著者
呑海 沙織 綿抜 豊昭
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.69-82, 2012-06-30 (Released:2017-04-30)

本稿では,図書館マナーの社会的受容について考察を行うことを目的として,近代礼法書における図書館に関する記述内容の分析を行った。近代礼法書において,図書館が単独で取り上げられるのは昭和以降のことであり,図書館に関する共通記述は12種みられた。図書館に備え付けられている「もの」に関する記述が6種,(2)図書館における「ふるまい」に関する記述が6種である。「もの」に関する記述のほとんどが図書に関するものであり,特に図書を丁寧に扱うという記述は全ての対象書にみられた。一方,「ふるまい」に関する記述で最も多かったのは静粛であり,なかでも音読禁止は最も多く取り上げられていた。先行研究においては,明治期より図書館規則によって音読禁止条項が普及し,大正から昭和初期にかけて衰退する傾向にあったことが明らかにされているが,本稿では礼法教育によって「規則」から「マナー」へと変容した可能性を指摘することができた。
著者
呑海 沙織
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.190-197, 2004-04-01

長年その必要性が説かれてきたにもかかわらず,日本の大学図書館において,サブジェクト・ライブラリアンは未だ根付いているとはいいがたい。本稿では、主として英国の図書館員およびサブジェクト・ライブラリアンを概観することによって,日本の大学図書館におけるサブジェクト・ライブラリアン確立への課題と可能性について考察する。
著者
川崎 良孝 吉田 右子 小林 卓 三浦 太郎 呑海 沙織 安里 のり子 久野 和子
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は19世紀中葉から21世紀にいたる図書館の歴史的展開を、新たな視点で解明している。「サービスの提供」という基本的価値に、1960年代から「資料や情報へのアクセスの保障」と「図書館記録の秘密性の保護」という価値が加わり、これらの3つの価値は思想的、実践的に20世紀末に向けて深められていった。しかし21世紀に入り、「アクセスの保障」と「秘密性の保護」という価値は、社会や技術の変化を受けて揺らぐとともに、それらを意識した図書館の理論や実践が生まれている。本研究は広範な一次資料の発掘や実践の研究を通じて、こうした歴史的展開を実証的に解明し、一般図式を提供した。
著者
土出 郁子 呑海 沙織 大学図書館研究グループ
出版者
日本図書館研究会
雑誌
図書館界 (ISSN:00409669)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.158-168, 2010-07-01
被引用文献数
1

特集・第51回研究大会グループ研究発表
著者
呑海 沙織
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.51, no.9, pp.484-494, 2001-09-01
被引用文献数
1

高等教育における変革期の中, 英国では増えつづける電子的情報をより多く効率的に高等教育機関に提供するために, さまざまな情報提供システムが画策されている。これらのシステムの基盤になっているのが, 高等教育機関における図書館や情報提供センターについて, 財政審議会及び高等教育機関への勧告をまとめた「フォレット報告書」や高等教育機関における情報提供サービスの中心的存在である「JISC(情報システム合同委員会)」である。JISCの助成によるデータベース等契約交渉機関CHEST, 全国の高等教育機関のためにデータベースの提供・管理を行うナショナル・データセンター(BIDS・MIMAS・EDINA), 全国認証システムATHENS等からなる英国の学術情報提供システムについて, 高等教育の変化を背景に考察する。
著者
呑海 沙織
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.272-277, 2002-05-01

1978年の改革開放政策以来,中国における学術図書館を取り巻く環境は,大きく変化している。1990年以降は,情報基盤の整備や図書館資料費の不足を背景に,資源共有を目的とした図書館コンソーシアムの形成が推進されている。CALIS(China Academic Library and Information System)は,1998年に立ち上げられた重点大学構想211プロジェクト下の図書館コンソーシアムである。学術情報ネットワークCERNETを基盤とした全国規模の情報資源共有システムの構築をその目的とする。本稿は,CALISを中心に,中国における学術図書館コンソーシアムについて考察する。