著者
野村 祐基 磯村 太郎 板井 陽俊 安川 博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIS, スマートインフォメディアシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.575, pp.7-12, 2007-03-01
被引用文献数
6

人の足音は歩き方や履物の種類,床面などの環境によって違いが現れる.足音を用いて個人を特定することができれば,セキュリティシステムの一環への利用が期待出来る.他にも,左右の足音のばらつきや歩き方を分析することにより,骨格のバランスや健康状態の推定に利用できる可能性がある.このように,足音の識別が可能となれば,様々な分野への応用が考えられる.歩行足音を用いた個人識別に関する研究は幾つか紹介されているが,従来の研究では特徴量抽出を中心に議論されている場合が多い.歩行足音は音声等と同様に時間変化する信号であり,足音が継続する時間長は非線形に伸縮すると考えられる.本稿では,収録した歩行足音に短時間フーリエ変換を施し,周波数成分のコサイン距離の総和をDPマッチングで求めるという手法を利用して個人識別を行った結果を示す.
著者
田中 宏宜 板井 陽俊 安川 博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIS, スマートインフォメディアシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.467, pp.7-10, 2014-02-27

人間の足音には固有の特徴があり,我々は足音を聞くことで個人を認識することがある.近年,歩行足音による個人識別が可能であることが示され,足音の解析や識別率の向上に関する研究が進められるとともに,足音から様々な情報を抽出するシステムへの応用が期待されている.足音を用いた個人の自動判別が可能となればセキュリティシステムの一環として防犯対策,早期犯人逮捕などに貢献できるシステムを実現できる.本研究では従来研究では適用されていないHMMを用いた歩行足音の識別を試みる.
著者
野村 祐基 磯村 太郎 板井 陽俊 安川 博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.239, pp.73-77, 2007-09-21
被引用文献数
2

近年,歩行足音を用いた個人識別に関する研究が進められている.従来の研究では特徴量抽出を中心に議論されている場合が多い.著者らは歩行足音のスペクトルに対してDPマッチングを適用することで個人識別が可能であることを示した.しかし,観測波形に含まれる足音の開始位置を既知として足音部分の波形を切り出して処理している.本稿では足音の開始位置が未知とした場合のリアルタイム処理を考慮したDPマッチングによる識別方法を検討し,その結果を示す.
著者
安川 博 足立 整司 畑 雅恭 内匠 逸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. VLD, VLSI設計技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.143, pp.183-187, 2001-06-21
参考文献数
6

地殻変動により地殻から放射される電磁波は地殻変動から発生する地震などの前兆として観測されることがしられている.筆者らは検出法として信号処理による方法を提案しており、更に性能改善の方法について検討した.本稿ではこの地殻放射電磁波に対する前兆を検出するための手法について提案を行なった.観測信号は通常、熱帯地方での大気放電等のため背景雑音を伴っている.全国40箇所以上の観測地点からの得られる地震による電磁波放射データから地殻異常電磁波として検出する.将来の予知システム構築にも有効な聴覚的ディスプレイについても述べる.
著者
加藤 徳人 丹羽 伸二 安川 博 田口 亮
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WBS, ワイドバンドシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.194, pp.77-81, 2003-07-10

近年、地上波ディジタル放送やテレビのデジタル化,デジタルカメラなど,映像資料をデジタルデータとして扱うことが一般化されている.このため,画像の幾何学的処理が頻繁に行なわれ,中でもデジタル画像は拡大変化に向いていない.研究がなされている画像拡大手法として,周波数解析による高周波数成分の推定を伴う拡大法が提案されているが,各階層の相関が弱い画像では効果が低いという問題点が生じてしまう.また, Bezier曲面を使用する画像拡大手法が従来方式として提案されている.この手法では各画素がエネルギーを持っていると仮定し,各画素間のエネルギを保存しながら画像拡大を行なう.本稿では、拡張性の高いBスプライン曲面を使用する方法を提案し,さらに、拡大画像の評価方法としてPSNRを用いて拡大画像を客観的に評価した.
著者
水谷 春菜 板井 陽俊 安川 博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.28, pp.61-65, 2011-05-05
参考文献数
19

