアの有症率はそれぞれ49~67%,40~46.5%と報告されている.低栄養とサルコペニアはいずれもリハビリテーションや健康関連のアウトカムと負の関連がある.それゆえ,リハビリテーションを行う高齢者に対しては,全身管理と併存疾患のリスク管理を行いつつ,積極的な栄養サポートを多職種で推進する必要がある.
著者
河津 弘二 古閑 博明 岡本 和喜子 槌田 義美 松岡 達司 本田 ゆかり 大田 幸治 久野 美湖 吉川 桂代 山下 理恵 山鹿 眞紀夫
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.E0188, 2005

【はじめに】熊本県菊池地域リハビリテーション支援センター(以下支援センター)では、市町村の介護予防事業を積極的に支援してきた。支援内容は、転倒予防・関節痛予防に対する講話と運動指導、体力評価、そして介護予防の指導等である。今回、元気・虚弱高齢者(介護保険非該当)を対象に、身体面で介護予防を目的とした、統一的な運動プログラム「長寿きくちゃん体操」を開発したので報告する。<BR>【背景】支援センターでは、市町村等の介護予防事業従事者(以下従事者)に介護予防の指導を行い、それを従事者が地域住民に直接指導できるように取り組んできた。しかし、運動面に関しては統一化したプログラムがない為、従事者が地域住民に具体的な対応をするのは困難であった。また、支援センターからの地域住民に対する直接指導も単発的となり、運動を継続して実施できず、市町村全体としての介護予防に繋がりにくいのが現状であった。そこで、日常に安全で効果的な運動を継続できるように、統一化した運動プログラムを開発した。そして従事者や高齢者団体が研修を受ける事で、菊池圏域全体の介護予防に繋げるように企画した。<BR>【内容】「長寿きくちゃん体操」は、老人クラブと医療、保健、福祉との連携で開発した。運動を学習しやすいようにビデオと冊子を作成し、ビデオは説明編と実技編の2種類とした。そして簡単に自宅でできるように1枚のパンフレットも作成した。体操の継続した実施を考えた場合、時間の配慮は必要であった。その為、実技編では上映時間約25分で、運動は準備体操5種類→筋力・バランストレーニング8種類→整理体操2種類とした。具体的内容は、姿勢、バランス、筋力、柔軟性に重点を置き、臨床でアプローチしている運動学的な要素を取り入れている。また筋力・バランストレーニングはマット編と椅子・立位編の2種類に分けてバリエーションを広げている。ビデオでの負荷量としては、準備・整理体操でストレッチを10秒間×2回の7種類とし、筋力・バランストレーニングにおいては、各運動3秒間×3回を8種類で1セットとしている。<BR>【展開】今回「長寿きくちゃん体操」の開発により、菊池圏域での介護予防事業の中にこの運動プログラムが取り入れられ、課題であった従事者から地域住民への安全な運動指導が可能となっている。そして、老人クラブには、活動の一環として体操に取り組む団体もでてきている。「健康日本21」施策で介護予防が重点的に進められており、今後は集団での取り組みは勿論、個別的な元気・虚弱高齢者の運動のきっかけ作りから習慣化、また自己管理ができるように「長寿きくちゃん体操」を活用していく予定である。また、主観的な効果は得ているが、客観的な効果を検証する為、現在継続している評価に加え、第三者の協力による効果判定も実施中である。
著者
河津 弘二 槌田 義美 本田 ゆかり 大田 幸治 緒方 美湖 吉川 桂代 山下 理恵 山鹿 眞紀夫 古閑 博明 松尾 洋
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.23-29, 2008-02-20 (Released:2018-08-25)
参考文献数
18

本研究は,地域における一般高齢者向けの,介護予防を目的とした運動プログラム「長寿きくちゃん体操」の紹介をするとともに,地域主体での教室運営による運動プログラム介入前後の身体機能面と精神活動面で変化がみられたことを報告する。教室の対象は,老人クラブの21名(74.1 ± 3.7歳)で,期間は3ヶ月問であり,教室は他機関の健康運動指導士が運営した。身体機能面の変化に対し,教室の前後で,10m全力歩行,開眼片脚立ち,握力,長座位体前屈,Timed Up & GO Test(TUGT),6分間歩行を評価した。また,日常生活活動や精神活動の変化に対し,アンケート調査で,主観的健康観,Falls Efficacy Scale(FES),MOS Short-Form-36-Item Health Survey(SF-36),グループインタビューを実施し,また痛みの変化ではNumeric Rating Scale(NRS)を実施した。結果は,身体機能面で,10m全力歩行,TUGT,6分間歩行,握力で有意な改善を認めた。また,精神活動面は,主観的健康観で有意な変化を認め,他項目でも改善傾向があった。地域リハビリテーションでの介護予防教室に対し,ポピュレーションアプローチでの間接的な運動プログラムの提供により,心身の変化の可能性を示唆したと考えられた。
著者
河津 弘二 槌田 義美 本田 ゆかり 大田 幸治 緒方 美湖 吉川 桂代 山下 理恵 山鹿 眞紀夫 古閑 博明 松尾 洋
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.23-29, 2008-02-20

本研究は,地域における一般高齢者向けの,介護予防を目的とした運動プログラム「長寿きくちゃん体操」の紹介をするとともに,地域主体での教室運営による運動プログラム介入前後の身体機能面と精神活動面で変化がみられたことを報告する。教室の対象は,老人クラブの21名(74.1±3.7歳)で,期間は3ヶ月問であり,教室は他機関の健康運動指導士が運営した。身体機能面の変化に対し,教室の前後で,10m全力歩行,開眼片脚立ち,握力,長座位体前屈,Timed Up & GO Test (TUGT),6分間歩行を評価した。また,日常生活活動や精神活動の変化に対し,アンケート調査で,主観的健康観,FallsEfficacy Scale (FES), MOS Short-Form-36-Item Health Survey (SF-36),グループインタビューを実施し,また痛みの変化ではNumeric Rating Scale (NRS)を実施した。結果は,身体機能面で,10m全力歩行,TUGT,6分間歩行,握力で有意な改善を認めた。また,精神活動面は,主観的健康観で有意な変化を認め,他項目でも改善傾向があった。地域リハビリテーションでの介護予防教室に対し,ポピュレーションアプローチでの間接的な運動プログラムの提供により,心身の変化の可能性を示唆したと考えられた。