著者
宮崎 有紀子 佐藤 由美 大野 絢子
出版者
The Kitakanto Medical Society
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.261-266, 2002-07-01 (Released:2009-10-21)
参考文献数
16

【背景・目的】室内環境の清潔保持は, 健康な生活を営むために重要である.その方策を立てるため, 室内の塵埃量やダニ抗原量の季節変動, 床材の種類とコナダニ(ダニ)数, 適切な塵埃除去等を検討した.【対象と方法】室内の塵埃量とダニ抗原量の測定は, 電気掃除機及びACAREX testによって行い, 塵埃中のダニ数測定は実体顕微鏡によって行った.【結果】室内塵埃量は冬季から春季にかけて増加し, 塵埃中のダニ抗原量は秋期に増加した.ダニは絨毯敷き詰めの部屋に多くみられ, 板敷きでも清掃しない部屋には多かった.電気掃除機による塵埃除去効率は, 床材の種類で大きく異なり, また掃除機の使用法が塵埃除去効率をあげるために重要と思われた.【結語】室内の清潔を保つためには, 塵埃やダニ抗原量を減らすことが重要である.今回得られたデータを活用した環境整備マニュアルを作成し, 学生や地域住民に対する環境整備教育に使用する予定である.
著者
倉林 しのぶ 芝山 江美子 宮崎 有紀子 李 孟蓉 尾島 喜代美 風間 順子
出版者
日本生命倫理学会
雑誌
生命倫理 (ISSN:13434063)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.76-86, 2014-09-26 (Released:2017-04-27)

本調査では、「虐待」および「虐待」のグレーゾーンともいえる「不適切な行為」の認識に影響を及ぼす因子と、その「気づき」を促すための方策を探ることを目的に介護関連施設職員240名を対象にした自記式無記名による質問紙調査を実施した。その結果、「虐待」として認識率が高いものは、"高齢者への被害が明らかな行為"であり「不適切な行為」としては、"高齢者本人に直接的な侵襲がないと思える行為"があがった。30%以上が「問題ない」と認識した行為はいずれも「安全優先」「施設都合」「家族優先」のいずれかが背景にあった。また、職種別による「虐待」の認識率は「介護福祉士」が最も高く、経験年数別では、「3年以上」が「3年未満」より高率であった。虐待や不適切行為を捉える能力は教育だけで身に付くものではなく、介護の実践経験を積むことで養われる能力の存在も示唆され、人材養成教育や職員教育の充実とともに、実践現場における事例検討等を含めた教育継続が必要である。また、対象者への直接的な侵襲がない行為でも守秘義務や自律尊重に関わる倫理的問題が含まれている場合があり、それらを見極める能力を高めることも必要と思われた。
著者
宮崎 有紀子 芝山 江美子 大野 絢子 佐藤 久美子
出版者
高崎健康福祉大学
雑誌
高崎健康福祉大学紀要 (ISSN:13472259)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.25-37, 2008-03

【目的】室内の環境を清潔に保つことは、アレルギー疾患予防との関連はもとより、心身の健康を保つためにも重要である。我々は、人々が生活環境の清潔保持にどのように関心を寄せ、行動しているかを明らかにする目的で、群馬県内一般家庭の家事担当者を対象に、室内環境整備に関する関心度や清掃方法の知識習得、室内清掃や寝具管理の実状、アレルギーの有無などを調査し、その実態を明らかにした。【方法】家事担当者1,576人を対象として、清掃に関する意識や行動、居間、寝室、浴室、トイレなどの整備状況、寝具の種類と管理状況、室内塵埃中のダニに対する知識及びアレルギーの有無などに関する質問票を作成し、無記名自己記入式により調査した。調査結果は、SPSSによって統計処理した。【結果】調査結果は若年層(39歳以下)、中年層(40〜59歳)、高年層(60歳以上)の3グループに分けて分析した。自分を「きれい好き」と思う者は高年層に多く、清掃を行う理由は、各年齢層とも「清潔は気持ちかよいから」が多かった。掃除方法は「母から教わった」が各層とも過半数を占めたが、若年層では、「教わったことがない」が34.2%に上った。居間や寝室の整備状況では、項目によって高低の差がみられたものの各層ともかなりよく行われており、布団の目先乾燥、シーツの洗濯など寝具管理でも各層ともよく行われていた。大掃除は「年1回」が最も多く、「ほとんどしない」も10%以上みられた。ダニやダニカット製品に関する調査では、若年層が中、高年層と比較してより多くの知識を持っていた。【まとめ】本調査の結果から、ほとんどの対象者は室内環境整備への関心が高く、環境整備はかなりよく行われていることがわかった。若、中、高年層間に大きな差はみられなかったが、「専門的な指導を受けたことがない」との回答が多かったことから、整備行動の質を保つためには、今後室内環境整備の具体的方法を教育することが必要と思われる。
著者
中下 富子 伊藤 まゆみ 星野 泰栄 宮崎 有紀子 佐光 恵子 大野 絢子
出版者
上武大学
雑誌
上武大学看護学部紀要 (ISSN:1880747X)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.17-33, 2006-03-10

現在訪問看護職が提供している在宅看護技術について実施頻度と難易度を明らかにし、今後の在宅看護・介護技術研修プログラム再構築の資料とすることを目的とした.対象は、G県内訪問看護ステーションの施設代表者及び訪問看護職とした.結果、在宅看護技術実施頻度の高位は、清潔、バイタルサイン、日常生活動作の基本的な看護技術とされる項目であった.在宅看護技術難易度の高位は、ターミナル状態や認知の問題へのケアといった精神的ケアの要求される項目及び医療処置といった技術性の高い項目であった.また、訪問看護経験年数と実施頻度との正の相関が大分類11ケア項目にみられ、経験年数が増すほど、ケアの実施頻度も増す傾向が認められた.実施頻度と難易度との負の相関がバイタルサインズ・問題兆候やターミナル状態のケア、医療処置にみられ、実施頻度の高い項目ほど難易度を低く評価している傾向が認められた.