著者
守屋 和幸 広岡 博之
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.89, no.1, pp.1-6, 2018-02-25 (Released:2018-03-23)
参考文献数
5

各要因のグループ(水準)内のデータ数が等しくない不釣り合いデータの分散分析には,最小2乗分散分析法が用いられ,平均値には通常の算術平均値ではなく他の要因や回帰変量に影響されない最小2乗平均値が使われる.本研究では,オープンソースのフリーソフトウェアRパッケージによる最小2乗分散分析法と最小2乗平均値の算出手順を紹介し,回帰変数を含む2元配置試験の数値例を使って,Rによるプログラムと実行結果を例示した.
著者
高柳 誠二 守屋 和幸 野村 哲郎 道後 泰治 佐々木 義之
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.286-290, 1996-03-25 (Released:2008-03-10)
参考文献数
17
被引用文献数
1 2

品種全体に対して種雄牛の供給という役割を持ち,閉鎖牛群として維持されてきた兵庫県黒毛和種の集団構造を明らかにするために血統分析を行った.材料としては,1960,1970,1980および1988年に兵庫県で生産された黒毛和種登録雌牛から得られた無作為抽出標本(各年次200頭)を用いた.その結果,種雄牛の多様性は1960~1970年の間および1980~1988年の間で大きく減少した.また,F-統計量についてみると,平均近交係数(FIT)および無作為交配下で期待される近交係数(FST)は年次とともに上昇したが,1980年以降はFIT<FSTとなった.したがって,集団分化に起因する近交係数(FIS)および集団分化指数は次第に減少した.さらに,集団の有効な大きさは1960年から1988年の間に262から8となった.以上の結果より,兵庫県の黒毛和種集団では,遺伝的均一化および集団の有効な大きさの縮小が生じ,近年,その傾向がさらに強まっていることが明らかになった.
著者
岡田 昌也 山田 暁通 吉田 瑞紀 垂水 浩幸 粥川 隆信 守屋 和幸
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.229-243, 2004-01-15
被引用文献数
20

DigitalEE II(Digitally Enhanced Experience)システムは,環境学習研究の未解決重要課題``現実経験と仮想経験の実時間融合に基づく環境学習''を実現する.本システムで,自然環境の実参加者と遠隔地の仮想参加者は,音声・映像情報を介し実時間で環境学習活動を共有できる.空間的分散状況下の両参加者の存在は,モバイルサイバースペースIIという協調活動の``場''にアバタとして投影される.両参加者の位置情報はこの``場''を介して共有され,現実世界と仮想世界における同一時空間の仮想的共有に基づく相互作用が実現される.DigitalEE IIの評価実験は,現実世界と仮想世界における情報格差が両参加者からその格差補完への欲求を引き出し,両者の相互作用を促進したことを示した.また,本実験は,両参加者の環境への関心・気付きなどを向上させた.これらは仮想世界表現に媒介された協調活動の新たな可能性と,DigitalEE IIによる環境学習効果を示す結果である.The DigitalEE II (Digitally Enhanced Experience) system realizes an important unsolved issue in research on environmental learning, which is ``environmental learning based on realtime mixture of real and virtual experiences''. The system enables real participants in nature and virtual participants at remote locations to share environmental learning activities in real time via voice and visual information. Avatars in mobile cyberspace II, an online space for collaboration, express existence of the distributed participants. Both participants share their positional information via the space, and make interaction while sharing the same time and space between real and virtual worlds. Verification experiments on DigitalEE II showed that information gaps between the two worlds drew out both participants' motivation for complementing the gaps, and encouraged their interaction. The experiments raised participants' environmental interests and awareness, etc. These results showed learning effects of DigitalEE II as well as new possibilities of the collaboration mediated by virtual-world expressions.
著者
守屋 和幸 吉村 哲彦 北川 政幸 小山田 正幸 杉本 安寛
出版者
Japanese Society of Animal Science
雑誌
日本畜産學會報 = The Japanese journal of zootechnical science (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.74, no.2, pp.229-234, 2003-05-25
参考文献数
11
被引用文献数
2 2

林内放牧牛にGPS受信機を装着し,同時に実施した行動調査の結果とGPS測位記録とを用いて調査牛の行動履歴の解析を行った.2001年8月27日から9月1日(8月30日のみ雨天)に,スギ人工林(約1.4ha)に放牧されている黒毛和種繁殖雌牛4頭のうち2頭にGPS受信機を装着し,10秒間隔でGPS測位記録を収集した.あわせて,1分間隔で調査牛の行動を移動・佇立・採食・横臥・反芻に分類して記録した.このうち採食行動については採食した植物種も記録した.調査牛は周囲が開けている高台の休息場所と低地の水飲み場との間を往復しながらその途中で採食する行動をとった.調査牛の行動は,移動(10%),採食(40%),その他(50%)であった.調査牛はススキに対する採食頻度がもっとも高く,次いでワラビ,クズの順であった.