- 著者
-
永田 久雄
大野 央人
小美濃 幸司
- 出版者
- Japan Ergonomics Society
- 雑誌
- 人間工学 (ISSN:05494974)
- 巻号頁・発行日
- vol.32, no.1, pp.1-9, 1996-02-15 (Released:2010-03-12)
- 参考文献数
- 22
- 被引用文献数
-
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本論において, 立位姿勢保持に及ぼす靴ヒール高の影響を, 開発したリニアアクセラレータを用いて実験的に究明した. 20歳前後の12人の女性を一連の実験に参加させ, 裸足とヒール高の異なる4種類の靴別に, リニアアクセラレータの走行台上に乗せて, 倒れるまで立位姿勢を保つようにさせた. 加速パターンは時間軸に対してステップ状の波形となるようにした.検査結果から, 水平加速外力を負荷した場合, 姿勢バランスを失わせる限界加速値とその持続時間の逆数とに直線的な関係がみられた. 姿勢前方へ加速外力を負荷した場合には, ハイヒールと裸足での限界加速値に有意差がみられた. また, 姿勢前方へ加速外力を負荷した場合には, ハイヒール (ヒール高89mm) はローヒール (ヒール高12mm) と比較して, 限界加速値が38%減じている. 立位姿勢の保持限界の観点からは, 靴ヒール高は30mm以下が推奨できる.