著者
辻田 眸 川原 夕季 塚田 浩二 椎尾 一郎
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. UBI, ユビキタスコンピューティングシステム (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.7, pp.1-6, 2011-05

通信技術の発達により,昔に比べると遠距離間でもコミュニケーションをとりやすくなっている.しかし時差がある場合,相手の時間等を気にする必要があり, コミュニケーションをとることが難しい.そこで,我々は時差を考慮した遠隔コミュニケーション支援システムを提案する.その具体例として "AsyncDecor","CU-Later" について述べる.これらは遠隔地の相手の行動をリアルタイムに伝達するのではなく,時差の分だけずらしてその行動を伝達するシステムである.本稿では AsyncDecor, CU-Later の概要と具体例について述べ,今後の展望について示す.It is easier to communicate with remote partners than ever before since various means of communication become widespread recently. However, remote communication issues for people living in different time zones are still not resolved. In these cases, most people often worry about her/his partner, since they have only limited time to communicate with each other. To address this problem, we propose the two communication system considering time difference - the AsyncDecor system and the CU-Later system which support remote communication of partners considering the time difference between two locations. AsyncDecor and CU-Later can transmit an activity of a user to her/his partner who lived in another time zone after several hours (decided by the time difference) the original activity occurred.. We discuss the design of this system and future prospects.
著者
沖 真帆 塚田 浩二 栗原 一貴 椎尾 一郎
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.1586-1598, 2011-04-15

本研究では,家庭内の様子をオルゴールのメタファを用いて音で提示するインタフェース「イルゴール」を提案する.イルゴールの背面に設置したぜんまいを巻いてふたを開くと,オルゴールのBGMに乗せて,過去の家庭の音が聞こえてくる.このように,オルゴールで過去の思い出を振り返るような感覚で家庭の様子を知ることができる.本論文では,実験住宅に複数のセンサを設置してユーザの行動を取得し,イルゴールを用いて生活状況が確認できるかを検証した.We propose a music-box-type interface, "HomeOrgel", that can express various activities in the home with sound. Users can also control the volume and contents using the usual methods for controlling a music box: opening the cover and winding a spring. Users can hear the sounds of past home activities, such as conversations and opening/closing doors, with the background music (BGM) mechanism of the music box. This paper describes the concepts, implementation and evaluation of the HomeOrgel system.
著者
塚田 浩二
出版者
独立行政法人産業技術総合研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究では,モバイル/ユビキタス環境において,なめらかな粒度の情報を傍受/操作できる新しいインタフェース技法の構築を目指す。本年度は,こうしたコンセプトに基づく具体的な応用例として,「WillCam:撮影者の興味を視覚化するデジタルカメラ」や,「イルゴール:家庭を奏でるオルゴール」などを提案した。WillCamは,時間・位置・温度・撮影者の表情といった周辺的なコンテキスト情報と,ユーザの興味の対象をアイコン化した上で,詳細な写真と一緒に保存するデジタルカメラである。さらに,シャッターを押す強さを圧力センサで検出し,写真や周辺情報への興味の強さを手軽に記録することができる。イルゴールは,家庭内に多数のセンサが組み込まれたユビキタスホーム環境において,オルゴールのメタファを用いて家庭の様子を音で表現する情報提示システムである。ユーザは,オルゴールのふたを開くことで,さまざまな生活音(e.g.話し声,ドアの音,キッチンの調理音)を通して家庭内の雰囲気を感じることができる。さらに,ふたの開閉度合いによって生活音の粒度(e.g.大きさ,数,種類)を制御したり,ぜんまいを回すことで過去の生活音を段階的に遡って鑑賞することもできる。今後は,システムの評価・改良を通して論文執筆や実用化を進めると共に,なめらかな粒度の情報提示/操作に着目したさまざまなユビキタス・インタフェースについて随時模索し,提案/試作を行っていく。
著者
辻田 眸 塚田 浩二 椎尾 一郎
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.18-28, 2010-01-26
被引用文献数
1

距離を隔てて暮らす人たちに,相手の存在感や振る舞いなどのアウェアネスを伝えることで,従来の電話やメールを補完もしくは置き換えようとする新しいコミュニケーションシステムが多数提案されている.本研究では,日常生活における行動の偶然の一致が,話題のきっかけ,親近感,連帯感などをもたらすことに着目し,遠隔地にいる人々の行動が偶然一致したことを伝達する,新しいコミュニケーションシステムを提案する.また,ドアの開閉,ソファーへの着席,テレビの視聴などを検出して一致を伝達するシステムを試作し,研究室間での評価実験を行った.さらに2家族間での遠隔実験の結果を示し,今後の展望を述べる.
著者
神原 啓介 塚田 浩二
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.2_172-2_182, 2011-04-26 (Released:2011-05-26)

ブログやSNS,ソーシャルブックマークなどのソーシャルウェブサイトの利用が進み,Web上で人とつながりを持ちコミュニケーションをすることが増えた.Web上での人とのつながりやコミュニケーションが増えると,優先的に見たい人の発言が他の人の発言に埋もれてしまう問題や,複数のウェブサイトに発言が分散してしまう問題,タイムラインのようなリストでは特定の人物を見つけにくいといった問題が起こる.そこで本研究では複数のソーシャルウェブサイトを横断しながら,優先的に見たい人がタイムラインに埋もれてしまうことなく,特定の人物を一目で見つけることのできるインタフェース「ソーシャル顔アイコン」を提案・試作した.ソーシャルウェブサイトの中にいる人をアイコンとしてデスクトップに置くことで人に対してより直接的にアクセスできるインタフェースを備えており,使い慣れたアイコンと同じように操作できる点や,発言の新鮮度や発言頻度といった時間軸情報を視覚的に分かりやすく表示する点が特徴である.
著者
森 麻紀 栗原 一貴 塚田 浩二 椎尾 一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.454, pp.69-72, 2008-01-17
被引用文献数
4

日常生活の中で欠かせない食事をより楽しくするために,我々は食卓の彩りに着目し,いろどりんシステムを構築した.本システムはまず,ユーザが盛り付けした料理を食卓上でカメラを用いて撮影し,取得画像から料理に使用されている色を分析し,彩り色(料理の彩りをよく見せるための色)を計算する.次に,得られた彩り色で柄を生成し,プロジェクタを用いて皿に投影する.これにより,ユーザがテーブルに置いた料理の,視覚的なおいしさの向上を実現する.