著者
外岡 豊
出版者
日本LCA学会
雑誌
日本LCA学会誌 (ISSN:18802761)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.126-133, 2017 (Released:2019-12-15)
参考文献数
21
被引用文献数
1 2

建物のLCAについては日本建築学会で検討され、その環境負荷原単位データベースの整備も継続的に行われ建物LCAソフトウエアと付随するデータベースが公開されている。本稿ではとくに住宅に注目して建築学会のLCA手法と環境負荷データベースについて紹介する。この環境負荷データベースは主として産業連関表基本表をもとに推計したものであり、LCA全般に応用できる。設計科学における客観的分析と主観的判断の適切な接合により、環境的に望ましい住宅の実現に寄与する実践的なLCA手法についても言及した。また社会的LCAへの拡張と、Hot Spots分析による重点項目への集中についても少し触れた。
著者
外岡 豊
出版者
環境技術学会
雑誌
環境技術 (ISSN:03889459)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.84-87, 2000-02-20 (Released:2010-03-18)
参考文献数
16
著者
大原 利眞 若松 伸司 鵜野 伊津志 安藤 保 泉川 碩雄 神成 陽容 外岡 豊
出版者
公益社団法人大気環境学会
雑誌
大気環境学会誌 (ISSN:13414178)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.6-28, 1997-01-10
被引用文献数
14

局地気象数値モデル(メソスケール気象モデル)と光化学反応を含む大気汚染物質の輸送モデル(光化学グリッドモデル)を組み合わせて, 夏季における光化学オキシダント高濃度現象の3次元数値シミュレーションモデルを構築し, 関東地域に適用して検証した。構築したシミュレーションモデルの特徴は, 4次元データ同化手法を用いた局地気象数値モデルと詳細な光化学反応を含む汚染質の輸送モデルを組み合わせた3次元モデルであること, 最新の光化学反応モデルと乾性沈着モデルを使用していること, 生物起源炭化水素の影響を考慮していること, 推計精度が比較的高い発生源データを使用していること等である。夏季の光化学オキシダント高濃度期間として, 立体的な特別観測が実施された1981年7月16日4時から42時間を対象に, 本モデルを用いてシミュレーション計算した。その結果, 光化学オキシダント及びNO_X, NO_2濃度の地域分布や時間変動パターン等について良好な現況再現性が得られた。また, 米国EPAによって示されているモデルの目標水準と比較した結果, その水準を上回っていた。更に, 航空機観測によって得られた上空濃度分布も定性的には再現することができた。
著者
外岡 豊
出版者
JAPAN TECHNICAL ASSOCIATION OF THE PULP AND PAPER INDUSTRY
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.10, pp.1420-1431,019, 2003-10-01 (Released:2010-10-27)
参考文献数
13

20世紀後半は巨大資本のビジネス競争により世界的な大量消費がなされ世界的な資源の枯渇と環境の破壊を招いた。オゾン層破壊, 気候変動, 化学物質汚染など地球史的にも異常体験といえる時代であった。持続可能的発展と簡単に言うが20世紀後半の延長上には持続可能社会への入り口さえ見つからないであろう。持続可能社会への再出発点として3千年紀の人類社会の方向性を考え, 20世紀後半の異常性を再確認して21世紀前半の日本のあり方を考える。地球温暖化問題はその再出発への合図となる。
著者
黄 錚 外岡 豊 王 青躍 坂本 和彦
出版者
環境科学会
雑誌
環境科学会誌 = Environmental science (ISSN:09150048)
巻号頁・発行日
vol.22, no.5, pp.348-361, 2009-09-30
参考文献数
30

都市大気汚染問題は古くて新しい課題である。多くの先進国の都市が経済発展の過程で二酸化硫黄等による厳しい大気汚染を経験してそれらの汚染物質排出量が顕著に削減されていったが,近年自動車による都市交通量の増加で窒素酸化物等による新しい都市大気汚染が問題になっている。一方,発展途上国は急速な都市化で短期間の間に先進国が今まで経験した様々な大気環境問題に対処しなければならなくなっている。発展途上国が経済発展をさせながら都市大気環境を同時に改善しうる可能性を見出すために,先進国の都市大気環境の汚染対策史からどのような汚染対策を学ぶべきかという立場から,本稿では環境クズネッツ曲線を用いて大気汚染物質である二酸化硫黄と二酸化窒素を中心に,2008年のオリンピック開催地の中国北京の大気汚染対策と戦略に注目し,オリンピック開催経験のある先進国の都市との比較を試みた。その結果,各都市では二酸化硫黄対策では環境クズネッツ曲線の変化が見られたが,二酸化窒素の場合,先進国では対策の取り遅れのため低減傾向が見られなかった。一方,後発的な都市である北京では,先進国で実施中の対策を早い段階で取り入れたことによると推定される削減効果が見られた。これらの結果は,環境クズネッツ曲線が当てはまるという確証は得られなかったが,それを前提とする解析では,発展途上国は先進国の経験から学び,先進国で現在実施中のより効果的な環境対策を積極的に実施することによって早い段階で環境改善の方向に向かうことができるという可能性を示唆していた。
著者
外岡 豊 三浦 秀一
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
学術講演梗概集. D-1, 環境工学I, 室内音響・音環境, 騒音・固体音, 環境振動, 光・色, 給排水・水環境, 都市設備・環境管理, 環境心理生理, 環境設計, 電磁環境 (ISSN:13414496)
巻号頁・発行日
vol.2002, pp.1021-1022, 2002-06-30

COP 3から5年、今秋ヨハネスブルグで開催されるリオ+10での京都議定書発効をめざして日本政府も6月初旬の批准が予定されている。その削減目標90年比6%削減を達成するための国内対策実行計画として2002年2月19日日本政府は4年ぶりに改訂された地球温暖化対策推進大綱 (新大綱) を発表した1)。2010年の温室効果ガス排出量は従来対策だけでは90年比7%増大と予測、追加対策による13%削減が必要とした。国内CO2排出量は90年比±ゼロ%とし、産業-7%、民生-2%、交通+17%、代替フロン+2%とした。民生部門の90年比-2%は1999年比-13%に相当する。筆者等はかねてから日本の民生部門温室効果ガス排出実態解析と対策検討2)〜6) を行って来たが本報告では住宅でのCO2排出削減対策に対象を絞って削減可能性を評価する。