- 著者
-
堀内 ゆかり
堀内 雅弘
- 出版者
- 九州産業大学 人間科学会
- 雑誌
- 人間科学 (ISSN:24344753)
- 巻号頁・発行日
- vol.3, pp.44-52, 2021 (Released:2021-03-26)
- 参考文献数
- 45
本研究では,知的障害者の肥満実態と関連要因について,知的障害者更生施設に入所している知的障害者92名(男性61名,女性31名)を対象に検討した。測定項目は,体格関連指標,血圧,血糖値,総コレステロール値,および質問紙による身体活動量(IPAQ)であった。その結果,女性の体脂肪率は,男性より有意に高い値を示した(p<0.05)が,体格指標(BMI),血圧,および血液成分に性差は認められなかった。また,性別問わず,ウェスト周径囲と体脂肪率,またはBMIとの間に有意な正の相関関係が認められた。IPAQから算出した1週間の総身体活動量は,男性の値が女性の値より有意に大きい値を示した(p<0.05)。以上のことから,知的障害者の肥満,および身体活動量には性差があること,性別問わずウェスト周径囲の増大が肥満の一因になっている可能性が示唆された。