著者
阿部 なつ江 金松 敏也 末次 大輔 山崎 俊嗣 岩森 光 安間 了 平野 直人 折橋 裕二 原田 尚美 富士原 敏也
出版者
日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.57, pp.189-189, 2010

海洋研究開発機構・海洋研究船「みらい」によるMR08-06航海(通称:SORA 2009: South Pacific Ocean Research Activity 2009)は、南太平洋および沈み込み帯における地質学・地球物理学的研究ならびにチリ沖における古海洋環境変動復元研究を行う事を目的とし、平成21年1月15日(木)関根浜出港 ~ 平成21年4月8日(水)バルパライソ入港までの計84日間、3レグに渡り実施され,レグ1は、1月15日関根浜出港~3月14日バルパライソ入港までの59日間実施された。そのレグ1における航海実施概要と,太平洋横断中の海底地形・重力の測定結果を発表する。
著者
村山 雅史 谷川 亘 井尻 暁 星野 辰彦 廣瀬 丈洋 富士原 敏也 北田 数也 捫垣 勝哉 徳山 英一 浦本 豪一郎 新井 和乃 近藤 康生 山本 裕二 黒田郡 調査隊チーム一同
雑誌
JpGU-AGU Joint Meeting 2020
巻号頁・発行日
2020-03-13

黒田郡遺構調査の目的で,高知県浦ノ内湾の最奥部(水深10m)から採取した堆積物コアを解析した。当時の海洋環境や生物相の変遷履歴も復元することもおこなった。高知県土佐湾の中央部に位置する浦ノ内湾は,横浪半島の北側に面し,東西に細長く,12kmも湾入する沈降性の湾として知られている。高知大学調査船「ねぷちゅーん」を用いて、バイブロコアリングによって4mの堆積物コアが採取された。採取地点は,周囲からの河川の影響はないため,本コア試料は,湾内の詳細な環境変動を記録していると考えられる。採取されたコア試料は,X線CT撮影,MSCL解析後,半割をおこない肉眼記載や頻出する貝の採取,同定をおこなった。 堆積物の岩相は,olive色のsity clayであり,全体的に多くの貝殻片を含む。コア上部付近は,黒っぽい色を呈し強い硫化水素臭がした。また,コア下部に葉理の発達したイベント堆積物が認められ,その成因について今後検証する予定である。
著者
小平 秀一 富士原 敏也 中村 武史
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.118, no.9, pp.530-534, 2012-09-15 (Released:2013-01-26)
参考文献数
14
被引用文献数
2

2011年東北地方太平洋沖地震では,海溝軸周辺までの断層破壊に伴う海底変動が大きな津波の原因と考えられているが,地震に伴う断層運動の上限は正確に見積もられておらず,巨大津波の成因は未解決のままであった.そこで,海溝軸周辺の海底地形変動を明らかにするため,地震発生直後にマルチナロービーム音響測深機により取得した海底地形データを,地震前の海底地形データと比較した.その結果,海溝陸側で海溝軸まで及んだ大きな偏差が確認された.この偏差から地震に伴う海底変動を見積もったところ,海溝陸側が東南東方向に50 m水平に移動して,10 m隆起していると推定された.この大きな水平変動によって,海溝軸陸側の急斜面では,実効上10−20 mの大きな隆起をもたらし,数値モデリングによると,この変動が今回の地震に伴う巨大津波の原因と考えられる.
著者
阿部 なつ江 馬場 聖至 荒井 章司 富士原 敏也 杉岡 裕子 鈴木 勝彦 山野 誠 平野 直人 中西 正男 道林 克禎 石川 正弘 町田 嗣樹 志藤 あずさ 伊藤 亜妃 仙田 量子 水上 知之 清水 健二 森下 知晃
出版者
独立行政法人海洋研究開発機構
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

海洋プレートの非活動域に発見された新種の火山「プチスポット火山」海域において、地球物理学的・地質学的調査および岩石試料採取を実施してきた。同試料・データは、東北沖日本海溝に沈み込む前の海洋プレートそのものであり、陸側プレートに与える影響や島弧における火山および地震活動を評価する上で、重要な試料・データをもとに、海洋プレートとその下のマントル構造について総合的な研究・調査を行った。