人間の歩行足音は歩行のくせなどから固有の特徴を有し,我々はその特徴から個人や歩行者の状態を認識することがある.近年,歩行足音を用いた個人識別や歩行者数推定に関する研究が進められており,様々なサーベイランスシステムヘの応用が期待されている.我々はたびたび歩行者の性別を歩行足音から識別することがあり,その自動判別が可能となれば映像情報を伴わない客層の自動収集システムが実現できる.本研究では新たなサーベイランスシステムの構築を目指し,歩行足音を用いた男女識別に関する基礎検討を行なう.
著者
畑 雅恭 井手口 哲夫 安川 博 内匠 逸 奥田 隆史 北村 正 足立 整治 山口 栄作 田 学軍
出版者
中部大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1999

1.大気環境で計測される放射電磁波の一部は、地殻からの放射である事が観測と研究を通じて明らかになった。高感度な観測機器システムを開発し、北海道釧路から九州熊本まで中部日本を中心に約40個所の観測点を配置し、3軸磁界6秒毎の観測を24時間体制で実施し、地震・火山噴火活動に対応した電磁波前兆を検出し、事象との対応の調査と取得データの解析を行った。2.2000年夏の三宅島火山噴火活動、2001年春の静岡県中部地震活動、秋から暮れにかけて富士山低周波地震活動、2002年春より伊勢湾周辺の潜り込むフィリピン海プレート境界での地震の多発、2002年2月中旬より宮城県北部や県沖での地震活動、2003年初めより東海道沖地震活動など多くの地殻活動イベントが発生したが、それらに対応した特異な電磁放射を観測でき、多くのデータを収集した。大規模な平成15年5月の三陸南地震M7.0では、宮城県北部で約1年3ヶ月の長期の電磁波前兆が観測され、事態の推移をフォローした。観測点周辺の地殻異常の判断が正しかったことと、1年程度の事前放射異常の存在が確認された。観測事象のネットワーク公開も平成13年秋より実施し多数の閲覧を得ている。3.電磁波の放射状態から地殻歪の集積状態やその移動・推移状態が推定できれば、事態を予測する上で意義が高い。音響学的解析により、放射特徴量の抽出とパターン化、およびそのデータベース化を行った。地震の前に標準パターンからの偏移異常が発生したことを確認した。また、デジタル信号処理による独立成分解析によって熱帯雷放射雑音の分離除去が可能となった。また主成分解析によって前兆放射の特徴抽出、電磁放射領域の特定について評価し成果を得ることができた。4.活動の予測される地域を垂直電磁放射波の検出範囲である約20kmメッシュ毎に詳細観測すれば、地震・火山噴火の規模と活動域のほか事態の推移について多くの情報が得られることがわかった。今後、関東南部、東南海等の活動の予測される地域において、電磁波前兆観測の性能と限界を評価する必要がある。
著者
安川 博 板井 陽俊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIS, スマートインフォメディアシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.95, pp.67-72, 2006-06-08
被引用文献数
4

近年,安全な社会を構築する一つの要素としてセキュアシステムが注目されている.指紋や画像を用いた個人認証システムは高度なセキュアシステムを実現するが,処理能力やコスト面等の課題が多く存在する.音による識別はセキュリティシステムに関して,電子タグや指紋認証のようなIDとしての完全性は求めるべくもないが,その不完全さ故のソフトセキュアシステムとしてのニーズも一方では高まるのではないかと期待される.本稿では,映像以外の情報として音(環境音)に注目し,サーベイランスシステムへの活用の可能性を探る.はじめに歩行足音を用いた個人識別の研究動向と環境音の音源分離・識別の研究例を紹介し,技術的課題と今後の展望について述べる.