著者
宮崎 謙一 石井 玲子 大串 健吾
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.50, no.10, pp.780-788, 1994-10-01
被引用文献数
2 1

単独に提示された音の音楽的音高名を音高コンテクストとは無関係に絶対的に同定することができる絶対音感の能力は、従来から音楽に深い関わりを持つ能力とされてきた。しかし音楽が本質的に相対的音高関係の上に成り立つものであることを考えると、この絶対音感の能力が音楽にとってどのような意義を持つものであるかが問題となる。そこで、絶対音感を持つ音楽専攻の大学生が、相対的音高関係をどのように認知するかを調べる目的で実験を行った。絶対音感テストの結果から、被験者を3グループに分けた。実験課題は、音譜で視覚的に提示されたハ長調の7音メロディと、ハ長調、1/4音低いホ長調及び嬰ヘ長調の3通りのいずれかの調で聴覚的に提示された7音メロディとが旋律的に同じか違うかを判断することである。実験の結果、どのグループもハ長調でメロディが提示された場合に比べて他の調で提示された場合に正答率が低下し、反応時間も長くなるという結果が得られた。また、正確な絶対音感を持つグループでは、絶対音感と巧妙なストラテジを組み合わせて判断したものが多くみられた。これらの結果から、音楽的音高処理において絶対音感が持つ問題点について考察した。
著者
桑原 尚夫 大串 健吾
出版者
電子通信学会
雑誌
電子通信学会論文誌 A (ISSN:03736091)
巻号頁・発行日
vol.66, no.6, pp.p545-552, 1983-06
被引用文献数
18
著者
桑原 尚夫 大串 健吾
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:03736091)
巻号頁・発行日
vol.J69-A, no.4, pp.509-517, 1986-04-25

声道特性と音声の個人性との関係を調べるため,ホルマント周波数とバンド幅を独立に制御するピッチ同期分析合成システムを構成し,自然音声に含まれるそれらのパラメータを制御した音声を合成して個人性判断の実験を行なった.その結果,ホルマント周波数,特に第3以下の低次ホルマント,のシフトに関しては個人性は敏感であり,一様シフトに対して5%で個人性が失われる.バンド幅の伸縮に対しては比較的よく保存されるが,第4以上の高次ホルマントの伸縮に敏感である.一様伸縮に対しては5倍あるいは1/5倍以下で完全に個人性が失われる.
著者
大串 健吾
出版者
京都市立芸術大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1994

音律には、平均律、純正律、ピタゴラス音律をはじめ多種類のものが存在するが、現在ではほとんどのピアノが基本的には平均律に従って調律されている。しかし、著名な音楽学者による、平均律による調律を否定し古典調律を支持する意見が出版されている。もしこの意見が正しければ、現在のピアノの調律をすべて見直す必要がある。しかし、この意見は多くの聴取者による客観的なデータに基づくものではなく、個人的な印象に基づくものである。そこで、多くの聴取者による聴取実験を行い、上の意見が客観的に正しいかどうかを調べた。実験においては、電子ピアノによる同一演奏を、古典音律であるヴェルクマイスター音律、キルンベルガ-音律および平均律、純正律、ピタゴラス音律の5種類によって録音し、音楽を専攻する学生、専攻しない学生の多数の評定者を用いた聴取実験を行った。演奏曲目は、バッハ、モ-ツァルト、ベートーヴェン、シェーンベルクの作品の中から、ハ長調、ホ長調、嬰ハ長調、無調などのさまざまな調性を選び、実験方法も一対比較法と評定尺度法の両者を用いた。実験の結果、ほとんどすべての場合に平均律による演奏が最も好ましいと判断された。すなわち、古典音律による演奏が平均律による演奏よりもすぐれているという結果は得られなかった。これまでの研究で、旋律のみの演奏においてはピタゴラス音律が優れ、また和音のみの演奏においては純正律が優れていることが知られていたが、われわれの実験結果では純正律とピタゴラス音律の中間的な性質をもった平均律が最も好ましいという結果になったことは極めて妥当なことだと考えられる。
著者
黒住 幸一 辻本 廉 小宮山 摂 盛田 章 大串 健吾 氏原 淳一
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.42, no.6, pp.579-587, 1988-06-20
被引用文献数
16

ハイビジョンは, 精細度の高い映像を大画面に写し出すので, 従来のテレビと比較して視覚的に臨場感をはるかに高めることができる.しかし, この映像の効果にふさわしくハイリアリティー視聴空間を再生できるステレオ音声方式については, まだ充分な検討がなされていない.そこで, 音声のチャンネル数およびスピーカ配置の異なる種々のステレオ音声方式について検討し, ハイビジョン映像とステレオ音声方式の組み合わせによる心理的効果を主観評価実験を行って調べた.その結果, 前方に3つの音源を, 後方に1つの音源を配置する3-1方式4チャンネルステレオが, 最もバランスのとれた優れた方式であることが明らかになった.このステレオ音声方式の特徴は, 画面の中心軸上から横にずれた位置で視聴しても映像の方向と音像の方向がよく一致すること, 広い視聴範囲にわたって豊かな臨場感を再生できること, 映画音響と互換性の良いことである.