著者
大森康正 若麻績裕子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.4, pp.1-8, 2013-06-29

我々は,タブレット端末を 1 人 1 台利用する幼児教育の在り方につて検討を行なっている.平成 25 年 10 月から 12 月の間に信学会佐久幼稚園において実践されたタブレット端末を活用した幼児教育の実証講座を対象として,幼児教育におけるタブレット端末の活用の可能性について検討を行った.その実証講座に参加した園児の保護者アンケートと保育者 (授業者) の体験から得られた知見から,タブレット端末は,幼児の学びに対する興味・関心を引き出す機器として有効であり幼児の直接体験を広げる教材であることがわかった.本報告では,まず,実証講座の様子及びアンケート結果等に基づきタブレット端末の有効性について考察する.その後,幼児,保育者,保護者の 3 者が関与し,直接体験において活用可能な教材の基本的な考え方と,教材の仕組みなどについて述べる.
著者
斉藤 豊 斉藤 奨 大森 康正 山田 光太郎
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.7-16, 1964
被引用文献数
2 7

カメムシ類は果樹を食害する農業害虫として重要視されていることは衆知の事実であるが, 近年それによる直接的人体被害も若干しられている.素木(1958)はクロカメムシの臭液腺分泌物が人の眼に入ると結膜炎視力障害等をおこし, 直接皮膚に付着するとその部に水胞を形成する皮膚炎が生じ, 特に乳児はその感受性大なることを紹介している.東北地方の山地では毎年の秋(9月下旬〜10月中旬頃)クサギカメムシの成虫が越冬のため大挙人家内に侵入しここで越冬したのち雪も消え温暖となつた若葉の候(5月頃), 一斉に野外へ飛び出ることがわかつている.その間この虫は屋内いたるところのすき間に見出されるばかりでなく, 衣類・寝具類にまで潜入するにいたる.室内の温度が上昇すると彼等は冬眠から覚めて小活動を開始して歩き廻るばかりでなく, 更に何かの刺激に対し容易に反応して臭液腺より分泌された臭液のため室内は特異的な悪臭で充満されるので, 頭痛, 嘔吐, 食欲不振等を訴える人がしばしばあり, 秋の観光客等もこの不快昆虫のため顔をそむけて宿泊せずに引返すことすらある現状であると聞く.ところがたまたま本年初夏新潟県衛生部からこの不快昆虫の撲滅対策について強い要望があつた.そこで我々はこの機会に本県山地特に新潟県営発電所を中心にして, カメムシ類特にクサギカメムシの生態調査, 殺虫試験等について諸観察を行ないうることが出来たので, ここにその諸結果を記述する.
著者
大森 康正 斉藤 奬 松井 繁巳
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.191-193, 1960

本年(1960)6月中旬頃, 新潟市山ノ下地区に黒い小さなハエが非常に多く発生しているという情報が同市東保健所に入つた.その後, 本種は一時下火になつたかのように見えたが, 梅雨の明けた7月中旬頃から山ノ下地区から約1kmはなれた市内沼垂の貯木場付近一帯に再び大発生し, 近くの民家に侵入して住民を悩し始めた.本種は同定の結果, Drosophila virilisクロショウジョウバエと判明した.新潟市内のショウジョウバエについては筆者らの一人斉藤が1957年に調査しているが, 今回の発生は当時の採集量に比べて問題にならぬくらいの大発生である.筆者らは今回の異常発生について発生源その他を調査し, 併せて殺虫剤散布も試みたので, その成績を紹介したい.
著者
斉藤 奨 大森 康正 松井 繁己 小松原 忠知
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.229-232, 1962

新潟県で採集されたショウジョウバエは2科5属23種であり, そのうち新潟市では2科4属18種が得られた.主な3種, カオジロショウジョウバエ, オオショウジョウバエおよびキハダショウジョウバエの季節的消長をみると, いずれも7月中旬に山を形成したほかオオショウジョウバエは10月下旬に, キハダショウジョウバエは11月上旬に再び山を形成する双峰型の消長を示した.その他の種はほとんど秋季に主として採集された.なおクロショウジョウバエの異常発生が1960年と1961年の2カ年にわたり梅雨明けにみられた.